飲尿療法から学んだこと? | 幕内秀夫の食生活日記

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 キレイになるために「自分のおしっこ」を飲んだことも…“美しすぎる49歳・漫画家”まんきつさんの「美容術」がヤバすぎた

「飲尿健康法はメンタルにも良いと聞いて、毎日、その日最初の尿をコップ1杯ぶん飲むようになりました」

 美容、それは終わりなき獣道――。『 そうです、私が美容バカです。 』(マガジンハウス)が話題の漫画家・まんきつさん(49歳)は、自他ともに認める“美容バカ”。美容と健康のため自分の尿まで飲んだという彼女に、大いに語ってもらった。(全2回の1回目/ 後編 を読む)

キレイになるために手段はいとわない…飲尿や怪しい薬にもチャレンジした、漫画家・まんきつさんの「美容道」に迫る ©細田忠/文藝春秋

キレイになるために手段はいとわない…飲尿や怪しい薬にもチャレンジした、漫画家・まんきつさんの「美容道」に迫る ©細田忠/文藝春秋© 文春オンライン

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その日最初の尿をコップ1杯飲む

――本日はよろしくお願いします。まんきつさんは飲尿を試したこともあると聞きましたが……?

まんきつ 美容法を試しすぎて、すぐ出てくるような情報はもはや全部やったことがあるんですよね。だから最近は、「トンデモ 美容」でネットで検索しています。飲尿をやる直前は、レクチンフリーというのに挑戦していました。レクチンというタンパク質の一種を避ける食事法なんですが、レクチンはナス科の植物、穀類、豆類に含まれているので、食べてOKな食材がかなり限定されるんですよね。2か月ほどやってみたところ、体重とコレステロール値がガクッと下がりはしたんですが、栄養が足りないせいか、気分がかなり落ち込みがちになってしまって……。

担当編集・柳川(以下、柳川) たしかに、あの時期は漫画を全然描いてくれませんでしたね。

まんきつ その節はご迷惑をおかけしました……。そんなとき、飲尿健康法はメンタルにも良いと聞いて、毎日、その日最初の尿をコップ1杯ぶん飲むようになりました。

――どんな味でしたか?

まんきつ なんだろう、海水……? でもやっぱりカレーを食べた翌日はカレーっぽい味がしましたね。あまりおいしいものではないので、飲尿は10日で挫折しました。

 メンタルに良いと聞いて尿を飲み始めましたが、冷静に考えると、そもそも本当に落ち込んでいる人は尿を飲む気になれないんじゃないかな? 卵が先か、ニワトリが先かわからないですよね。でも単なる偶然かもしれませんが、尿を飲んでいたときは、ずっと不順だった生理がピタッと予定通りに来ました。

――漫画の中で、ご自身の美容について「20年の個人的な人体実験」と表現していましたが、言いえて妙だなと。ストイックさ、生真面目さゆえのチャレンジが、時に狂気じみていくという……。

まんきつ 「こういう行動をすると、こういう結果になる」というのを理屈だけじゃなくて実際に体験してみたい性格なんですよ。エッセイ漫画家になっていなくても、同じような生き方をしていたと思います。これはいずれ漫画に描くつもりなので、記事では伏せていただきたいんですが、次は「●●●●●」という美容法を試そうとしていて……。

――いよいよ中世の魔女めいてきましたね。

まんきつ 編集の柳川さんからNGが出るかもしれませんけどね。やりすぎると柳川さんから「さすがに読者がついてこられません」と指摘が入るんです(笑)。

美容に目覚めたきっかけは「20代のときの失恋」

――まんきつさんは20代のときに失恋して、「もっとキレイだったらフラれなかった」と美容にのめりこむようになったそうですね。それまでは普通のスキンケアをする程度でしたか?

まんきつ そうですね。へちま化粧水を塗るくらいで。

――数年後、元カレと再会して、「あなたと付き合ってやっぱり人間は顔じゃないと思った」と言われてしまったそうですが……。そこで美容に対する熱が冷めたりはしなかったんですか?

まんきつ 美容を頑張るようになってから、「肌キレイだけど何かしているの?」と周りに聞かれるようになったのがうれしかったんですよね。どんなに自己肯定感が低くなっているときでも「いうても私は肌がキレイだし」というのが心の支えになってくれます(笑)。

――なるほど。ぜひ、まんきつさんが今までやった中でよかった美容法を教えていただきたいです……!

まんきつ よかったのは顔脱毛ですね。もともとは放っておいたら眉毛が繋がるくらい毛深くて、カミソリでこまめに剃らないといけなかったんですが、脱毛したことで一気に手間が省けて、カミソリによる肌へのダメージがなくなりました。肌もワントーン明るくなったし、スキンケアも浸透しやすくなった気がします。

 あとは短期間のピーリング石鹸ですね。ピーリングはずっと続けると肌へのダメージのほうが大きくなってしまうので、「ここがベスト」という見極めが難しいところですが……。つい欲張りすぎて、ビニール肌(ケアをしすぎて角質層が薄くなり、バリア機能が弱くなった肌のこと)になってしまった経験が何度かあります。

――「まだいける!」と欲張りすぎると損をする。株みたいですね。

まんきつ 本当にそうなんです! ほかには歯列矯正もよかったですね。昔は「弁当箱みたいだね」と言われるくらい輪郭が真四角だったんですけど、歯を抜く矯正をしたら、すごく小顔になりました。いろいろ試してきましたが、一番よかったものとなると、顔脱毛と歯列矯正に落ち着きます。・・・・

キレイになるために「自分のおしっこ」を飲んだことも…“美しすぎる49歳・漫画家”まんきつさんの「美容術」がヤバすぎた (msn.com)

▼もう40年以上も前の話になるでしょうね?欧米模倣、還元主義の栄養教育に疑問を持って民間の食事法に関心が行きました。たぶん?当時、書籍になっているものはすべて調べたと思います。ところが、ここから先は魑魅魍魎、さまざまな主義主張があり、何がなんだかさっぱりわからなくなってしまいました。食事法と言えるかどうかわかりませんが、江戸時代には馬糞健康法が流行っています。土を食べる健康法にも出会いました。しかも、怪しげな健康法でも健康を取り戻した人がいることも事実なのでしょう。だから流行ったのでしょう。

 そんな時に出会ったのが、「飲尿療法」でした。当時、診療所にいたのですが、たしかにそれで健康を取り戻した人が何人もいたのです。当時院長は、「たしかに病気が良くなっている人がいる。幕内君、一緒にやってみないか」と誘われます。結局、私は半年実践してみました。少しやせたことと、足の裏に湿疹がでたくらいでした。そこである考えが浮かび・・・当時、『軌跡を起こす尿療法』(だったと思います)を書いている、医師に手紙を送ります。「赤ちゃんはどうなのか。痴ほうの人はどうなのか」。返事は、誰もいないというものでした。

 尿を汚いと思っていない人は何も変わらないのではないかと思ったのです。つまり、プラシーボではないか?清水の舞台から飛び降りる、その気持ちが健康を回復させたのではないか?だからある意味、なんでもあり得る。この漫画家の「尿を飲んで生理がきちんとくるようになった」もあり得るでしょう。人の「気持ち」の大きさを教えてもらったと思っています。

 だからこれからも風変りの食事が登場するんですね。この記事の「美容法」も同じでしょう。