「1975年頃の食事が理想」に同意!! | 幕内秀夫の食生活日記

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 まだ4月なのですが、暑いですね。最近はよもや7,8月に雪が降ることはないでしょうが、どんな天気になっても驚かなくなってきましたね。素麵でも食べたい気分です。

和食こそ世界最高の健康長寿食 医師が「1975年頃の食事内容」が優秀と指摘する理由

満尾正 によるストーリー

 • 4 か月 • 読み終わるまで 3 分

健康という最高の財産を失わないために、食事の栄養バランスを意識する人も少なくないだろう。ハーバード大学で栄養学を学び、アンチエイジングクリニックを開院した医師・満尾正氏は、健康長寿食として「和食」を勧める。中でも1975年頃の和食が栄養学的に最も優れているという。朝日新書『ハーバードが教える 最高の長寿食』から一部を抜粋、再編集して解説する。

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■1975年頃の和食を見直そう

 日本人の食事を考えるにあたって、興味深い研究があります。1960年、1975年、1990年、2005年と15年ごとにその年の日本人家庭の1週間分の食生活の内容を再現し、その栄養成分の比較を行ったものです。さらにそれぞれの食事内容を凍結乾燥後、8カ月間にわたりマウスの餌として与えて変化を観察したものです(注)。

 1960年代の食事内容では、たんぱく質や脂質が少ない傾向が見られました。この頃は生活習慣病よりも低栄養による疾病が多かった時代です。経年ごとにたんぱく質と脂質の増加が見られるのに対して、炭水化物の占める割合が減少していました。中でも脂質の増加傾向が顕著であり、2005年の食事では1960年と比較してほぼ3倍にまで増加していました。

 マウスを使った実験ですが、1975年の食事内容には内臓脂肪が増えるのを防ぐ働きがあることも確認されました。さらに、糖尿病の原因とも言われるインスリン感受性低下も1975年の食事が最も少ないことがわかりました。この研究では、その理由を栄養成分が満遍なく含まれていたのが1975年の食事だからと結論づけています。

 1975年といえば、今からほぼ50年前、高度経済成長の真っ只中です。化学的農法が推奨され、日本の自然がどんどん失われていった時代でもあり、一方でファストフードの波が始まった年代でもあります。

 現在、50歳代以上の人はこの時代の一般的な和食を覚えていて、「なんのことはない、あの普通の食事が?」と思われるかもしれませんが、働き盛り世代、子育て世代の30~40歳代の人は、もはや和食の基本である「一汁三菜」よりも、ファストフードのほうが馴染みのある食事になっているでしょう。

 栄養学的に最もバランスが優れていた1975年ごろの和食の良さを、改めて見直すべきときが来ています。

 もう一つ、それを裏付けるのが、沖縄県の平均寿命の順位が落ちてきていることです。1980年代まで、沖縄県は都道府県別平均寿命が男女とも1位を誇り、長寿県として知られていました。ところが、2000年頃からだんだんと順位を落としていき、2020年には男性はなんと43位。後ろから数えた方が早い順位です。女性も16位まで下がってしまいました。

 これにはいろいろな原因が考えられますが、一つは食生活の変化が指摘されています。1945年の終戦後から1972年まで、沖縄県ではアメリカの統治が続き、肉食やハンバーガーといったアメリカ型の食事が浸透していきました。現在、そうした食文化の中で育ってきた人たちが年齢を重ねてきた影響が出ているのではないかと考えられるのです。

 食生活の欧米化は、じつは沖縄県だけに限ったことではありません。近年、平均寿命の伸び率は鈍くなっていますし、全国の2021年から2022年の2年間は平均寿命が前年より短くなっています。厚労省は新型コロナウイルスの影響が大きかったからで、新型コロナの感染拡大が落ち着けば、平均寿命が再び上昇する可能性もあるとコメントしていますが、いずれにせよ平均寿命は近いうちに頭打ちになる可能性があります。

 少なくとも、美食・飽食にまみれて健康を意識しない食事を続けていては、生活習慣病が増え、健康長寿とはかけ離れていくでしょう。今一度、1975年ごろの食卓に並んでいたシンプルな和食の良さを再認識し、今の自分のライフスタイルに合った「健康長寿食」を見つけていただきたいと思います。

(注)別冊「日経サイエンス」No237 2020年2月17日発売号

●満尾 正(みつお・ただし)

満尾クリニック院長・医学博士。日本キレーション協会代表。米国先端医療学会理事。日本抗加齢医学会評議員。1957年、横浜生まれ。1982年、北海道大学医学部卒業。内科研修を経て杏林大学救急医学教室講師として救急救命医療に従事。ハーバード大学外科代謝栄養研究室研究員、救急振興財団東京研修所主任教授を経た後、2002年、日本初のキレーション治療とアンチエイジングを中心としたクリニックを赤坂に開設、2005年、広尾に移転、現在に至る。主な著書に『世界の最新医学が証明した長生きする食事』『食べる投資 ハーバードが教える世界最高の食事術』(アチーブメント出版)、『世界最新の医療データが示す 最強の食事術』(小学館)、『医者が教える「最高の栄養」』(KADOKAWA)など多数。

▼今から約30年前、上記シリーズを書きました。お陰様でミリオンセラーになりました。何時のころの時代が理想なのか?考えたわけではありませんが、「1975年」くらいと言うことになるでしょうね。まさに「なんのことはない、あの普通の食事が?」だから、よもやミリオンセラーになるとは考えもしませんでした。そこから、何度か書いていますが「1980年問題」に突入することになったんですね。そして、その結果が小中学生にも現れ始めたと言っていいでしょう。

 非常にいい記事です。