貞彦286話 『調停中に手紙』
保健所の記録は結局、
何かの役に立つ訳でも
なく、保健所にも迷惑
をかけた終わりになって
しまった。
ただ、貞彦さん側も同じ
記録の開示を求めて
いたならば、記録は
真っ黒に塗りつぶされて
いるほうが私にとっては
都合がよく、これでよかった
んだとも思える。
記録のほとんどは私の
持病に関しての内容
だから、貞彦さんの手元に
いってしまうと、すでに
始まっている親権争い
で「妻は持病で育児が
できない」という証拠に
使われてしまう。
そんなことを思ったり
しながらも、いつも
リビングにいてくれる
メロスと一緒に落ち
着いた日々をおくって
いた時、実家に貞彦さん
から手紙が届いたという
連絡が来て、取りに
いった。
どんな酷い悪口が書か
れているのだろうかと
覚悟しながら、3回目の
調停にそなえて、すぐ
開封する。
「前略 お元気ですか？
ぷう助は元気ですか？
父親のいないぷう助の不幸が
いたたまれんせん。
1回目の調停の時、
私は調停後まぁみに
会って私の誤解をとこう
と思い、裁判所をでた
所で待っていたのですが、
すれ違ってしまい
会えませんでした。
それでも、駅前のカフェ
でまぁみが通りかから
ないか、おいしくもない
コーヒーを片手に待って
いたのですが姿を見つけ
ることはできませんでした。
2回目の調停でも、駅前で
まっていたものの、運命は
私に残酷な仕打ちをしてい
るのだとよくわかりました。
まぁみと話せるのなら
なんでもします」
調停の後に待ち伏せを
されていたなんて、
あの時、四条先生が
タクシーで駅の反対側へ
いくようにしてくれて
本当によかったと
思う。
今後の調停は
もっと気を付けて
帰らなくてはいけない
ことがわかった。
1回目の調停の時です。
☆まだスマホがなく携帯電話が主流の時の
お話です。
現在は離婚して平穏に暮らしています。
☆個人の特定につながらないよう
一部の表現をかえています。
ランキングに参加しています。
クリックしていただけると励みになります。
いつも応援ありがとうございます。
【お気に入りの紹介です】
砂糖、生乳、香料のシンプルな
原材料で私とぷう助が1番好きな
ヨーグルトです。
絵本とお菓子の紹介です。
明日も幸運な事が訪れる
日になりますように。
心がつかれている人には
癒される時間が訪れますように。