砂糖入り飲料にグレートラベル | 幕内秀夫の食生活日記

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シンガポールの砂糖入り飲料のグレードラベル・広告規制

3月5日、シンガポールのエドウィンソン保健大臣は、昨年10月から方針が示されていた砂糖入り飲料(sugar-sweetened beverages; SSB)の広告規制およびラベルグレードについての詳細を発表した。

規制導入についての背景や過程については以下の記事で詳細に整理してあるが、ここでは最終的に決定した規制について内容を紹介する。

グレードは砂糖含有量などの条件に応じてA~Dの4段階で示され、Aが最も良い。健康に良くないグレードであるCとDについては、記事冒頭画像のようなラベルを砂糖入り飲料に付与することが必須となる。また、Dの飲料についてはメディアでの広告が規制される。(画像はシンガポール保健省より。但しラベルのデザインは変更される可能性があるとのことだ。)

但し、示された規制は消費者の混乱を招くのではないかと現地メディアを中心に批判が多い。

まず、グレードが砂糖含有量だけでなく飽和脂肪酸(saturated fat)の含有量なども条件となっている点である。以下が保健省が示したグレード別の砂糖と飽和脂肪酸の条件である。砂糖・飽和脂肪酸の条件を両方満たすのが条件である。

例えば、グレードAとして認められるためには、

  • 砂糖含有量1%以下
  • 人工甘味料不使用
  • 飽和脂肪酸0.7%以下

である必要があり、これは実質的には水やスキムミルクなど一部の飲料に限られる。

なので砂糖が入っていなくても飽和脂肪酸が2.8%を超えていればグレードDとなってしまうし、砂糖と飽和脂肪酸の含有量を満たしていても、人工甘味料を使っていればグレードBとなってしまう。

また、グレードDの砂糖入り飲料に関しては広告規制がかかるということについて、酒よりも広告規制が厳しいというアンバランスさにより業界より批判の声も出ている。

現在、シンガポールで販売されている清涼飲料水の約70%がCもしくはDに該当し、この規制は業界に対して砂糖含有量を減らすように促す目的がある。

保健省によれば、この規制はペットボトルや缶で売られている清涼飲料水だけでなく、いわゆるタピオカミルクティーなど店舗で製造販売する飲料に対しても適用される。但し、店舗製造販売に関しては最初は大型チェーンのみに適用される見込みだ。具体的な基準は決まっていないが、10~20以上の店舗数といった閾値が検討されている。

新規則は2020年末に公布され、2021年末に施行される。時間に余裕があるのは、メーカーが規制に対応して砂糖含有量を減らしたり、グレードC以下の製品についてラベルを付与したりするための猶予期間である。

 

▼一般食品に対する規制や課税は、業界は当然としてさまざまな批判がでる。しかし、昨日、「潮目は変わった」と書きましたが、調べれば調べるほど世界中で検討され実施されるようになってますね。あらためていう事ではありませんが、対象の中心は「精製糖」です。まちがっても、穀類やいも類などに含まれる「糖質」ではありません。日本では今でも、精製糖と穀類やいも類などの複合炭水化物を同一視人たちがいますが、世界中、どこを探しても同じ扱いをしている国はないと断言してもいいでしょう。もはや常識と言っていいでしょう。

 さて、シンガポールの場合、この程度で消費を抑えられるのか?疑問はありますが、取り敢えずというところでしょうね。ここまで世界中で動き出したのは、やはり小児の肥満の問題があると思いますね。これまで肥満の問題はどこの国でも、成人の問題でした。日本もそうです。ところが小児にまで広がっている。そのことへの危機感でしょうね。忘年会も新年会もない子どもまで肥満、糖尿病、高脂血症、このまま進んだらどうなってしまうのか?日本の場合も、この程度のことは真剣に検討すべきだと思うのですが・・・?