剣が君 縁ルート感想と考察 | 誠団

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趣味アカです。最近シータヒーリングにハマっているので、スピリチュアルネタが多いかと思います。飽き性なので随時ネタが変わります。
スピリチュアル貧乏営業が気持ち悪くて嫌い。

 

剣が君 縁ルートの感想と考察を書いていきます。(注意ネタバレ含む)

既にこの作品は人気作でたくさんの方々が感想を書いているので、私はスピリチュアルなエッセンスを交えながら少し別の切り口で書いていきます。

 

テーマ「期待と信頼・ありのままの自分」

 

この人は本音と冗談の区別がつかなくて苦手だなぁと思っていたので攻略を後回しにしたのですが、隠されていた正体が判り過去の悲惨な出来事がわかると急に親近感が湧いてきます。

 

鈴懸や九十九丸のように心根がやさしく純真なタイプではないですが、偉ぶったところもないし愛想がとてもよくてムードメーカーなので、人の懐に入るのも上手い気がします。

 

本陣の夕餉の席で魚の骨を取り除いてくれる面倒見のいい一面があったり、香夜ちゃんが眠れないでいるときの気遣いも下心からというわけでなく、人が人に向ける温かい気持ちや思いやりの心が表現されていて微笑ましいと思いました。

 

でも、その後に残念なことが…

 

こわめし坂でシグラギに襲われた際に剣を抜いてくれなかったんですよね。

 

他のルートではみんな命懸けで戦ってくれたのに、なぜ縁は剣を抜かないのか…それは刀そのものに秘密があったのですが、それは後章に入ってから判明します。

 

香夜ちゃんが目を三角にして怒ってばかりなので、縁ルートの彼女はあまり好きではないのですが、吉原でビンタするスチルはなんか知らんけど好きだったりします。

 

他のルートみたいにしおらしく男を追っかけるんじゃなくて、突き放して檄を飛ばして男を育てる感じなので、そういうお姉さんタイプのプレイヤーならハマりそうですね。

 

私は逃げてばっかりで肝心なことをはぐらかす男は嫌いです。

 

しかし縁は最初っからこんな腑抜けではなく、生真面目で自分の立場を弁えている人だったらしいので、水戸の御前試合が後の人生を狂わせたのでしょう。

 

縁が自分に不信感を抱いている原因は、水戸の者たちが自分を担ぎ上げ政治の道具にしようとしたことで、自分の意に沿わない期待を持たれたことがトラウマになっているからだし、もし縁が周囲の者たちに信頼され尊敬されていたとすれば、このような八百長はなかったはずです。

だって縁の剣の腕前は決して劣りはしなかったはずですからね。

 

病弱ながら辰影という長子もいることから、第二子の縁は武家の因習としてありがちな養子に出されるという顛末となりますが、それは御前試合などなくても必然だったでしょうし、何しろ御三家の出身ですから剣とりがなくても江戸城へ送られることも考えられなくはなかったと思います。

 

家光が自ら指名するならまだしも、御三家の覇権争いのために縁は利用され自尊心をズタズタに傷つけられたのだから、自分は愚か他人を信用できないのは当然ですよね。

 

だからこそ遊び人風を装って自分の本心は口にしないんだろうな…可哀想な人だと思いました。

 

香夜ちゃんに加賀紬?でしたか、気前よく買ってくれたのも、酒ばっかり飲んでお金使いまくるのも、結局は生まれながらの身分に対する反抗心の表れなんじゃないのかなと思ったんですよね。

 

自分をとことんダメ人間にすることで、水戸藩へ復讐する形になっているんじゃないでしょうか。
そうすることで泥を塗ることができますからね。恥をかかせることができますから。

 

辰影が自分に嫉妬しているのもわかっているし、そうやって兄を傷つけているという自覚もあるから、兄と自分を守るためにうつけを演じているんでしょうね。

 

本来の縁は優秀な人なんだと思います。

 

それなのに昼間から酒を浴びるように飲んでフラフラ遊び歩いて、この人仕事してるんか?って第三者に思わせているけれど、本人はずっと傷ついた心をひっそりと隠して誤魔化して生きてきたから自分を恥じてるし、本当は自分のことが嫌いなんだと思います。

 

でも、どうしようもなくて今の今まで流されてきてしまったのかな。

 

このままでいいはずがないと心ではずっと葛藤し続けてきた縁だから、荒魂エンドは彼にとって救いになったんじゃないでしょうか。

 

三日月宗近を正攻法で手にしていたら何も悩むことはなかったと思いますが、剣とりが八百長だったために宗近は自分に相応しくない、神おろしができないと思い込んでしまったようですが、孔魔壇に開いた常夜の入口を封印するのに成功したのは感動的でした。

 

朝倉の陰謀を阻止してマレビトを封印した他のキャラよりも縁が1番かっこよかったです。

 

満身創痍で挑んだ神おろしの場面では、過去に自尊心を傷つけられ本当の自分を閉じてしまった縁と重なって見えたので、そういう過去をもろとも封印するかのように彼の中ですべての蟠りが解けて吹っ切れたのかもしれません。

 

香夜ちゃんの気持ちで読んだらこの結末はとてもしんどいし、喪失感も大きいのですが、縁が本懐を遂げてお役目から解放されたことに心からおめでとうと思えたし、縁を讃えたい気持ちの方が強かったです。

 

本当の自分を誰も見てはくれず政治の道具として使われたことや、辰影や三厳さんでさえお役目を強要する毎日だったから、きっと息苦しかったに違いありません。

 

孤立して逃げ場を無くした縁が、本来のやるべきことを最期に果たせたのは本当によかったと心の底からそう感じました。

 

奇魂エンドでは記憶をなくしてしまいますが、香夜ちゃんを愛おしく思う気持ちは消えておらず、そう遠くない日に失くした記憶を取り戻せたとしても2人の距離が縮まることは難しいと暗に訴えている感じが切なかったです。

 

君ルートはちょっと納得いかないですねぇ。


特に和魂エンドは相変わらず現実逃避したまんまで、おちゃらけた言動だし真意がわからないところがついていけないと思ってしまいました。

縁の真の姿から遠ざかっている気がします。

 

かといって幸魂エンドはどうかというと、こちらも強引な結末だなぁと思わずにはいられなかったです。

 

農業に従事している縁が自分らしく気負いなく楽しげに生きているならそれもよしと思ったんですが、結局は家光や辰影の支援なしにはやっていけないのだなと思うと少しがっかりしたし、香夜ちゃんをしっかりと養っていけるのか不安になりました。

 

確かに機転は効く人で地頭もいいですけど、その能力を農業に使うのには余りあるのではないかと個人的には思ってしまいました。

しゃんとしていればイケメンだし、リーダーシップがあると思うんですよね。

 

最年長は黒羽さんですけど、縁の方が貫禄があり真面目に勤めれば人望が厚いのではないかと思うので、私は幕府の仕事をしてもらった方が納得できるのになぁとつい考えてしまいました。

 

縁が農業したければそれでもいいですけどね。徳川にとって惜しい人材だと思います。