■あらすじ
注意
今回のレビューには、
お子様の情操教育等々に相応しくない内容が書かれております。
●ロベルト…ポーランドの警察官
●ウーラ…誘拐された少女
ポーランドのある町で4歳の少女ウーラが姿を消す。
母親は近所の子供の証言で、ウーラが誘拐されロシアに連れていかれると察知。
すぐさま後を追うが、スピード違反で逮捕されそうになり、あと一歩でウーラを見失ってしまった。
母親は「あんたが止めなければ、もうちょっとで娘を取り返せたのに」と、警察官のロベルトを号泣しながら責める。
ロベルトは、この時の贖罪のためこれから12年間にわたってウーラを追い求めることになる。
3年後。
ロシアで起きたガス管爆発事故。
この事故の被害者男性が、実は小児性愛の人身売買組織に関与していたらしいことが判明。
事件を聞き及んだロベルトがポーランドから乗り込んでくる。
ロシアの女刑事(暴力的だけど有能)の協力を受け、人身売買に関与している男の兄のトラックを追うが、時すでに遅し。
ウーラを含む数名の子供たちは、よその国に売られて行ってしまった。
子供たちに、どんな地獄が口を開けて待っているのかを熟知している刑事たちは、あと一歩の無力さを噛みしめるのだった。
4年後。
11歳の少女が電車に飛び込み自殺する。
誘拐された子供たちの「成長した顔」をCGで作り、あちこちに渡していたことで身元が判明したのだ。
彼女はウーラではなかったが、11歳で既に妊娠させられていた。
ロベルトはインターポールの協力を仰ぎ、少女たちの「そういうことをするため」の宣伝素材用写真を撮っている現場に踏み込む。
そこで出会った少女は、子供ながらすでに娼婦。
男を篭絡する言葉を吐きながら、ロベルトの手から容易く逃げてしまう。
その子が実はウーラだった。
ロベルトは、ずっと犯罪者を追ってきて、犯罪者の心理とシンクロしなくちゃいけない時もあり。
そのことで自分の中に、良からぬ性癖が生まれたのではないかと苦悩していた。
小児性愛と悪魔崇拝を掲げたサロン(と言うか悪の巣窟)に踏み込んだロベルト。
そこで女ボスに捕まり、拘束されながらウーラに奉仕される。
そこで多分、果ててしまったロベルト。
己の警官としての矜持、人としての尊厳、意志の力は蹂躙されてしまった。
女ボスは「あなたはまたきっとここに来る」と不敵に笑う。
プールのウォータースライダーで、女の子にムラムラ来てしまったロベルト。
(むっちゃ怖い)
女の子に騒がれてパンイチで逃げだすが、幼い女の子に欲情してしまう自分をはっきり自覚してしまうのだ。
5年後。
タイでウーラはDVイン●野郎と恋人同士のような関係になっていた。
売春して稼ぎ、彼氏に渡す。
彼氏から暴力を振るわれても、受け流し慈愛に満ちた笑みで彼を迎え入れる。
ロベルトは見つけ出したウーラに、自分の連絡先を渡した。
「なんかあったら連絡してきて」
ずっと不正出血が続いていたウーラは病院に行き、そこでポリープがあること、妊娠していることを告げられる。
最初は堕胎するつもりだった。
男もそれを望んでいる…と言うか当たり前だと思ってるし。
だが。
ウーラはエコー検査で赤ん坊の姿を見てしまう。
堕胎しなくてはならない。
彼がそう望んでいるから。
でも…
自分の感情(それを人は「愛情」と言うのだよ)を持て余したウーラはロベルトに連絡を取る。
ロベルトは駆けつけ、ウーラをDV男から奪い取り、男に味方したチンピラともども成敗。
自分は負傷しながらもウーラをポーランドに送り届けるため奮闘。
ウーラは無事機上の人となった。
ロベルトは、あの小児性愛と悪魔崇拝のクソサロンを襲撃。
そこにいるやつらを皆殺しにして子供たちを救出後、自殺を図るが弾切れ。
「それは、生き抜いて子供たちを助けておあげなさい」っていう神の啓示やで?なんて思ったら、
やってきた警察軍団の前に銃を持ったまま出て行き射殺される。
死でしか自分を救えなかったロベルト。
ウーラは懐かしいポーランドに帰る。
自宅はもうすぐ…。
優しくお腹を撫でながらウーラは歩いていく。
自分が進むべき道を。
そして彼女は家のベルを鳴らす…。
■おしまい
■感想
出典:https://www.amazon.co.jp/dp/B0BNZWFPFF
あんま有名な映画でもないし、サクっと観ちゃおうか。
とんでもなかった。
これ、傑作ですよ
「4歳で誘拐されたウーラを12年間追い続けた警官の話」
こんなあらすじで、誰がここまで心を震わせる話になってると思いますか。
子供が売られる。
売られた子供がどうなるか。
美しい子供は性奴隷として仕込まれ、売り飛ばされる。
幼い売春婦。
処女膜すら再生させられて。
再生手術の時のウーラのあの顔…。
そして美しくない子は、たぶん臓器売買に使われる(これは映画では描かれてません)。
「これからは人身売買の時代なのよ」←鬼サロンのババァのセリフ。
テスカトリポカかよ!
闇の子供たちかよ!
ほんの子供の時から売春をさせられ、人としての教育も生き方も何も教えられなかったウーラ。
奉仕することが愛で、男の好むように明るくドライに、でも慈母のようにふるまい男の言い分を拒否しない。
男の求められるままに生きるしかできないし。
何よりそれが当たり前だと思っていた。
タイの彼氏も、
「こいつ人間として最低じゃねーか!」
人種。
そんなクソムシが、オサレな家(片付いてる)に住んでオサレなお食事してるのが、
心の底から腹立たしい。
ゴミ箱(生ゴミの)ぶちまけに行ったろかい!って思うくらいには腹立たしい。
ウーラを救うために12年の年月を費やし、
自らもまた禁忌の世界に入っていきそうになってしまうロベルトが…。
誰も彼の心までケアできないのね
奉仕されながら「やめろぅ」「やめてくれぇ」「ううっ」ってなっていくロベルトが気の毒すぎる。
それに比べて、クライング・フリーマンは、
「なぜエレクチオンしないのよッ」と言われるくらい自制心を持ってたのか、すげーな。
(心を落ち着かせるために、関係ないことを連想して平静を保つの術)。
「あの子は8歳で子供の時期が終わった」みたいなセリフ、
マジ怖い
ウォータースライダーのシーン。
踏ん張れ、踏ん張れロベルト…と強く願っちゃった。
そして、ものすごく画面作りが怖かった…
ラストの銃を持ってババババババ!とみんなを撃ち殺していくシーン。
爽快感と同時に、
これくらいしないと子供を助けられないのかと言う気持ちが沸き起こってきた。
とりあえず、
ロシアは怖いなぁ。
この映画のテーマは。
子供から目を離しちゃダメ。
それだけは教訓として叩き込まれよ。
これ!
ウーラ役の女の子が、
娼婦の時は、一生懸命小悪魔になりきってフェロモンぷんぷん出し、
「男なんてそれがやりたいんでしょ、アタシを好きにしていいのよ」
な美少女全開だったのが、
普通の女の子に戻ろうとしてるウーラに柔らかさが戻って来てて、
本当に良かったと思いました
ポチ
↓