「警察になりたいの?」


全身、警察の格好を真似て、警察ごっこをしている年中組の男の子が、幼稚園に来たお客さんに聞かれて・・・

ハッキリと言った!

 

「ちがうよ!」

 

彼は半分呆れてそう答えた。

私は、後から彼に聞いてみた。

 

「警察の格好じゃないの?」

 

「そうだよ!警察だよ!」

 

彼は、怪訝(けげん)そうにそう言った。

 

つまり…

すでに警察になっている僕に、

 

「警察になりたいの?」

 

ってどういう意味?

 

てことなのです。

(笑)

 

 

 

 ちょっと前には出来なかったことが出来るようになった子どもに、

 

「よかったね!

出来るようになったんだね!」

 

と言うと、子ども達からよく言われる言葉・・・

 

「これ、前から出来てたよ!」

 

そう、例えそれを直前まで教えていたのがであっても、子ども達は普通にこう言ってのけるのです。

(笑)

 

全く、地味な仕事だ!

 

心で笑いながらも、これぞ我が仕事!

教育!なのだと誇らしく思うのです。

 

教育に携わったら、自分の名を残そうなどとは考えない方がいいと私は思うのです。

 

その子の為に陰ながら最善を尽くす!

教育は、子ども達が意識しているか否かとは関係なく、その子の血となり肉となり・・・

やがて生きる力となっていく!

 

残念ながら、教育に結果を急ぐことはできません

でも、確実にその子の人生影響を与える重要なものであることは確かです。

 

今日、私は偶然に駅のコンコースで教え子会いました。

昨年、年長組で送り出したばかりの男の子2人とそのお父さんに・・。

 

「あ! M先生だ!」
 

私が先に気がついて、思わず走り寄って行ったものの、名前を呼ばれて驚く自分がいました。

 

まだ覚えてくれている!

 

かわいいかわいい教え子に会えた嬉しさと同時に、冷静にそう思う自分がいました。

 

送り出したのは、たった1年前

でも、私はすでにもう自分の存在を覚えてもらえていることに期待をしていないのです。

 

なぜなら、子ども達を送り出した時に、

子ども達の背中に、私はいつも・・

 

「振り向かないで!

どんどん前に進むんだよ!」

 

と言っているからです。

その瞬間に自分は過去の人になり、そして新しい記憶に書き換えられる存在だと覚悟しているのです。

 

今日、久しぶりに教え子に名前を呼ばれて、私はご褒美を貰えた気分でした。

 

ご褒美は後からやってくる!

 

そう、すぐに欲しがっていけない!

 

・・・・・

 

ご褒美をもらった今日、

子どもの教育に向き合う自分の約束事として、

改めて無欲であろうと誓うのです!

 

誓わなければ、すぐにが出てしまう自分だから・・・

 

無欲、無欲、無欲無欲・・・

 

うれしかったな・・・

 

初代めやすばこ

 

 小学生だった私は、社会科で初めて”めやすばこ(目安箱)”というシステムを知った日の感動を今でも鮮明に覚えています。

 

*「目安箱」・・目安 (訴状) を入れる箱。江戸幕府 8代将軍 徳川吉宗享保6 (1721) 年8月に江戸竜ノ口評定所前に設置し,民意聴取のための一施設とした。訴状によって小石川に養成所が設置され,江戸市中防火方針が決定されたりした。 

 

当時、どうやら私は小学生ながらに、民意が将軍に届く”目安箱”というシステムが、とても画期的だと思ったようなのです。(笑)

 

ですから、私は保育の現場においても度々、子ども達の声(思いや意見)を聞く為に、自分のクラスに大好きな”めやすばこ(目安箱)”を設置していたのです。

 

子ども達は、自分の思っていることやりたいことわからないこと等々をで書く子もいれば、に描いて投書してくれる子もいました。

時には、友達が誰かに優しくしていたことを書いてくれる子もいました。

 

運用方法は、私が1日に1回、”めやすばこ”を開け、投書をクラスのみんなに伝え、内容によってはみんなで考えるという方法です。

 

年長組を持っていたある日、

 

「どうして幼稚園はあるの?」

 

という投書がありました。

これは、みんなで考えてみる必要があると思い、緊急子ども会議を開催したのです。

 

子ども会議自体は、活発に意見が飛び交いとてもいい会議でした。

子ども達の発言には、

 

★一人でいるとつまらないから

★お友達に会いたくなっちゃうから

★幼稚園で遊んだりお製作をするのが楽しいから

★色んな工作をして、色んな勉強をする為にある

 

といった答えの他にも、

 

★お家で大騒ぎするとまずいから・・

★子どもだけで家にいて、泥棒が来たり事件が起きたり大変だから・・

★お母さんが遅くまで帰ってこない人もいるから・・

★一人でお家にいるとお腹が空いた時に大変だから・・

★子どもはお金を持っていないから・・

★お母さんが仕事をしているから、一人でいると火事とかで怖いから、先生に預けられているの・・

 

どれもこれも、確かに真実です。

真実なだけ、子ども達の言葉に、私はなんとも言えない気持ちになったのです。

 

子ども達が、そもそもどんな思いを持っているのか・・

 

それを知らずに子ども達を理解することは到底できませんし、クラス経営もできません。

子ども会議の後、子ども達の発言を思い出して、クラス経営を考えながら・・

 

同時に江戸時代に思いを馳せながら、改めて”目安箱”が好きだと思ったのでした。(笑)