由宇子の天秤(ネタバレ) | 映画でもどうどす?

映画でもどうどす?

映画と読書の感想を気が向いたら書いてます。
どちらも、ホラーとミステリが多め。
ホラーなら悪魔よりゾンビや怨霊。
ミステリならイヤミス。

  ■あらすじ

 

 

●由宇子…ドキュメンタリーDであり塾講師

●木下政志…由宇子の父、塾経営

●小畑萌…塾の生徒、妊娠発覚

●小畑哲也…萌の父、カイショナチ

 

自殺した女生徒。

残された父親。

女生徒と関係したと言われ身の潔白を訴えて自死した教師とその家族。

どちらの家族も「正義面カマした世間の声」と言う暴力で生活を脅かされていた。

 

 

彼ら彼女らの心の声を由宇子は取材している。

弱き者の声を等しく世間に訴えて行こうやん。

上層部からは「学校批判の路線で行こうや」と言われるが、

「そんな意見に屈したらアタイの報道魂が穢れちゃう!プンプン

 

 

由宇子はジャーナリストの傍ら父の経営する木下塾で講師も務めている。

 

 

ある日塾で生徒の萌(めい)が嘔吐オエー

診察してもらったら妊娠してると宣告された。

そしてなんと、相手は由宇子の父である塾長。

オッサーーン!

 

 

塾長の下半身はどうなっておるのか驚きはてなマーク

可愛い生徒に迫られたら、ふらふら頂いちゃうのか驚きはてなマーク

 

 

萌の父親はエビちゅ風に言うところの、かいしょなち。

正社員でもないしガスも止められてるし国保料金も滞納中。

 

 

由宇子は萌を何かと気遣うようになる。

萌もまた由宇子に心を開いていく。

由宇子の知り合いの医者に診てもらったら、子宮外妊娠かもって。

これはサクっと堕胎してなかった事には出来ねぇよ。

 

 

木下父は「もう全部白状しちゃう」とゲロる気満々。

「はぁ?何言うてんの?今まで築き上げてきたものを全部失っちゃうんやで?」

正義の人面してたくせに保身をまず考えちゃう由宇子。

しかし誰が由宇子を責められようか。

 

 

とりま、白状すんのはちょっと待て、と父親に言い置く由宇子。

 

 

自分の取材してる方々への謂れなき糾弾をなんとかしてから…作品が完成して放送されてから…ゲロするのはそれからにして。

 

 

由宇子の正義は自殺した女生徒と教師、ふたりの家族を救っていくはずだった。


 

だが由宇子は塾の生徒から萌の良くない噂を聞いてしまう。

「ウリをしていた」「誰とでも寝る」

由宇子の心に疑惑が起きる。

お腹の子はホンマに父親の子なのか?

 

 

悪いことに、自殺した教師の家族から衝撃の事実が告げられた。

教師は女生徒をレイプしていたのだ。

スマホにその時の映像が残されており、教師の家族は自分たちを守るために「僕、無実やもん」と言う遺書をでっちあげていた。

ナンタルチア不安びっくりマーク

 

 

何が真実なのか?

今まで守ろうとしていたものは何だったのか。

愕然とする由宇子は萌に「あんたのお腹の子の父親って誰なん」みたいなことを聞いてしまう。

由宇子の元から逃げ出す萌。

 

 

萌が事故に遭い意識不明で病院に担ぎ込まれたと連絡が来る。

萌の父は「あいつ妊娠してたらしいんです、先生、なんか聞いてませんでしたか」と泣きながら問うて来た。

由宇子も由宇子父も、何も言えない。

 

 

憔悴する萌父に由宇子は、

「萌ちゃんを妊娠させたのはうちの父、私は隠しとけ言いました」

と打ち明ける。

 

 

怒り狂った萌父に首を絞められる由宇子。

 

 

駐車場で倒れていた由宇子がガフゥ!と復活。

そんな由宇子に「あの取材、ポシャったから」と連絡が…。

 

 

由宇子はスマホのカメラを自分に向け、告発者でもあり告発される側でもある自分を撮り始めるのだった。

 

 

■おしまい 

 

 

 

 

 

  ■感想

 

 

 

 

長い映画なのにあっという間に観終わっちゃった。
 
 
由宇子が、すごいクールな人で。
カッカと突っ走る人じゃないのに我は通す…みたいな。
 
 
BGMがないねん。
淡々と、でも確実にHPを削りながら話が進むねん。
 
 
弱い方々の代弁者になる、報道被害許すまじ、という気概を持つ由宇子。
萌の妊娠については自分のツテを使って裏から手を回すこともする。
清濁併せ持ってる由宇子。
…に比較して由宇子パパはアカンやつやで。
 
 
全部打ち明ける」打ち明けてどうすんの?
萌と結婚するの?
教え子のJK妊娠させたええとしこいたおっさんがどんなにピュアな心でコトに及びました…言うても、謝罪なんて誰も受け入れへんて。
しかもピュアちやうかったし。
それを報道されたらパパと由宇子だけじゃなく、萌も…(ここまでは当事者)塾に来てる子たちも巻き込まれてしまう。
それがわかってるから由宇子は「黙っとけ」言うたんでしょ?
 
 
怖いのは己の良心でもなんでもなく、
正義マンになってる世間。
ある日突然、ちょっとしたきっかけで牙を剥いてくる世間。
 
 
由宇子も最後にゲロるんなら黙り通せばよかったのになぁ無気力
 
 
萌パパ。
かいしょなち。世渡り下手。ルーズ。萌の事はそれなりに気にかけてる。
そしてカッとなりやすい←ティッシュ配りでブチ切れてたやん?
でも多分、
この人がそばにいたら、
「うちが守ったらなあかん!」と思っちゃうんやろうなぁ。
つまり、好み←聞いてねぇ!
 
 
出てくる人たちがみんな悉く不器用。
おまけに誰の言うことも信用できひん。
 
 
一連の事件で一番被害を被ったのは、
自殺した教師の姪っ子ちゃん。
由宇子と一緒にトランプをしてた時に見せた笑顔は、本当にうれしそうだった。
あの子が負の債務を背負って行かなあかんのはちょっと違うんちゃうん?
 
 
すごい地味で、
華やかさも外連味も無い、
そういう作品だけど、
機会があったら観ていただければ…。
 
 
この映画のテーマは。
純度100%の善人なんてこの世にはいないよ。
真実は人の数だけあるよ。
揺るがないのは、
事実だけ。
上矢印
これ!
 
 
マダムの正義の天秤は、
金を積まれたら傾くこともあるかもしれない。
多分傾くちょっと不満キラキラ
ダメニンゲンー!
ポチスター

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