フォーム | makoのWhat's New?

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「食いしんvocal」のゴキゲンな日々

最近、「うらおもて人生録」(色川武大著、新潮社)を読んでいます。
阿佐田哲也の名前に馴染みがある方も多いかと思いますが、著者は直木賞作家にして元博打打ち。放浪の日々を過ごしてきたお人です。

まだ序盤ですが、非常に気になった記述をご紹介します。

「どの道でもそうだけれども、プロはフォームが最重要なんだ。」
「フォームというのはね、今日まで自分が、これを守ってきたからこそメシが食えてきた、そのどうしても守らなければならない核のことだな。」

胸に突き刺さった。
私のフォームは? まだまだ完成していない。せいぜい2割ってとこだろうな。

歌い手にとってのフォーム。それは声の色彩だったり、伸びだったり、抑揚だったりを表現するために、身体をどう使うか、ってことだと思います。

どういう姿勢で立ち、どこに重心を置き、どんな筋肉を使い、いかに力を抜くか。すべての表現は「必然」であり、身体がこうなったからこういう音になった、という世界。私はブレブレだ。。。感情や相手の出方で揺らいでしまうから。

「フォームというのは、これだけをきちんと守っていれば、いつも六割四分で有利な条件を自分のものにできる、そう自分で信じることができるもの、それをいうんだな。」

常に出せるのは十割じゃなくていい、といつも思います。ただ、十割を大きくしていかなければいけないけど。自分の持っているものの六割でも、人が満足するものを常に出す、とうのがプロ。他の仕事でもきっとそうだと思います。毎回十割だして燃え尽きていてはね、続かないですから。

奥深いです、色川さん!
フォームをものにしたい、そう思うとなんだか、練習のときの意識も変わってきますね。それにしても、博打にもフォームがあるのか。

「ことわっとくが、フォームに既製品はない。自分で手縫いで作るんだよ」

毎日、一針でも縫い進みたいですね。