切通が好きだ。鎌倉の切通にはよく通った。鎌倉七口ような中世の面影を残す切通は少なくなっているが、各地に残された切通を歩くのが好きだ。
源頼朝は南は海に、北東西は山に囲まれ、敵の侵入を防ぎやすい地形だったから幕府を鎌倉に開いた。物資調達ルートのために、山を切り拓き切通を作った。
松江の赤山に切通がある。明々庵の前の道だ。武家屋敷の塩見縄手から石橋町に至る道だ。
切通を進むとき、上り道から下の風景は見えない。そこに何があるかを想像するだけでわくわくする。
降り坂になると、今までの道とは違う風景が現出する。