超加工食品を避けることは難しくない | 幕内秀夫の食生活日記

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超加工食品」がメタボ・糖尿病・がんのリスクを高める 保健指導にも影響


は「糖質+脂質」を含む食品を好む
 

 そもそも脳は、糖質と脂質の組み合わせを本能的に好むようにできている。脂質と糖質の両方を多く含む「超加工食品」が好まれるのは、脳の働きも影響している。 米国のイェール大学の研究によると、糖質と脂質のいずれかを含む食品よりも、両方を含んだ食品を食べたときの方が、脳内の報酬系のシグナル伝達が強くなる。

 研究チームは56人のボランティアに、(1)キャンディーなどの糖質を含む食品、(2)ミートボールやチーズなどの脂質を含む食品、(3)クッキーやケーキなどの糖質と脂質の両方を含む食品のいずれかの写真を見てもらった。さらに、オークションで競り落とせば自分が好きなものを食べることができると説明した。

超加工食品を見ると脳の報酬系が活性化

 その結果、ボランティアは「糖質+脂質」を含む食品にもっとも高い値を付けた。MRIによる脳画像検査を行ったところ、そうした食品の写真を見たときに、報酬系を司る脳領域の神経回路が活性化することが分かった。

 「ドーナツ、フライドポテト、チョコレートバー、ポテトチップスなどの加工食品の多くは糖質と脂質の両方を含んでいますが、そうした食品は母乳を除けば自然界には存在しません」と、イェール大学心理学部のダナ スモール教授は指摘している。  「脳内の報酬系のシグナル伝達を強める高カロリーの食品ばかりを選んで食べていると、肥満や2型糖尿病、心血管疾患が引き起こされます」と注意を促している。

超加工食品ががんリスクを上昇

 「超加工食品」を多く食べる人は、がんのリスクが高いことが、フランスの研究で明らかになっている。 フランス国立保健医学研究所(INSERM)の研究チームは、フランス在住の10万4,980人(年齢の中央値は42.8歳)を対象に、超加工食品の摂取量と、その後5年間のがん(あらゆるがん、乳がん、前立腺がん、大腸がん)の発症状況を調べた。

その結果、「超加工食品」の摂取は、がん全体のリスク上昇に影響することが分かった。摂取した食物の総量に占める超加工食品の量の割合が10ポイント増加するごとに、がん全体のリスクは12%増加した。 がんの種類別に見ると、乳がんのリスクは、10ポイント増加するごとに11%増加した。特に閉経後の乳がんの増加が顕著だった。

加工度の少ない食品は安全

 一方で、加工度の少ない食品(缶詰野菜、チーズ、包装されていない新鮮なパンなど)と、がんのリスクについては関連性がみられなかった。

また、生鮮品、加工が最小限の食品(果物類、野菜類、豆類、米、パスタ、卵類、肉類、魚類、牛乳)は、がん全体および乳がんのリスクを下げることが示された。 「超加工食品は、糖分や塩分、飽和脂肪酸を多く含み、食物繊維とビタミンの含有量は少ない。さらに、加熱により発がん性物質が生成される成分が含まれている可能性がある」と、研究者は指摘している。

なかには、実験動物や細胞モデルを用いた研究で発がん性が示されているために、ヒトに対する安全性が議論されている添加物を含む食品もあるという。

食品の栄養成分表示を見る習慣を

 「超加工食品」は現代人の生活のすみずみに入り込んでいるが、食べ過ぎにはくれぐれも注意した方が良い。

米国糖尿病学会(ADA)は、加工食品を利用するときは、栄養成分と原材料の表示をよく見て確かめることを勧めている。これが、加工食品に何が含まれているかを知るための最良の手段だという。

そうしたうえで、ナトリウム(塩分)、糖分、不健康な脂肪の少ない食品を選択すると安全だ。

▼いい内容ですね。この記事が指摘するように、「稀」に食べるならいいが、そうはいかないのがジャンクフード(超加工食品)です。依存するようになってしまうから問題なんです。こんなことは脳の検査などしなくても、わかりきっていることですね。世界規模で拡大した飲食産業、食品業界は見事にヘビーユーザーを増やすことに成功していることでもわかります。その典型が、マクドナルドでしょう。でも、マクドナルドは基本的にハンバーガーだけ。それに比べて、セブンイレブンにはハンバーガーもあるし、ドーナッツ、スナック菓子、スイーツ、カップ麺、清涼飲料水もある。世界一のチェーンストアになれたのはそれを実証しているということでしょう。生鮮素材を販売していたら、そこまで拡大することはありませんでした。

 そして、この記事のいいところは、どうしてもジャンクフードの問題は、肥満や糖尿病の話になる。世界規模の問題だから仕方ないことですが、本当に患者さんの食事を見ていたら、ジャンクフードの問題は、婦人科系疾患ほど影響が大きいと気づくはずなんです。これも、私は20年も前から指摘してきたことです。


 中でも「乳がん」は食事の影響が大きい。その点に触れているのもいいことですね。最後に「超加工食品」を避ける方法として、「表示」を見て購入することを勧めています。私は、2つのことを提案したいと思う。

 できる限り食品を購入する際は・・・

・その食品の素材の色、形がわかるものを選ぶようにする。

 みかんジュースではなく、みかんを買う。イワシのつみれではなく、イワシを買う。

・「表示」の内容など考えずに、活字が5つ以上記載されたものは避ける。食べる量が多くなる「主食」に関しては「3文字以内」のものを買う。

 日本の場合は、米、蕎麦、うどんなどがある。そこに経済的な問題は生じない。これが大きいですね。パンという加工食品を主食のように食べる国は非常に難しいと思いますね。