月野瀬神社~広島市安佐北区口田1丁目 | 大根役者

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JR可部線安芸矢口駅を下り、大田川沿いに北に進み、山陽自動車道の高架下を右折した梅園団地内にひっそりとこの神社が立っている。




祭神は加茂大明神である。平安時代末期に記された安芸国神名帳に矢口明神と記載されている古社である。現在の社殿は昭和二年に改築されたものである。






祭神の加茂大明神は賀茂別雷命(かもわけいかづちのみこと)のことであり、京都の上賀茂神社の祭神で各地の加茂神社で祀られている。この神社の由緒では推古天皇が安芸国で船を作ることを河辺臣(かわべのおみ)に命じたところ、木を伐ることに雷神が怒り、雷、大雨を起こし、人々を傷つけた。河辺臣は「木を伐する人を傷つけず、我を傷つけよ」と祈った。すると河辺臣は小魚に姿を変え、それを焼いたところ、雷、大雨が収まり、無事に不目を作ることができたという伝承が残っている。


拝殿の絵馬




本殿




月野瀬神社の裏山が大久保遺跡だ。




北東側に残る尾根からは、竪穴式住居跡5軒、貯蔵穴2基、テラス状遺構2カ所が見つかっており、丘陵先端部の太田川を望む斜面からは、土壙墓35基、土器棺墓4基、テラス状遺構1カ所が見つかっている。遺構内とその周辺からは弥生土器、鉄器及び石器が出土している。弥生時代から古墳時代へ至る時期に古代人の営みが行われていたのだ。