Aではない君と(薬丸岳) | 映画でもどうどす?

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映画と読書の感想を気が向いたら書いてます。
どちらも、ホラーとミステリが多め。
ホラーなら悪魔よりゾンビや怨霊。
ミステリならイヤミス。

加害者の少年と家族の物語

 

Aではない君とAではない君と
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息子が、クラスメイトを殺した。

ショッキングな知らせを受け取る吉永。

 

 

息子である翼は、離婚した妻が親権を持ち引き取っていたことで、

会うのは3ヶ月に一回くらい。

 

 

現住所すら、知らなかったことに、愕然とする吉永。

 

 

本当に息子が殺したのか?

何故殺したのか?

相手とはどういう関係性だったのか?

 

 

何もわからない。

知らない。

 

親なのに。

 

 

逮捕されても、弁護士にすら一言も喋らず黙秘を続ける翼。

 

 

それでも吉永は、一縷の望みをつなぐため、

「付添人」と言う選択肢を選ぶのですが…。

 

 

世間は冷たくネットは残酷。

 

 

我が子が殺人を犯したら、

あなたならどうしますか?

 

 

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少年犯罪…といえば、薬丸さん…的な図式が出来上がるくらい、

このテーマに挑み続けている薬丸さんが、

「加害者」と「加害者の親」という立場で描いた作品。

 

 

吉永は、息子からの救援コールを無視し、

会社の同僚たちと、仕事の祝賀会で呑み騒いでて、

その後、結婚も視野に入れた彼女の元へ宿泊してる。

 

 

それは別に、悪いことじゃないんだけどね。

離婚は成立してるんだし。

親権は母親の方に行ってるし。

 

 

 

彼の職場がどういう対応をするのか。

そっちが凄く気になったけど、

閑職に追いやられる(辞職勧告はあったようだけど)ことでなんとか決着。

 

 

 

さて。

アテクシはこの本を読んで。

 

 

母親に、ものすごい怒りを覚えました。

 

 

結婚してから不平不満をつのらせ、

パートで外に出ては家事を疎かにし。

 

 

いや、家事をおろそかにするのはええよ。

アテクシ偉そうに言えないよ。

ダウンイラッイラッイラッダウン

 

 

でもさ、自分の子供が、どういう状況にいるのか、

一緒に住んでるのに知らん顔で、

腫れ物にさわるように接しながら、実はめんどくさくて無関心という、

母親として、最低レヴェルの人間やん。

ムカムカムキームキームキームカムカ

 

 

 

要するに、結婚して母親になっても、

「アタシが一番ラブラブ照れ

 

 

事件が起きたら

「アタシが一番かわいそうタラーえーん

 

 

可哀想なのはアンタじゃない!

翼だ!

雷ムキーッムキーッムキーッ雷

 

 

 

「仕事で忙しかったのよ」

「疲れてクタクタなのに」

でもその「一人で子供を育てていく」という選択をしたのは、

アンタやん?

自分の選んだ選択肢に、

最低限の責任を持て!

 

 

翼と吉永の距離がわずかながらも近くなり

ハッピーエンドになるかのように見せかけて、

 

 

なんともバッドなラストが口を開けて待っている。

ああ…まぁ、そうなるよね。

それが現実だよね。

 

 

烙印は消せない。

 

どんなに時が経っても、事件が風化しても。

本人からは消せない。

 

 

 

この作品。

「なぜ人を殺してはいけないのか?」の答えの一つが、

はっきりと導き出されているのです。

 

 

 

これ常々アテクシが思っている、

「人を殺すのは人生を殺すのと同義。

当事者だけでなく、周囲の人の人生も殺している」

に、とても近い感覚で、

アテクシ的には、納得し過ぎるほど納得。

 

 

子を持つ親にこそ読んで欲しい。

 

 

世間では「少年A」という加害者も、

親にとっては「A」という呼称で呼ばれる存在ではない。

我が子なのだから。

 

 

あなたは、自分の子供を

守り切れますか?

世間という、刃から。

 

 

ケツ捲って逃げ出した母親より、

父親のほうが頑張ってた。

 

 

母親の立場で読むと、

翼の母親に忸怩たる思い。

 

いや、あんだけネットで叩かれたら、

そりゃ逃げ出したくなる気持ちも

わからんでもないけど。

 

 

そこは踏ん張れよ!

親なんだから!

 

終始母親に苛ついてしまった

マダムです。

考えさせられる作品でした。

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