タイでは「砂糖税」 | 幕内秀夫の食生活日記

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タイの砂糖税は2019年10月から

タイの物品税局は10月から、炭酸飲料や栄養ドリンク、缶コーヒーなどの市販ドリンクに関し、砂糖の含有量が多いほど物品税を増税することを明かした。肥満防止や健康促進を目的とした政策で、飲料100ミリリットル当たり10グラム以上の砂糖を含む商品が対象になる。

砂糖使用量に合わせて設定

同局によると、砂糖が同10グラム未満の場合は増税しないが、10~14グラム未満は、飲料1リットル当たり1バーツ、14~18グラム未満は同3バーツ、18グラム以上は5バーツ増税するという。甘味飲料に対する物品税は現在、砂糖が100ミリリットル当たり6グラム以下の場合が免税で、6~8グラム未満が1リットル当たり0.10バーツ、14グラム以上が1バーツ。2017年9月に導入され、今年9月まで有効だが、10月以降は現在の物品税に加えてさらに増税される。

10月に導入される物品税は21年9月まで有効。同10月以降はさらに増税される予定。

source:DailyNews

 

▼肥満や糖尿病の原因は、食生活だけが原因ではない。高脂肪高カロリーの食生活にこそ問題がある。砂糖だけではない、穀類やいも類に含まれる「糖質」も問題だ。など今でもさまざまな議論が行われています。

 食は塵も積もって山になる問題ですから、食中毒のように因果関係を証明することは非常に難しい。清涼飲料水を飲んだからと言ってただちに太るわけではない。私は、ある意味「歴史が証明する」と何度も書いてきました。歴史と言うのは大げさですが、別な言い方をすれば人体実験の結果を待つしかない。そして、明確なエビデンスがなくても、一つの「常識」が作られてくる。どうやら人体実験の結果が出たということでしょう。

 ただ、砂糖税やソーダ税がどんどん進んでいる国々には一つの特徴があると思っています。

 食生活そのものが高脂肪であること。そこに大量に精製糖(とくに異性化糖)は増えた国々だと思っています。『果糖中毒』を書いたアメリカの小児科医は、「数十年前までアメリカはこんな肥満大国ではなかった」と述べています。高脂肪の食生活に精製糖が加わったという指摘です。同感です。

 ただし、高脂肪の食生活を国が介入しようとしても、非常に難しい。たとえば、パンやピザなどカタカナ主食の国々の食生活は、ある意味、「高カロリー高脂肪」を目指した食文化とも言えると思っています。「主食」と書きましたが、米食の国々と違って主食とは呼ばない。極めて単純に言えば、パンで空腹を満たすことは難しいから、副食や飲み物で熱量をとってきた文化です。味噌汁→スープ、シチュー、野菜の煮物和え物→野菜炒め、サラダ、焼き魚(刺身)→ムニエル、フライ

 高脂肪は文化でもあると思います。したがって、「砂糖だけの問題ではないだろう。清涼飲料水だけを責めるのはいかがなものか、高脂肪の食生活は問題ないのか」という批判はその通りだと思いますが、すぐに変えられる可能性が高いのは砂糖であって、その中でも清涼飲料水がわかりやすい。しかも効果も期待しやすい。多くの国々がタイと同じ道を歩むことになるでしょう。日本は・・・?これまで食生活そのものが高脂肪ではなかったため、危機感が少ないのでしょう。もはや、欧米並みに高脂肪になっている人がいるのですが。。。子どもたちの人体実験の結果を待つということなのでしょう。