いぬおのお散歩コースにお宅がある

おばあさんといっとき

毎日のようにお喋りをしていた。

 

ここ半年ほどは姿を見なくなり、

脳卒中をなんどか起こして、

入院退院を繰り返したと

聞いていて、最後に庭でお見かけした

時は、かなり認知症が

進んでいたらしかった。

 

 

 

 

 

 

彼女の近況を訊けるような方を

知らないので、その後もお宅の前を通る度、

どうなさっているのかと

ずっと気になってはいた。

 

ボランティア先でいつもご一緒する方、

今朝、初めて知ったが、この

おばあさんのお友達だったのだ。

毎週一回は一緒にコーヒーを

飲むことにしていたそう。

 

もうお友達の名前も顔も忘れて

しまってはいたものの、

この習慣はずっと守っていたとか。

 

そしておばあさんがおととい

亡くなったことを教えてくれた…。

 

亡くなる前日にも一緒にコーヒーを

いつものカフェで飲んでいたと

聞いて、最後までおばあさんらしいな

と、故人のお話をいろいろと伺う。

 

生前は私も知っての通りの毒舌だったから

おばあさんをすごく好きという人と

嫌いという人が分かれていたと聞いて

これも彼女らしい。

 

落ち着いたら追悼会をビーチで

するように段取りをしていると聞いて、

訃報には涙が出たけれど、おばあさんは

いいお友達に沢山恵まれて

いらしたのだなあと温かな気持ちになった。