イノセンツ(ネタバレ)~北欧童夢~ | 映画でもどうどす?

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映画と読書の感想を気が向いたら書いてます。
どちらも、ホラーとミステリが多め。
ホラーなら悪魔よりゾンビや怨霊。
ミステリならイヤミス。

  ■あらすじ

 

 

●アナ…自閉症の少女、超能力者

●イーダ…アナの妹、非能力者

●ベン…イーダと友達になる、超能力者

●アイシャ…アナと友人になる、超能力者

 

郊外の団地に引っ越してきた一家。

お姉ちゃんのアナは自閉症で、言葉も話せない。

妹のイーダは、引っ越しが夏休みの時期にかぶったので、友達も出来んやん泣くうさぎ

 

 

そんな時イーダはベンと言うボッチ男子と仲良くなる。

 

 

ベンは不思議な能力の持ち主。

石ころを飛ばしたりしてイーダの歓心を買い、二人は仲良くなっていく。

 

 

ママ上はアナの面倒をたまにイーダに任せる。

ちょっとイラつくこともあるイーダむかつき

 

 

ベンは、時折とてつもなくく残虐な一面を見せることもあった。

にゃんこを高い所から落としたり(てめー!)、

怪我をして横たわるにゃんこをKILLしたり(てめー!)。

 

 

イーダはかなりドン引き不安

 

 

ある日、アナの考えてることがわかるアイシャと言う少女と出会う。

感情なんて持っていないと思っていたアナが実はそれを表現する方法を持たないだけだとアイシャから教えられるイーダ。

 

 

大人は無用。

子供だけの世界で

楽しく夏を過ごす4人。

 

 

特にアイシャとアナは常日頃から心で話し合っており、

強固な絆を作っている。

アイシャの心はアナの心、

アナの心はアイシャの心。

 

 

しかし破滅はすぐそこに来ていた。

 

 

ベンは自分と同じサイキッカーのアナが嫌いみたい。

邪魔であると認識してる。

 

 

ベンが自分に冷たい態度をとった少年の足の骨を超能力で折った。

ついには自分の母親すらもKILLしてしまった。

 

 

アイシャはベンを危険視するが、

ベンはアイシャのママ上の脳を支配して幻覚を見せ、

アイシャをKILLさせてしまう。

 

 

アイシャのシボンヌに愕然とするアナ。

 

 

イーダもベンを危険と認識し、橋の上から突き落とすが、ベンの幻覚世界に入ってしまい事故に巻き込まれる。

命は助かるが、ベンは能力で人を操りアナ殺害を試みようとしていた。

 

 

悪に染まっていくベン。

何の能力も持たぬイーダは「どないしたらよろしおますねん驚き」となるばかり。

 

 

小さな池を挟んで、

ベンとアナが対峙する。

 

 

ベンの攻撃で放たれる念動力は池にさざ波を作りアナを襲う。

倒れるアナ。

やってくるイーダ。

 

 

大人にはわからない能力者同士の対決。

赤ん坊が泣きだし、

わんこは吠え、

子供たちが異変を察知する。

団地のベランダに出てきて様子を見ている子供たち。

 

 

イーダはアナの手を握りしめる。

能力の無いあたしだけど、お姉ちゃんとあたしはひとつなんだ。

姉妹でベンと対決。

(多分、団地にいる複数の能力が出ていない子たちの力も借りてる感じがする)

 

 

アナの念動力がベンを直撃し、

公園のブランコに座ったまま、

ベンは息絶える。

 

 

団地のベランダでその様子を見ていた子供たちは部屋に帰り

赤ん坊は泣きやむ。

 

 

さざ波は消え、

公園はいつも通りにぎやかになっていく。

ただ一人、静かに息を引き取ったベンを残して。

 

 

アナはまた自分の世界にこもっていくが、

以前から頻繁に意味の無い線を描いていたお絵かきボードに

(描いてすぐにザーッと消せるアナログタイプの奴)

何かを描き込む。

 

 

アナが何を描いたのか

観客にはわからないまま。

 

 

■おしまい 

 

 

 

 

 

  ■感想

 

 

出典: (C)2021 MER FILM, ZENTROPA SWEDEN, SNOWGLOBE, BUFO, LOGICAL PICTURES

 

 

アイシャもベンも生育環境が不憫。

ふたりは北欧系じゃないので(移民?)そういう意味でも、周囲から浮いている。

アナとイーダの両親は愛情込めて育てているものの、どうしてもアナに気が行きがちでイーダは寂しい思いをしている。

 

 

そんな4人が出会ってしまった。

 

 

最初はベンも「ええとこみせたろ」みたいな感じでイーダに力を見せてたら、どんどん力が強くなっていって。

その力が悲劇を生んでいきはる。

 

 

純粋な子供たちの感情は、

無邪気に暴発する。

 

 

アイシャのママ上は、たぶん精神的に弱い人で、

アイシャはそのママ上を見ているからこそ、アナと感応できたのかも。

 

 

仲良く助けあって生きて行ければ良かったのにね。

「俺らむっちゃ力あるやん?この力で大人たちにもできないようなヒーローになろうやん?」

ヒーロー映画ならそうなるね。

シャザムとか。

 

 

でも悲しいことにこれはヒーロー映画じゃないんだよ…。

 

 

ベンは親を排除して自由になりたいし、イーダにいいところも見せたい。

根が単純なのはミエミエ。

「僕を愛して」。

 

 

アイシャは不安定な母親のことをわかっているから「あたしを愛して」と言えない。

イーダもそう。

おねえちゃんのことで大変なんだから頑張らなきゃ「でもあたしを愛して」

 

 

アナは表現できないだけ。

ベンに対してはどう思ってるのかはわかんないけど

「あたしはイーダとアイシャを愛してる」

 

 

思いは入り乱れ、

力が強くなっていくにつれベンの邪悪さが開花していく。

 

 

愛してやまない母親にKILLされるアイシャ。

アイシャがKILLされる、その時の感覚を共有してしまったアナ。

 

 

茫然としながらもすべてを受け入れるような顔で旅立つアイシャがかわいそうで…。

 

 

結局ベンは、

能力者の中でも疎外され(たと感じ)、

イーダにも距離を置かれ(たと感じ)、

団地の子供たちからも排斥されてしまった。

自業自得なんやろうけど。

でも何だかちょっぴりかわいそうな気がするの。


 

この映画のテーマは。

猫注意報!

猫好きの方は気を付けて!

上矢印

これ!

 

 

能力を持っているからと言って、

正義の味方にはならないし、

生きやすくなるとも限らないのよな。

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