恵比寿・エコー劇場にて
アガリスクエンターテイメント『わが家の最終的解決(再演)』観てきました!
【時は1942年、オランダ アムステルダム。誰もが羨む仲睦まじい男女。しかし彼らは隠していた。ユダヤ人迫害の厳しい情勢の中、彼女がユダヤ人であることを。そして彼は彼女にも隠していた。自分が そのユダヤ人を弾圧する立場であるナチス秘密警察、通称ゲシュタポであることを、、、、。ブラックで温かく残酷で笑えるホームコメディ、再演!】
重い題材でありながら、シチュエーションコメディとしての笑いもドタバタも、そしてシリアスも感動もしっかり詰まった最高に贅沢な作品でした(..›ᴗ‹..)
上演時間は途中休憩挟んでの約160分?、、、、ちょっと構えたけど(笑)いやいや 全然長く感じない!!劇場の椅子もお尻に優しかったなぁ(笑)
あれでもいろいろシーンを割愛したとかで、制作者側の葛藤や苦労もあったと思いますが、感情せわしなく刺激されてあの世界観にどっぷり浸ることができました( ᵕ·̮ᵕ )♡
時代背景が重いだけに、劇中の彼らの隠し事は命がけ。。。バレれば逮捕、場合によっては死を意味する。。シチュエーションコメディ定番の 必死で隠したりバレそうになったりするヒヤヒヤの面白さも、その緊張感や苦しみや残酷さが相まって、不思議な感覚の〝笑い〟になる。
喜劇観てて、観客から笑いが起きるのは至極自然なことなのだけど、今回 笑いとは違った〝感嘆の声〟というか、、、時には事の重大さにおののく、、、ハァッΣ(゚д゚lll)とした声、、、というより息づかいが聞こえてきたのも初体験で すごく印象強くて、この題材ならではなのかもですね。
他人の不幸な状況が面白かったり、人の必死さ真面目さを面白がったり、人種差別の渦中にいないからこそ 笑っている自分を感じるとなんだか心穏やかではないけど(笑)
いや、でも細かく考える余裕もなくただただ笑ってしまうのよ(笑)。
でもこの作品に出てくる人達は みんながみんな人に愛があって、守るものがあって、だからこその厳しさもあって、自分の立場をわきまえたかっこよさがある、、、
希望的な笑いもあれば 弛緩的な笑いも入り混じっているから、結局は観ていて温かい気持ちになってたりする( ᵕ·̮ᵕ )♡
アガリスクの芝居に出てくるキャラってみんな愛らしくカッコイイんですよねー。
本作は特に ヤな時代だからこそ、ヤな奴が出てこないのはなんかフィクションとはいえ嬉しい(笑)。
一人一人のキャラに魅力があるのは、脚本の力と役者さん自身の腕ですよね。
役柄それぞれの事情や感情あってのかっこ良さが 役者さんの持つ魅力ともリンクしていて面白かったです。
そして最後のシリアスシーン、、、、
それまでのドタバタが面白ければ面白いほどに 息苦しくなる。。
初演よりも厳しく、張り詰めた空気の中、行き着く展開に涙でした(T_T)
でもだからこそ!!個人的にはこの作品のオチがあまり好みでないのも正直なとこで・・・σ(^_^;) 【→つづきは下記の『ネタバレ感想』にて】
でも全体的にはやっぱり どんなテーマも屁理屈こねれば面白いエンターテイメントになるっていう説得力はアガリスクならではで 面白いだけでなくほっこりする作品になっているのがまた素敵✨
ほんと楽しかったです!
今度は新作が早く観たい!!(..›ᴗ‹..)
★★★★★★★★★★★★★★★★
さてここからはちょっと劇団や団員に絡んだ感想なのでちょいマニアック?(笑)
今回は再演!初演も面白かったけど、大きく加筆・修正してあって、初演とはまた違った味わい( ᵕ·̮ᵕ )♡
映画やドラマなど 物語のリメイクとか続きもんって 最初に鑑賞したイメージが強すぎて それを超えられないことって多いのだけど、アガリスクの再演は簡単に初演を超えますね(笑)
『時をかける稽古場』の再演(2.0)や『紅白旗合戦』のテーマそのままに新たな物語に生まれ変わった『卒業式、実行』の時も思いましたが、加筆・修正するだけの新たな面白さが 初演の面白さの上に成り立ってるから あっさり初演を超す。
でも個人的には初演の良さもやっぱりあるので結果どっちもいい!!(笑)
今回初演とほぼ同じ配役でしたが、初演のイメージと合わない配役も・・・期待を上回って素敵なキャラになってました!!
主人公ハンス役 斉藤コータさんは、確かに過去作品キャラとイメージが違い、うん、ハンスのイメージが全然湧かなかったんですよ(笑) でも、目の当たりにすると完全なるハマり役だと思えてしまうのが、さすがだなぁーって。ま、 あの優柔不断さは『ナイゲン』の海のyeah!!のソレな気もしてくるし(笑) ま、全然もっと重いのだけどσ(^_^;)
〝賑やかし〟でないコータさんに物足りなさを感じつつも(笑)違った魅力のコータさんが見れたのもまた贅沢なとこです❁⋆*⋆ฺ。* (個人的には・・・初日にコータさんの身に何やら起きたらしく??(笑)気になって仕方ないのですが、、、)
そして、友里子さん演じる〝お隣さん〟💕 これがまたかわいい!!初演の〝お隣さん〟も強烈なキャラで面白かったけど、これを友里子さんが??・・・と思っていたので フタを開けてみれば初演とはまただいぶ違うキャラ!!
友里子さんの素直で穏やかな、それでいてなんか強引でパワフルな(笑)イメージに合っていて すっごく素敵でした!!
彼女らしいお茶目な勘違いも、そして場違いなタイミングでのあの夫婦シーンも何気に好き(^ ^)
「愛が深い」って言葉に頼りすぎなのもいい(笑) そういえば『卒園式、実行』で「ミュージシャンなんで」の言葉に頼りきりな男もいたけど(笑)
私事ですが、公演後ロビーで友里子さんと少しお話もできて握手もして写真も撮って(..›ᴗ‹..)最高でした!!お相手してくださりありがとうございましたm(_ _)m
少しの会話でしたが、〝「私だったらこーかなー」と話し合いながら自分の役を詰めていった話〟や〝なくなくカットしたシーンの話〟をしてる友里子さんに演劇愛を感じて、忌憚なく話される姿 ほんと素敵な人だなぁ😍ますます好きになりました💕
それから再演唯一の新キャラ、大家さん✨ 余計に話をややこしくする、いてもいなくても・・・なキャラが(笑)ラストで大きなキーマンとなるのもいいですね(≧∇≦)
そしてゲシュタポの上司 ゲルトナー役の中田顕史郎さん。『卒園式、実行』で初めて観た俳優さんでしたが、この方の存在感はほんと痺れますね。。この物語が最もシリアスになる重要な役どころをしっかり担いつつ、ちゃんとかっさらっていくとこはかっさらっていきますね(笑)
あとハンスの姉のマルガレーテ役の鹿島さん!!素敵すぎる😍エレガント!! なにあの雰囲気!! 衣装も似合ってます!!それでいて弟の良き良き理解者!最高にカッコいい✨✨
リーゼは初演よりもたくましくなった気が・・・(^ ^) リーゼもほんっといい子( ´ ▽ ` ) そして、、、あの真っ赤な衣装が似合うなんてすごいなぁ。。。
淺越さんのキャラは・・・初演の屁理屈キャラがごっそりと無くなっていて個人的には寂しー(T_T) !! このキャラに関しては初演に1票(笑)!でもあのラストなら確かにこのキャラを大人しくさせといた方がいいのか(笑)?
ああ、キリがないー。。。
全キャラをコメントしたいほどにみんなみんなみんな素敵で それを演じる実力派の役者さん方みんな大好きですっ!!
そういえば今回、衣装も照明も良かったなぁー( ´ ▽ ` ) 間接的に時代の残酷さやその人の立場を可視化していたり、シリアスとコメディのコントラストを担った明かりはストーリーを盛り立ててました(..›ᴗ‹..)
【ネタバレ感想】
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この劇団をYouTube動画で知って初めて生で観たのがこの芝居でした。
コンセプトも展開も大好きな作品ですが、、、
唯一!!
個人的には『結ばれない』のが残念すぎるーーー(T_T)
あんなけドタバタしといて 急に現実的な結末に心が追いついていかない。。。バッサリ切られた気分。。。
そりゃー確かに時代を考えるとハッピーエンドは嘘くさすぎるのかもしれないけど、なんか『夢オチ』に似た興ざめ感を持ってしまうのは僕だけなんだろーか。。。みなさん納得してるのか、器が広い(T_T) 消化できない(T_T)
おじさんはラブストーリーはハッピーエンドがいいーーー(>_<)!!(笑)
せめて「その後どーなったのかは 皆さんの想像にお任せ」的な方が嬉しい。。
結果を知りたくない(笑)
普通に別れてサッパリしてるのが腑に落ちなーーーい(笑)
初演を観ていてラストは分かっていたので〝別れることが分かってる2人を今ひとつ応援できない冷ややかな気持ち〟で観てしまいましたσ(^_^;)。。。
密かに あのナチ狩りの情勢の中、ルドルフたちを匿うのがハンスとエヴァであって欲しい!!と願っていたけど、、、やっぱダメか(笑)
とはいえ、作品に十二分にハマったからこその遺憾さではありますけどね(笑)
他に類を見ないシチュエーションコメディに感動でした!!(^ ^)