絶唱(ネタバレ)1975年版 | 映画でもどうどす?

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映画と読書の感想を気が向いたら書いてます。
どちらも、ホラーとミステリが多め。
ホラーなら悪魔よりゾンビや怨霊。
ミステリならイヤミス。

身分違いの恋だけど、惚れちゃったんだよ~♪

 

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素封家の一人息子が、貧しい山番の娘と恋に堕ちる。

恋はいつでもハリケーン!

 

 

 

昭和17年。

山陰地方の分限者・園田の若様である順吉は、家に働きに来ていた小雪と恋に堕ちちゃいます。

当然、順吉の父親である「旦那様」(園田家当主)は、

「反対じゃ!身分が違うわ、何考えとんねん!」

ってなりますわな~。

 

 

小雪は現実を見ているので身分違いの恋に苦悩中。

世間知らずでピュアな順吉は「僕には君が必要なんだ!愛してくれるね?」と半ば強引と思えるラブアピール。

 

 

あ、時代背景が今とはぜんぜん違うので、ある種のメルヘンだと思って観てくださいね。

ちな、小雪は超能力者か!ニュータイプか!(古い)ってくらい、順吉が来たらピピピ雷っと来はるんぇ。

「足音が聴こえるっ!!」BGMも、ちゃららら~~~ん!って感じ。

 

 

旦那様は順吉が小雪とくっつく前に身を固めさせようと、ええとこのお嬢さんを召喚。

しかし順吉は、お嬢さんにむっちゃ冷酷な態度です。

 

 

順吉は「読書会」という、サークルみたいなのに属してます。

ここは身分も学歴も関係なしに、純粋に「読書が好き」というヤングが集まった場。

リーダーは大谷くん。

ここで

「オレって金持ちのボンボンやけど、恋したってEじゃない」

なんて一席ぶち上げる順吉。

知らんがな!

 

 

!ガーンガーンガーンガーンガーンガーンガーンガーンガーンガーン!

 

 

さて、この時代。世の中は戦争に向かっていってました。

 

 

小雪が旦那様の差金で津山に追い払われそうになり、順吉は小雪と共に駆け落ち。

大学も辞め、荷車を引く肉体労働で暮らしを立てようとします。

健気で働き者、身分を弁え、控え目ながらも芯がしっかりしている、当時の女性の(男から見た)理想像である小雪は、超人気者に。

二人は小さな幸せを掴んでいましたが、小雪の両親は村八分に合っていました。

そして読書会の仲間たちにも、順吉にも召集令状が来ます。

 

 

「戦地に赴くけど、お昼の3時になったら、一緒に歌おうグリーンハーツ

「はいラブラブ

 

 

こうして順吉は戦地で。小雪は地元で。

周囲の人達は、気味悪いくらい理解者揃い踏み。3時になったらデュエッティング・タイム突入。

 

 

小雪は身を粉にして働きますが、大谷たちが見ていても気づくほどやつれて行きます。

「実家に帰って身体を厭わなくちゃ」

そう進言されても

「あの人が帰ってくるのに、ここにおらなあきません!」

と拒否。

 

 

小雪は結核に侵されていました。

 

 

寝込んでしまった小雪を見舞いに来る読書会メンバーの仲間たち。

戦争はすでに終わり、メンバーは次々戦地から帰ってきているのに、順吉はまだ…。

大谷と読書会のメンバーの女性川田が結婚することになり、小雪は一生懸命作っていた赤ちゃん用品を川田に託します。

自分にはもう子を成すことは無理だと…命が尽きる時がすぐに来ると分かっていたから。

 

 

旦那様が死亡し、ようやく自由になった小雪の両親は小雪の見舞いを決行。

旦那様に押さえつけられていた使用人たちも「それがええ!」と賛同。

 

 

ようやく生きているような小雪。

そんな小雪が、ピコーーーーン雷

「あの人が帰ってくる!足音が聴こえるおねがい!!」

「ただいまっデレデレ

順吉突然の帰還!

そして砂丘を歩いて帰還!

 

 

小雪はか細い声で謝ります。

「妻のつとめも出来んで、許してつかぁさい…山へ…帰りたい…」

帰ってきたら、小雪が死にかけてるなんて「びっくりフジツボ」状態の順吉ですが、

「よっしゃ、山に帰るでぇ!お前はワイの嫁として、帰るんじゃーー」即決。

「うちは…妻とは…思うてませんでした…」

「そんな気兼ねをしてたんか、お前という女は」

皆さん涙涙えーん

小雪、順吉に看取られながら死す!

 

 

ふんわりウイングおすましスワンおすましスワンおすましスワンおすましスワンおすましスワンおすましスワンおすましスワンおすましスワンおすましスワンおすましスワンおすましスワンふんわりウイング

 

 

順吉は決意します。

「婚礼と葬式を一緒にして、名実ともに周囲に嫁と知らしめるの義!」

 

 

死婚?ポーン

 

 

白無垢姿で園田の家に嫁ぐ小雪の遺体。

皆が涙しています。

だって分限者の跡取り若様(今は当主)が、死人と結婚て、跡取りはどうなるのん?

…じゃなくて。

小雪と順吉の想いの深さに打たれたのです。

 

 

式がつつがなく終了したあと、順吉と小雪が消えます。

「どこに行きはらはったんや」

 

 

順吉は小雪を抱き、山に入っていました。

「やっと二人っきりになれたよ…久しぶりに二人で歌おうシング!」

デュエッティングが流れ、山の風景が映し出され…。

 

 

       おしまい

 

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当時(1975)ですら、何やこの価値観は!と思ったであろう「古い時代」の女性像男性像。

そらそうよ、確か原作が出版されたのって1958年くらいだったと思うから。

原作は大江賢次さん。

 

 

昭和30年代前半に「理想」とされていた美徳=忍耐、働き者、健気…このあたりがこれでもかと描かれてて、なんだかなーと思いますが、その分殿方もいろんな責任を負ってたんですよ。

順吉はすごい若様なんです(そうは思えないのは現代の価値観で判断するから)。

 

 

「百恵友和、文芸シリーズ」の第3弾だったっけ?

 

 

百恵友和なので、チュウひとつも何となくそう見えるってだけで、実際にはしてはらへんし。

なのに百恵ちゃんの匂い立つ色気がすげぇ。

百恵ちゃんって、すごい美人でもないし、抜群のプロポーションでもないし(むしろ純日本人体型)大根足だし、天才的な演技力があるわけでもないのに、すごく雰囲気があるんですよね。

若作りな萌キャラ路線&アニメ声タレント全盛のイマドキの時代なら、ぜったい表舞台に立つこと無く消えるタイプ。

百恵ちゃんというスタァが生まれ出たあの時代は、「成熟文化」の最終ステージだったのかもね。

 

 

クローバーブーケ2ブーケ2ブーケ2ブーケ2ブーケ2ブーケ2ブーケ2ブーケ2ブーケ2ブーケ2ブーケ2ブーケ2ブーケ2ブーケ2クローバー

 

 

ちょっと笑っちゃったところは、小雪の「山鳩さん」っていうあだ名。

君は僕の山鳩さんだから。

グルッぽー!

 

 

黄色い花あじさいあじさいあじさいあじさいあじさいあじさいあじさいあじさいあじさいあじさいあじさいあじさいあじさいあじさい黄色い花

 

 

なんで、園田の家から少し離れただけの県内で下宿して暮らし始めるんや!
駆け落ちしたなら、せめて大阪まで行けよ…と思いますけど、当時の交通網は、なかなか難儀でしたし。戦争が迫ってるってのもありましたしね。


ほんとなー、昭和の17年くらいって言えば、まだものすごい身分差が歴然としてて。
学歴フィルターなんか屁でもないくらい、
「生まれながらに身分が違う」
世の中やったんよ。



そして女性は働きものでないといかんかったんよ。
だらけきったマダムは、もう土下座して謝るしか無いよ、スマヌ!


三浦友和は、この1975年では「イケメソ」だったんでしょう。
マダム好みじゃないけどな。
そして棒やけどな。


中学生くらいで芸能界に入り。
今なんかと違って生活の全てを管理されてて。
当然恋も友情も育めず。
(楽屋で話しをしただけで怒られる時代)
周囲の作ったイメージを壊すことも出来ず(性格的にもはっちゃけられず)都会的だけど古風な百恵ちゃんが、いつも共演してる友和と結婚しようと思ったのわかる気がする…。

 

 

星ハートピンクハートグリーンハートブルーハートイエローハートハートピンクハートグリーンハートブルーハートイエローハート星



この「絶唱」、浅丘ルリ子と小林旭!和泉雅子と舟木一夫!でも映画化されてるんですね!
でもなんかマダムの脳内の記憶に残ってるのは、
「蔵王絶唱」の方だったりして。

          下矢印

 

こ…コバルトやったんかーーー!

そいつぁ知らなかったぜ!

 

 

ちょっと百恵友和シリーズ観てみようかなと言う気になったっす!

菅井きん、初井言榮、大坂志郎、辰巳柳太郎、大和田伸也ーーー!
周りを固める人がべテラン揃いで、

「若っ!」ってなるよー。


 

古風で着物が似合う百恵ちゃん。

あの3人が特別好きというわけではなかったけれど、

やっぱ一番は百恵ちゃんかなぁ。

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