■あらすじ
●マリアン…今日結婚式の金持ちの娘
●マルタ…マリアンの家のメイド
●クリスチャン…マリアンの家の使用人
●ロランド…昔の使用人、妻が病気
町で暴動が起き始めているのに、
富裕層のマリアンは結婚式真っ最中。
式には他の富裕層もやってきて祝福ムード。
そんな時、かつてマリアンの家の使用人だったロランドが、妻の手術のためにお金を貸してもらえまいかと懇願しに来た。
マリアンのママ上がお金を差し出しても焼け石に水。
マリアンはご祝儀を渡そうとするがロランドはいつの間にか帰宅してしまったらしい。
彼の妻を入院させるべく、使用人のクリスチャンとともに式を抜け出すマリアン。
途中、暴漢に襲われそうになるが、なんとかロランドの家にたどり着く。
そのころマリアンの屋敷は暴徒によって襲撃され、多数の死傷者を出していた。
マリアン、助かったんか。
助かってません。
マリアンを救いに来たはずの軍の末端組織は、マリアンのように逃げ出していた人を拉致し、身代金を要求しておったのだ。
軍人が…下っ端とか言え軍人が。
マリアンは連れていかれた先で屈辱的な目にあう。
他の人たちも同じ。
恐怖と恥辱が支配する世界。
身代金を要求されたマリアンの兄や父(母は家襲撃でKILLされた)は、大金を払う。
受け渡しは、クリスチャンとメイドだったマルタ。
もちろんこの二人は犯人ではなく、犯人に指示され仕方なくやってるだけ。
拉致られた人たちは身代金をある金額出すと監獄から出してもらえる。
出してもらえる≠生きて帰れる。
出たとたん銃でパァン
マリアンもクリスチャンとともに連行され、KILL。
「クリスチャンがマリアンを殺した」ことにされてしまう。
しかし、軍の上層部も甘ちゃんではない。
暴動を起こした民衆を捕まえ、
拉致事件を起こした軍人は処刑。
そして全く事件とは関係ないマルタも首謀者として縛り首に処されてしまう。
結局、民衆の暴動も軍人の暴走も、
わしらのあずかり知らんこっちゃが、
こいつらには死をもって責任を償ってもらいますけぇ、
わしら軍部、ちょっとやりますやろ?
これがわしらの、
ニューオーダー!(新秩序)
■おしまい
■感想
出典: (C)2020 Lo que algunos sonaron S.A. de C.V., Les Films d’Ici
ム…ムナクソ
冒頭、人がゴミのように捨て置かれるシーンがあるので気をつけて。
軍と言う力と権力の権化。
武力制圧して戒厳令を出されたら、民は何も出来ませんがな。
貧困層が起こした暴動。
それに乗っかる軍人。
軍人もカネホチイのはわかるけど、やり方が最悪~。
貧困層がマリアンの家に侵入してくるシーンは、ちょっと怖かったです。
なんつうか、言語の通じない…意思の疎通のできない奴らが侵入してるっぽくて。
メイドさんや使用人たちの「金目のものは全部奪っていくもんね」も、
何の躊躇もなくご主人を撃つのも、
日頃よほどひどい扱いを受けてたのかなーとは思うのですが…。
暴動テンションになってるとしか思えない。
アルヴィンウィルスに罹患しなくても、人間ってここまでひどいことが出来るのですね。
そして、箱入り娘で大切に育てられ、善意の人(白木葉子お嬢さんみたいな善意)であるマリリンが、ああいう結末を迎えてるのが哀しみ。
もっと悲しいのは、身代金の受け渡しに関与してた(やらされてただけやん)なマルタたちが、
誘拐拉致の首謀犯にされて、
処刑されちゃうこと。
「しりません」も「やってません」も通じない。
相手は軍だから。
無茶苦茶理不尽な世界やないですか。
マリアン。
情勢が悪化してる中、結婚式を開いて、同じその日に事件に巻き込まれて。
あのまま両親や夫と家にいた方が良かったのか。
いてもKILLされてたかもしれないし。
貧困層のロランドも、
妻の様態が悪化して医者を呼びに行った途中で「外出してるから」と射殺されます。
妻も多分そのまま…ですよね。
ムナクソー。
こういうのを見ると、まだなんやかんや言うても日本は平和なんだなーとは思います。
善なる人も救われない…と言う「世の中そんな甘ぅない」を地で行くような作品。
そういうのがお嫌いな方は観ない方がよろしいかと。
この映画のテーマは。
振り切った理不尽。
振り切った胸糞。
そして、
何ひとつ救いがない!
これ。
メキシコアカン軍部や…。
ポチ
↓