まずは何より、故松本亨博士が戦後から唱えてきたような英語教育法が、ようやく全国で実行される動きになっている喜びです。
文法・訳読中心な英語教育から、英語は英語で教え、「英語で考える」能力を伸ばして、英語を自由に「読み・書き・話し・聞ける」日本人を育てる、そんな英語教育へ本腰を入れた取り組みが実施されていることは嬉しい限りです。
ただ同時に、基本的なところで、まだまだ問題を抱え、あまりに遅い展開に、耐えがたい苛立ちも感じたのも、正直な感想でした。
それでもまた、とても嬉しく感じた、ある予期せぬこともありました。
これまで日本の英語教育改革を引率してきたことで、今回の主賓として招かれていた小池生夫言語学博士のお話です。
教育の現場や、政府機関を相手に、英語教育改革を40年間に渡り苦闘しながらも推進されてきたお話しだったのですが、それは全て博士号を取得したジョージタウン大学での体験があったからだと仰られたのです。
講演後、早速お話しさせて頂いたところ、やはりTESOLを創設されたジョージタウン大学言語学部長の故アレイタス博士とも、様々な思い出があったとのことでした。昨年、オレゴンで撮らせて頂いた私との写真など見ながら、今年2月末に他界された博士を偲びました。
また小池博士と同じく、私もジョージタウン在籍中は、学部生に日本語も教えていたので、様々な共通する話題があり、大変嬉しく感激した次第です。
さて本題に戻りますが、日本の英語教育改革のために、多くの方々が尽力されています。
小池博士を顧問に「一般社団法人 使える英語普及協会」が今年2月に発足され、一昨日は早速協会主催による、第1回目の英語カンファレンスイベントがありました。
本日は私達参加者宛に、同協会代表理事の晴山陽一先生から、「おりしも、小池生夫先生が40年間心血を注いでこられた英語教育改革が、安河内先生の熱意と行動力で 実現に向け大きく歩み出したこの年に、このようなカンファレンスのスタートを切ることができたのは、望外の喜びでありました。」と熱いメッセージが送られてきました。
安河内先生は日夜全国を飛び回り、時に海を越えて、日本の英語教育改革に尽くされています。
ご自身も英語での授業を実施しながら、文部科学省の英語教育に関する有識者会議に参加され、全国の教育現場を回り、新たな可能性に賭けていらっしゃるようです。
思い返せば、安河内先生が東洋経済オンラインで、2年間に渡り英語教育改革に向けての記事を連載されていて、私も第1回目のゲストとしてインタビューされる光栄に浴しました。もうあれから2年も経っているのだと、先ほど見直して気が付きました。
明るい日本の将来のためには、英語教育は絶対に変わらなければいけないのです。
私自身も、まさに理想的と信じる故松本亨博士から学んだ英語教育を、さらに極め実践して広めていくことで、官、民、学、メディア等、様々な教育現場で活躍中の皆様と、将来大きくつなげていけると信じて頑張っていく所存です。