NO.108 科学と資本主義の世界  広井良典 東洋経済新報社 | マルティン・ルターのぶろぐ

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はじめまして、マルティン・ルターです。今年の目標として読了30冊を掲げました。
今まで読んだ本も備忘録として残していきます。
主にビジネス書、リベラルアーツ、などです。+で中日ドラゴンズとごはん屋さんも発信していきます。

科学と資本主義の世界 

 

広井良典

 

東洋経済新報社

 

★★




 

 

NHKのクローズアップ現代を見ていて、紹介されていたのですぐに購入した本です。

ハラリ氏のサピエンス全史と人新世の資本論に近いイメージ

 

はじめにはよかったんだけど、そのあとが著作の紹介等が多くあまり好きではない展開。面白く読めていない。

私が通っていた頃の大学の教授が話していたことを思い出しました。「私が最初に中小企業論と提唱したんだ!」正直どうでもいい。

 

GDW

 

国内総充実(Gross Domestic Well-being、略称: GDW)は、既存のGDP(国内総生産)では捉えきれていない、社会に生きる一人ひとりのウェルビーイングを測定するための指標です。

 

GDP

 

GDPとは、「Gross Domestic Product」の略で、「国内総生産」のことを指します。

1年間など、一定期間内に国内で産出された付加価値の総額で、国の経済活動状況を示します。付加価値とは、サービスや商品などを販売したときの価値から、原材料や流通費用などを差し引いた価値のことです。

 

人間とは、価値創造によって共同体全体の幸せを実現する「経営人」なのである。

 

 

はじめに

 

「そもそも科学・技術は何のためにあるのか」という基本的な問いとして論じる事のできるテーマである。

 

“集団で一本の道を登る時代“からの移行

 

「昭和」という時代は一言で言えば“集団で一本の道を登る時代“ということばで表現できると述べた。

 

強い同調性のもとで、多様性といった価値はもちろん後回しにし、“一本の道“を登っていった時代が「昭和」だったと言える。

 

 

 

 

第1章 『火の鳥』2050ーー未来を考えるとはどういうことか

 

AIを活用した日本社会の未来シミュレーション

 

シミュレーションの結果として明らかになったのは次のような内容だった。

 

(1)2050年に向けた未来シナリオとして主に「都市集中型」と「地方分散型」のグループがあり、その概要は以下のようになる。

 

(a)都市集中型シナリオ

 

主に都市の企業が主導する技術革新によって、人口の都市への一極集中が進行し、地方は衰退する。出生率の低下と格差の拡大がさらに進行し、個人の健康寿命や幸福感は低下する一方 で、政府支出の都市への集中によって政府の財政は持ち直す。

 

(b)地方分散型シナリオ

 

地方へ人口分散が起こり、出生率が持ち直して格差が縮小し、個人の健康寿命や幸福感も増 大する。ただし、次項以降に述べるように、地方分散型シナリオは、政府の財政あるいは環境

 

(CO2排出量など)を悪化させる可能性を含むため、このシナリオを真に持続可能なものとする には、細心の注意が必要となる。

 

(2)2025~27年頃までに都市集中型か地方分散型かを選択して必要な政策を実行すべきである。

 

人間の「知」の機能は、その土台にある「本能」や「感情」の部分に支えられてこそ初めて成り立っている。

私たちは世界にある無数の情報の中から、私たちの生存にとって重要なものを選別し、価値づけているのであって、それが世界の「意味」、あるいは世界そのものとして現れるのである。

一方AIは以上のような脳の3つの機能の中で

最後の「知」の部分だけを切り離して機械にしたものである。

 

 

 

 

第2章 なぜいま「幸福」が社会的テーマとなるのか

 

科学と幸福

第一は、「幸福」「ウェルビーイング」が科学的探究のテーマそのものになっている。

 

第二に、幸福やウェルビーイングに寄与するような科学や技術の開発というテーマがある。

 

第三の点は、広い意味での科学的探究そのものが、人々にとっての「幸福度の源泉の一つになっていく時代をこれから迎えるという点である。

 

 

 

 

第3章 科学と社会の共進化

 

「生産性」の再定義ー科学・技術と雇用の関係性

 

これまでの「生産性」の考え方は、イコール「労働生産性」ということであり、つまり少 ない労働力で多くの生産を上げる”ことに価値が置かれていた。そしてその暗黙の前提として、 〝自然資源は無限に存在しているから、それはどんどん使えばよい”と考えられていたのである。

 

しかし状況は大きく変わり、現在はまさにそうした自然資源の「有限性」や、環境への負荷 が問題になっている。同時に、失業や非正規雇用が慢性化しており、むしろ「人を積極的に使 う」ことが重要になっている。したがって、「生産性」をめぐる考え方を大きく変え、それを「労働生産性」から「環境効率性」ないし「資源生産性」に転換していくことが求められているのだ。環境効率性ないし資源生産性とは、“資源消費や環境負荷をできるだけ抑え、むしろ人は 積極的に使う”という考え方である。 そしてこうした方向を進めていくためには、それを支える政策対応が重要なポイントになる。

 

 

 

 

 

 

第4章 ケアとしての科学

 

第5章 資本主義の論じ方 

 

 

本章の初めのほうでもふれたように、私は20年以上前から「定常型社会=持続可能な福祉社 会」という社会像を提案してきた。そうした考え方は、日本社会全体から見れば少数派に属す る見解だっただろうが、近年に至って、SDGsや持続可能性、「豊かさ」の意味や指標(ウェルビーイングなど)をめぐる議論等々が経済界や企業レベルでも活発に行われるようになり、一 部には表面的なものもあるにしても、ここ数年で『社会の潮目”が大きく変化していることを 実感している。 これは上記の昭和的価値観を象徴する、団塊の世代及びその前後の世代からの世代交代が(遅きに失する面があるが)徐々に進み始めているという、日本社会の世代的な変化とも関係して いるだろうし、先述の「経済成長がすべての問題を解決してくれる」的発想、あるいは“GDP 至上主義”的思考からの構造的な変化でもある。 

 

 

 

第6章 鎮守の森と生態都市

 

第7章 医療・超高齢社会と科学

 

 

そしてこのように、生産、や効率性、といった点からは少し離れた、一見無駄とも言えるような場所にいる「子ども」 時期と「高齢」の時期が長いという点にこそ、実は人間の「創造性」の源があると考えられるのではないだろうか。

 

これは「高齢期の創造性」をめぐる先ほどのコーエンの議論と もつながるだろう。さらにこうした視点は、第3章で述べた、イノベーションというものは本来、効率性や生産性からは一定

 

 

第8章 生命・情報・エネルギー

 

第9章 科学予算と世代間配分

 

おわりに