貞彦294話  『研修医との出会い』

 

 

救急車で酸素マスクを
つけているぷう助を
見ていると、早くなん

とかしてあげたい
気持ちと、この状態を
先生に診察してほしい
という思いが混じる。

救急車が病院の
近くになってくると
ぷう助は回復してきて、
さっそく不愉快な
酸素マスクを外そう
とする。

マスクをはずしたい
ぷう助と私と隊員3人が
必死に酸素マスクの
やり取りをしながら
救急車は到着したけど、
ぷう助は抵抗しながらも
100メートル走を全力で
何回も走ったかのような
くたくたの姿。

隊員は酸素マスクの機器を
持ち、少しでもぷう助に
酸素をあてながら診察を
するところまでついて
きてくれた。

そして、隊員から記録を

受け取り診察にきてくれた

医師は、もし白衣を脱いだら

高校のサッカー部ですと
いわれても信じてしまう

くらい、とても若く爽やか
そうな容姿で、名札には
研修医二宮と書かれている。

二宮先生はすぐぷう助の
診察をしてから無言で
電子カルテを読む。

私は先生がカルテを読み
終えたら、きっと風邪だと
いうことになり救急車の

事も注意されるはずだから、
その前に謝罪をしながらも
モンスター的な母親に

思われるだろうけど、

はっきりおかしい
事を訴えようと決めて
先生を見る。

でも、そんな気持ちで
待ち構えていた私より
先に先生が

 

「入院しましょう。
 昨日から何度も

 苦しくなってしまう
 のは身体の負担に

 もなっているはずなので、
 入院で大丈夫ですかね?」


予想していない言葉に
返答がすぐできず、
数秒間の無言で
頭を巡らせたのは、
これでぷう助がまた

苦しくなったら、すぐ

助けてもらえる環境に

なるんだという安心感

だった。

私が入院をお願いすると


「今は家にいる時より
 呼吸が楽になっている
 ようですが、これでも
 酸素を使わないと
 厳しいです」

「えっ、昨日も病院に
 着いた時には楽に
 なっていて、今日も
 こうやって病院へつく
 ころには呼吸が落ち
 ついているので、
 大丈夫なのかと思って
 いました」

「23時すぎにここへきて
 落ち着いた時はぎりぎり
 大丈夫だったのかもしれ
 ませんが、今は酷い
 状態から1つ脱したくらい
 のもです。

 昨日から病院に来ていて
 だんだん良くなっている
 ならいいのですが、
 カルテをみているとそう
 いう様子がみられないと
 いうか、現状は悪くなって
 いるので。
 
 この後レントゲンを撮って
 からまたお話します」


丁寧な説明を節々で私の

顔を見て確認しながら、
分かりやすく話して
くれる。

ぷう助は看護師さんが
チューブになっていて、
直接鼻のところへあてる
酸素をつけてくれたけど
すぐにとってしまい

すべてを拒否。

それを見て二宮先生が
「ここが気になるんだよな」
といいながらチューブに
ハサミで一瞬、何かを
してからぷう助の鼻に
あてると、ぷう助は
何の抵抗もせず普通に
酸素をつけた。

どんなことをしたのか
はまったくわからず
マジックのようで、
次に点滴をするための
準備をしながら


「頑張れそう?
 一瞬だけチクッっと
 するけど3秒で終わる
 から数えておいて」

「え…0秒にして」

「0秒!?よっしゃ!
 わかった0秒でいこう!」

「いーーーーーーーー
 ちの前にほら終わった!
 なっ!0秒!!」

「うん」


ぷう助がニコッとした。
 

その後は、嫌がる事も
なくレントゲンを撮り、
画像をみても特に悪い

所は見当たらず、

今はいちおう1番苦しい

状態ではないから、

詳しい事は朝を迎えて

からになった。


病棟の大部屋へ行き

ぷう助をベッドへ寝かせ

てから、看護師さんが

入院の説明をしてくれる。

私たちは複雑な事情を
持ち合わせていたから、
まだ夜明け前の4時と

いうこともあり、各担当者が

出勤してきたときにもう1度

細かい説明をしていただけ

るようで、それまでは誰が

来ても面会謝絶にすると

いう。

貞彦さんがいきなり
嗅ぎつけてくるわけでは
ないけど、以前に電話で
教えてもらった通り
厳重に守られている
と感じた。

私はぷう助の着替え
などを取りに帰るため、
看護師さんに伝えて
急いで家へ向かう。
 

 

☆今日、ブログで二宮先生の

 ことを投稿することができ、

 久しぶりに先生に会えたような

 気持ちで胸がいっぱいです。

 

 二宮先生はぷう助の退院後も

 少しの間、主治医でしたが

 研修医だったので先生が

 目指している研究をするために

 他の病院へ移動されました。

 

 数ヶ月のお付き合いだった 

 のですが、思い出がたくさん

 あり、ぷう助も大好きだった

 ので今夜は先生の話で

 盛り上がりました。

 

 ブログに残すことによって

 思い出を形にすることが

 できたのは、読んでくださる

 皆様のおかげです。

 

 本当にありがとうございます。

 

☆まだスマホがなく携帯電話が主流の時の

お話です。

現在は離婚して平穏に暮らしています。

 

☆個人の特定につながらないよう

一部の表現をかえています。

 

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最後の最後までお読み

頂きありがとうございます。

 

感謝を忘れない明日を

過ごせますように。