その火を越えてこい!荒行か!
漁業を中心とした小さな島。
漁師の若者が一人の娘にフォーリンラブ。
ところが、二人がアチチと噂が流れ、
恋の前途に暗雲!
===登場人物===
●初江…島の有力者の娘、養子に出ていたが戻ってきた
●新治…漁師の青年、村の中ではイケメン
●とみ…新治の母、女手一つで息子を育ててる
●灯台長…新治の恩人、大変良く出来た人
●千代子…灯台長の娘、東京の大学に通う
●安夫…島のそこそこ家柄の良い家の息子、初江との縁談を願ってる
●宮田…初江の父、島一番の金持ち
島には水源がほぼありません。なので女たちは、湧き水を汲んで普段遣いにしています。
そんな島なので女たちは水を運ぶのも上手なのに、一人トロ臭い娘っ子がいた―。
漁師の新治は、そんな娘っ子になぜか惹かれます。
娘っ子は島の有力者・宮田の末娘、初江でした。
宮田家当主は息子が亡くなったので養子に出していた初江を呼び寄せ、婿をとって家を継がせる気。
宮田に継ぐ名家(自称)のボンボン安夫は「もうオレしかいないっしょ?」
一方、新治が一方ならぬお世話になった灯台長の娘千代子がトウキョウシティカラ帰ってきはったん。
新治さん、スキスキビームを放ちながら。
でも、初江は島で出会った新治に惹かれてたし、新治もまた、同じく。
監的哨でデートする二人。
雨の日でないと会えない(雨の日は漁がないから)ので、嵐の日に監的哨に行った新治は、うっかり寝てしまいはる。
気づいたら初江がびしょ濡れの服を脱いで乾かしてはった。
焚き火を飛び越えて来たら…。
言われて飛び越える新治。
初江は「ウチはあんたのヨメになる。結婚するまでは清い関係でいないといかん!」
……お前それはないやろ?
…とは言わない新治。
清らかな二人ですが、二人は出来ているというゲスな噂が独り歩き。
初江と新治が監的哨から出てくるのを、千代子が見ていた!のです。
宮田おやじは怒りまくりングで、二人が会うことを許しません。
知り合いを通じて手紙のやり取りをしていた二人…。
そんなある日、新治に別の大きな船に乗り島を出て漁に行く話が持ち上がりました。
とみは宮田に直談判に行きますが話が通じません。
ついに新治は安夫と二人で、遠く沖縄あたりまで漁に出る船に乗り込みます。
初江ととみの仲もぎくしゃく。
海女として働き始めた初江。
海女のボスが、「おっぱい見せ比べをするぜよ!」と言って初江の胸を皆に見せ、
「みてごらん、これは男を知らない処女の胸だよ!」
…なんでそんなことわかんねん!
灯台長は、一体誰があんな噂を流したんだ!と怒り心頭。
千代子は、自分が嫉妬して安夫に言ったことがここまで大事になると思わず、逃げるようにトウキョウシティに戻りました。
良心の呵責に耐えられず「ワイが噂をばらまいた張本人!噂を信じちゃいけないよ」
そんな手紙を父親の灯台長にしたためたのも、善人だからでしょう。
新治は、漁場で大活躍。
宮田は、新治が本当に「出来る男かどうか」を確かめるために敢えて大きな船に乗せて遠い漁場に送ったのでした。
宮田に認められ、晴れて二人は夫婦に。
めでたしめでたし。
おしまい
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オパイを見ただけで処女か非処女か判定できるんか!
それが海女のボスの能力なのか。
こういう海女のボスがいたら、
(一般的にはグログロしいシーンがてんこ盛りなので注意)
…で、あんな痛々しい思いして確認しなくてもエエんちゃうんか?と思いました。
出てくる人たちが、基本単細胞。
息子の彼女さんかいなウフフ→息子を島から追い出すなんて赦さへん→初江嫌い→カバンもらったら仲良くなった。
…カバン一個で!!
処女性も、小説が発表された当時ですら「そこまで重要視せんでも」という意見があったくらい。(これは戦後の反動のせいもあったと思われ)
純粋なまでに初江を大事にする新治。
初江を力づくでものにしようとする安夫。
安夫は、罰としてハチに刺されます。
まぁ、恋を知った若い二人が、清らかに恋を育んでいくけど、噂が独り歩きして困ったちゃん。
そういう話。
東京の女子大?に通ってる千代子が、トウキョウのシチーボーイに惑わされる事無く、一途に新治を想ってたのに!
彼女からしたら、鳶に油揚げを攫われる!だったことでしょう。
みたいな「なんでやねん!」な悲しい結末でもなく。
アイドル映画としては、良い出来なのでは無かろうか?
脇を固める俳優さんたちもみんなすごいしね。
でも。
新治が、嵐の海で自分たちの船を守るために海に飛び込んでブイに綱をくくりつける…という行為を。
女(初江)は「出立する際に渡した写真が彼に勇気を与え、彼を救った」と思ってるのに。
男(新治)は「自分の力で、生き抜くことが出来たのだということを知っていた」…。
なかなかにハラスメントの香が、いたしますな!
時代が時代じゃけぇ。
新治の弟の「修学旅行のお金を払わないと参加できない」。
そやなー、当時は貧富の差が激しかったわ。
金のない家の子供は、我慢を強いられまくってたわ。
なんて思ったり…ポチ
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