「ぜんぜん遊んでない!」

 

大人からすると、十分に遊んでいるように見える子ども達から、こんなことを言われることがあります。

 

例えば同じ2時間でも、満足する2時間と、不満だらけの2時間には、いったい何の違いがあるというのでしょう。

 

実はそこには大きな違いがあるのです。

学校のような所では、自由な遊びの他に、集団で様々な教育活動を行うことがあります。

 

そんな時、保育者(教諭)は何とかして、子ども達が自由に遊べる時間を創出しようと試みるものです。

 

こまぎれでもいい!

とにかく時間を作ってあげなきゃ!

 

そうしたやりくりの結果、トータル2時間を捻出することができたとしましょう。

やりくりをしてでも子ども達に時間を確保した保育者(教諭)は素敵です。

当然、その思いを子ども達も受止めることはできます。

 

でも、やはり子供達は不満なのです。

ではそもそも、子どもにとって遊びとは・・・

 

遊び込むことなのです。

 

子どもにとって遊びは、休憩ではありません

子ども達にとっての遊び時間とは、遊び込む時間が十分に保障されていないと意味がないのです。

 

ですから同じ時間であっても、細切れの累計時間では遊び込むことができないので、満足のいく遊び時間にはならないという訳です。

 

子ども達にとっての遊びは学びです!

 

大切なのは、遊び込む時間の保障であることを忘れずに、

 

「ぜんぜん遊んでない!」

 

という子どもの声に耳を傾けたい

・・・と思う今日この頃です。

「先生、なんのゲーム持ってる?」

 

「うーん・・先生は、ゲーム持ってないんだ。」

 *私はゲームをしないので本当に持っていません。

 

「・・・・・・。

あのね、ママはお弁当屋さんで働いてるから、ゲームが買えるんだよ!

先生も、お弁当屋さんで働けば、買えるよ!」

 

「・・・そうだね。今度ママに、聞いてみるね!」

 

「うん!頑張ってね!」

 

年中組の担任をしていた時のこと、クラスのゲーム好きな男の子にお弁当屋さんで働くことを勧められた話。(笑)

 

この時の彼は、きっとこう思ったのでしょう・・・

 

先生は、ゲームを持っていないんだ。

お金がないんだ!

かわいそう!

そうだ!ママは、お弁当屋さんで働いたお金でゲームを買ってくれるから、お弁当屋さんで働けば、先生もゲームが買える!

教えてあげよう!

 

(笑)

 

そもそも、彼の目に 私は何をしている人に映っていたのか・・の問題はさて置き、子どもにとって親(身近な大人)の存在絶対であり、物事を考える基本になるのだということを改めて感じる出来事でした。

 

 

 

 これはパンツ子どもの話。

 

1歳児〜2歳児にかけて、子ども達は ”トイレトレーニング” の時を迎えます。

トイレトレーニングは、個人の発達の段階親御さんの思い園の取り組み子ども自身の思いなど、様々なものが錯綜(さくそう)するものです。

 

周囲の大人が焦ることで、かえってオムツに執着することもあれば・・・

本当は自立できるのに、生活の便宜上、大人がオムツのままにさせていることもあります。

 

また、子ども自身も自分以外の存在に気付き始めていますから、友達がパンツにしたから自分もパンツにしたい!

と言ってみたり・・・

 

逆にオムツの友達が保育者の手を借りる姿に羨ましさを覚え、甘え心でオムツに戻ってみたり・・。

 

子ども達の心模様も様々です。

 

つまり非常にナーバスな問題なのです。

 

そんな日々の中で、クラスの半分くらいが排泄の自立を達成し、パンツを履くようになってきた頃、ある現象が起きました。

 

★トイレに行くたびにパンツを履き替える

★汚れていなくても履き替える

 

なぜだろうかとよく見ていると、それは2つのタイプにざっくりとわけることができました。

 

Type A:かわいいパンツ・かっこいいパンツをいっぱい持っているから、色んなパンツを履いてみたい派

 

Type B:パンツとオムツの使用上の違いがわからない派

 

前述した通り、トイレトレーニングは非常にナーバスな問題ですので、子ども達の気持ちを無下にすることはできません。

しかし、汚れてもいないパンツの消費量が、こうも多いとそれはそれは問題です。(笑)

 

そこで私は、子ども達に集まってもらい話をすることにしました。

当然、話の冒頭はトイレトレーニングを頑張っている子ども達への賛辞から始まります。

 

そして本日の本題・・・

慎重に言葉を選びなから・・・

子ども達の顔色を見ながら・・・

 

「あのね、実は先生はオムツじゃなくてパンツを履いているのね。」

「うん!うん!」

 

「でね・・先生はパンツをだいだい、1日に1枚だけ履くことにしてるのね。」

 

真剣に話を聞いている子ども達を見て、なんとなく言い切ることに躊躇した私は・・・

 

あ!時々2枚の時もあるかもしれない!

  だから、先生はパンツをだいだい1日に1枚か2枚にしようと思ってるんだ。

  本当は、先生もみんなみたいにかわいいパンツを持っているから、もっと履きたい時もあるんだけどね・・。

  でも、やっぱりパンツだから1枚か2枚にしようと思ってるの。」

「うん!うん!」

 

「みんなも、どうかな? 先生みたいにしてみない?」

「うん!うん!」

 

「それから・・みんなはパンツオムツって、ちょっと違うの知ってる?」

「うん!うん!」

 

「パンツは、トイレに行くたんびに取り替えなくていいんだよ!

  便利だよね!汚れていなかったら、履き替えなくていいんだよ!」

「うん!うん!」

 

(笑)

 

とにかく真剣に、パンツについて語る私

とにかく真剣に、聞く子ども達

 

の図・・・

 

私が職場を離れる時、補助に入ってくれていた先生が言ってくれました。

M先生(私)の保育で色々面白いことはあったけど、あのパンツの話が一番印象的でした!

と(笑)

 

子どもと真剣に向き合っていると、知らぬ間に喜劇が繰り広げられているのかもしれません。

逆に言うと、

 

真剣だからこそ、後にいい思い出になるのだ・・・

 

と思う今日この頃です。