貞彦295話  『風邪で入院』

 

まだ始発の電車も
なく、早歩きで自宅に
向かう。

もしぷう助がとても
悪い病気だったら
どうしよう…

家計はどうすればいい
良いのか…

ぷう助のそばに
いてあげたいけど、
病院へ通う交通費や
入院中の食事の費用など、
入院が長引いたら
もっと働かないと
いけないから病院で
ぷう助には淋しい思いを
させてしまうな…

色々な思いが浮かんで
きては、歩く速度をあげて
余計な不安を考えないよう
息をきらせながら
1時間15分かかり
帰宅した。

急いでぷう助の部屋着や
トミカなどをリュックに
つめて時計を見ると、
ちょうど電車の始発が
走り始めたくらいの
時刻で、リュックを
背負い今度は電車で
大学病院へ戻る。

冬の早朝はまだ夜が
長く残っているかの
ように暗く、空気が
冷たくて意識しないと
暗い事ばかり考えて
しまいそうになった。

だけど二宮先生が
頭に浮かんだ時、
けして暗く悪いこと
ばかりではなかった
と思えて、気持ちを
持ち直しながら病院へ
着き、初めて使う病棟
のIDに戸惑いながら
ぷう助の寝ている部屋
行く。

部屋の入口から、
ぷう助が寝ているはずの
ベッドを見ると、暗い
中で機械のモニターが
赤い数字をチラチラと
させながら、ベッドには

ぷう助ではなく、身体に
複数の機器がつき

病状の悪そうな子が寝て

いて、私は部屋を間違えた?

と思った。

でもぷう助の部屋は、
片側が部屋になって
いる長い廊下の突き当り
だから、間違えている
可能性は低い。

そうなると病室が変更に
なったのかと思い、
ナースステーションへ
足を向けようとした時、
二宮先生が来て、先生
の視線がその子へ

止った瞬間、あれは

ぷう助だとわかり心臓が

ドクドク喉元まで響く。


「お母さんが帰られた
 後にあのまま深く
 眠ったのですが、
 どんどん呼吸の
 状態が悪くなって
 しまいました。

 ぷう助君はそう
 とう苦しかった
 はずです。

 大人でもかなりの
 苦しさなので、
 モニターをみながら
 様子をみていますが、
 さっきよりは若干
 落ち着きがでてきてる
 かなという感じです。

 通常だと、この状態
 でも苦しくてしっかり
 眠れなかったりする
 のですが、ぷう助
 くんは寝てますよね。

 それでけ疲れていたの
 だと思います。

 ただ、血液検査の結果も
 炎症の数値はでていますが
 すごく悪いというものでは
 ないんです。

 おそらく、質の悪い風邪の
 菌がはいってしまったと
 考えていいかと。

 病名は色々な検査をして
 徹底的に調べ上げることも
 できますが、検査は
 苦痛を与えるものもある
 ので、とりあえずは
 ぷう助君がちゃんと眠れて、
 体力が戻るように酸素
 と点滴で回復状況を
 みながら、どの検査を
 するか決めたいと
 思います。

 ここまで苦しくなっては
 いるのですが、起きている
 時は元気、といいますか
 苦しくならないので
 どうでしょうか」


私は最初、ぷう助が
急変して意識がないと
いう、ドラマでしか
見たことのない事を
いわれるのかと思い、
へたり込みそうに
なった。

二宮先生は病名が
不確定なことに
対して、それを
知るための検査が
どの程度必要で、
さらにその検査が
子供に与える負担まで
考たうえで説明してくれ
たことに、私は心から
二宮先生にぷう助を
お願いしたいと思った。

 

 

☆まだスマホがなく携帯電話が主流の時の

お話です。

現在は離婚して平穏に暮らしています。

 

☆個人の特定につながらないよう

一部の表現をかえています。

 

ランキングに参加しています。

クリックしていただけると励みになります。

いつも応援ありがとうございます。

にほんブログ村 家族ブログへ
にほんブログ村

【お気に入りの紹介です】

砂糖、生乳、香料のシンプルな

原材料で私とぷう助が1番好きな

ヨーグルトです。

 

絵本とお菓子の紹介です。

 

最後の最後までお読み頂き

ありがとうございます。

 

たくさん笑顔になれる

明日になりますように。