NO.109 経営トップの仕事  稲田将人 ダイアモンド社 | マルティン・ルターのぶろぐ

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はじめまして、マルティン・ルターです。今年の目標として読了30冊を掲げました。
今まで読んだ本も備忘録として残していきます。
主にビジネス書、リベラルアーツ、などです。+で中日ドラゴンズとごはん屋さんも発信していきます。

経営トップの仕事 

 

稲田将人

 

ダイアモンド社




 

 

 

イシューからはじめよで安宅和人さんもおしゃってましたが、「現地、現場、現物」ここが1番大切。

 

Chapterの5.6.7.は経営トップとしての意味合いが強い様に感じましたので、中々頭に入ってこなかったです。トップに立つには、周りの思惑と渡り合わないと正常な運営ができない。そのためには甘さを見せられない。ということは楽しくないということなのだろうか。

少なくとも私には務まる気がしない。

 

 

目次

 

はじめに

 

 

 

経営に魔法の道具はない

 

 

 

 

 

Chapter1 トップが知るべき「マネジメント」の課題と視座

 

 

 

1 指示や責任の「丸投げ」は、事業の赤信号

 

 

 

多くの日本の会社で起こっている不思議な現象

 

 

 

(1) 数値責任だけをただ「丸投げ」し、それが結果として無責任な組織運営となっていることに気が付いていない経営層

 

 

 

(2) 施策によって起きる問題点の確認や対応に動くことなく、指示をただ「丸投げ」して「我、関せず」を決め込む本部機能

 

 

 

(3)一方向に「丸投げ」された数値責任や指示によって疲弊していく現場

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2 米国式のマネジメントは、人が治める「人治」が基本

 

 

 

「人治」は、文字通り、個人の能力を持って、組織を治めるマネージメントの考え方です。

 

少なくとも、次の二つが必須

 

 

 

(1)優秀な人材を中途採用する

 

(2)社内でマネージメント能力のある人材を育てる

 

 

3 「法治」マネジメントの推進は、永続性のある優良企業化を目指すために不可欠

 

・常に「カイゼン」を重ねていくことが「法治」の前提になる

 

「和を以て貴し」が根底にある日本企業では、善意の前提のもとで付度を行い、皆が粛々と仕事を行 います。この背景のもとではその仕事の仕方、手順、担当範囲の最適化を進めることが、組織力を高 める一番の方法になります。すべてのルールや決め事には、それが適応できる前提が存在します。 そしてそれが十分に明らかになっていないがゆえに、全ての決めごとやルールは常に不完全であ り、「カイゼン」の余地があって当たり前なのです。

 

4 成果主義評価の導入は、エゴイズム蔓延の契機になる

 

5 PLを自身の成績表と錯覚してしまう経営者

 

6 すべての課題や業務においてPDCAを廻し、舵取りを行う責任者が明確になっているか?

 

 

 

本部からは、どれももっともな指示や伝達事項を現場に発信しているはずですが、その一方で、現場で動かせる手数は限られています。 小売業では顧客の需要を喚起し、商品を提案する売り場を整えることが最優先の業務です。 しかしこの会社では、もし「現場」が本部からのすべての指示に律儀に従ってしまうと、売り場づ くりや作業にさえ必要な時間が割けなくなってしまう、本部からの指示の一方通行状態になっていたのでしょう。

 

 

 

チェーン店の運営には、本部からの作業指示、伝達事項の優先順位付けを行うフィルターと整流機 能として、店頭での作業負荷を現実的に可能な範囲におさめる役割が必要です。おそらくこの本部に はその機能がなく、この店長が自分の判断でその役割を果たし、組織設計の不備を補い、本部からの 叱責のリスクを負っていたのです。この企業では大手のコンサルティング会社が戦略立案を行っており、その際に組織についても提案が行われていたはずです。

 

しかし、この企業の現状の組織運営を前提にした時に、最も重要な「市場との接点」である売り場 最適化に、店の人員を最優先に向けるための組織設計の視点は、残念ながら抜けていたのでしょう。

 

 

7 目指すべきは前向きな取り組みに組織が喜びを感じる「オキシトシン」マネジメント

 

 

押し付けられた仕事では、幸せホルモン、「オキシトシン」は分泌されない。 各層のマネジャーが仕事に大義ある説明、翻訳ができるようにするのがトッ プを頂点としたマネジメントの役割。

 

 

8 トヨタで実践される、「強い事業体=人づくり」

 

9 なぜ、工場のライン稼働率の理想を、95%とするのか?

 

10 永続性のある成長軌道入れを実現したドン・キホーテの組織マネジメント

 

 

Chapter2 トップが知るべき組織論

 

 

1 低迷企業に共通するのは、マネジャー層に「躾」の文化がないこと

 

「組織のPDCA」を廻させる「鎂」ができているか?

 

まずここでは、いくつかの問題点を指摘することができます。

 

・ トップから課題を投げかけて考えさせていない。つまりマネジャー自身の頭で考えさせる「圧」、つまりPDCAのPをまとめさせる「圧」をかけていない

 

 

 

・うまくいかなかった時、その最も大事な場面で、責任回避を指摘し「あなたは指示の伝達者ではなく、実践の責任を持つ当事者である」との指摘をしていない。そして、PDCAのCをしっかり行ったうえでPを作る基本を習得させていない

 

 

・結果的に、責任こと「丸投げ」をしてしまったものの、肝心の貴任さえも追及していない

 

 

これでは、上長として部下への関与を、正しく行わなかったことになります。

 

 

かくしてこの会社は、マネジメントとしての基本作法である「組織のPDCA」を通した「鎂」 文化が不在のままに、事業規模が大きくなっていたのです。

 

2 組織図を描き、数値責任を明確にしただけで、意図通りに自走する組織などどこにもない

 

・ルール化されていないことを判断し、指示するのが本来のマネジャーの役割

 

マネジャーの仕事が、指示を投げ、部下に仕事を割り振る「手配師」と化し、後は数値を管理する だけの、まるでコンピューターかロボット化した「勘違い」マネジメントや組織運営が起きている事例は、大企業でも多く見られます。

 

POINT

 

組織図はただのスキーム。

 

マネジャーは仕事の「手配師」でもない。

 

各マネジャーが担当部門の使命に基づき、自分の言葉で仕事の「指導」と「躾」 を行えて初めて、組織は健全に機能する。

 

 

3 マネジャーの頭の中に、経営視点で考える「ニューラル・ネットワーク」を作り上げる

 

 

「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば人は動かじ。話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば人は育たず。やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず」

 

 

山本五十六の言葉

 

 

4 すべての報告帳票は、PDCAの「C(検証)からP(修正プラン)への思考の流れを『見える化』したもの」

 

 

すべての報告はPDCAにおける、結果のC(検証)から次のP(修正行動)につなげる説明であり、 その場に使う資料は、そのCからPへの思考の流れを「見える化」したものです

 

 

POINT

 

 

プランPがうまくいかなくても、決して怒ってはいけない。

 

むしろ成功だけでなく、失敗も「こんなことがわかった」と自慢をさせる。も し担当者がうまくいかなかった原因を事実を基に追究し、説明していない場 合は、それを放置せず、必ず期限を決めて、再報告させ、健全な「組織PDCA」を機能させる。

 

 

5 本部組織のクライアントは、トップ自身

 

 

6 マネジャーの「判断力」を育てる「躾」がなされているか

 

マネジャーの役割は「決まりを守らせること」だけではない。今の「決まり事」 の不備に、現場で柔軟に対応し、「決まり」の主管部署に対して声を上げ、修正、磨き上げを推進する責任者である。

7 マネジャーには、決め事や仕事の手順を進化させる「カイゼン」の推進能力を求める

 

 

Chapter3 トップが知るべき戦略の基本

 

 

1 戦略とは自分たちの手で作り上げ、自分たちで舵取りや方向修正を行うべきもの

 

 

2 そもそも戦略とは「頂」に向かうためのシナリオ

 

 

PDCAの最初のPは「Cから始まるプランニングP」

 

 

相談に来られる企業のほとんどは、この状態になってからです。

 

 

そうした際に、事業活性化のためのシナリオ策定のために、まず行うのは次の三つです。

 

 

(1)市場とのかい離が起きているので、まず、現状の実態と過去の経緯を「見える化」するための「現状把握」

 

 

(2)それがなぜ起きたのか、因果を解明していく「意味合い」の抽出

 

 

(3)「解の方向性」を明らかにして「具体的施策」と「実行計画」を展開

 

 

これはPDCAの最初のPの作法の基本に則った「Cから始まるプランニングP」です。

この一連のセットが事業活性化のための「戦略」と呼ばれるものです。

日々の事業運営のPDCAの精度が落ちていたため、あるいは怠慢により、市場の実態とのかい離 を起こしている状態で、改めて「現状把握」からやり直すのが「戦略」の立案作業だと捉えてください。

3 成功企業の戦略の多くは、「攻めのPDCA」を廻し続けた結果に後付けで因果を添えたもの

 

4 新規事業への取り組みは、自社の持つ「強みと弱み」をよく吟味し、課題を見極めてから

 

5 企業のビジョンとは社員が共有し、語れる「方向性を持った力(=ベクトル)」

 

6 事業の発展に有効な市場・ビジネスの切り口は、社内のデータだけでかなりのレベルまでわかる

 

7 CS(顧客満足)において、最優先に取り組むべきは顧客の不便さや不愉快さの発生原因をつぶすこと

 

 

Chapter4 外部からの知恵を賢く使う

 

 

1 経営は、いともたやすくバズワードに塗れる

 

2 多くの経営理論や新しいコンセプトは、すぐに実践に使えるものではない

 

 

多くの経営理論の前提にある、米国式マネジメントの特徴

 

 

米国企業の特徴を挙げると、以下のようになります。

 

 

・「人治」が前提にあり、自身への評価とクビをかけ、全責任を持つマネジャーによるディレクティブ(命令的)なマネジメント

 

 

・明確な数値評価と数値責任へのコミットメントと、それに伴う高額報酬。特に上場企業の場合は、株主からの株価アップのための成長性、配当のアップ、事業価値の向上への強い要求が前提

・そもそもの文化として「べき論」を大切にして、言うべきことを口にする「スピークアップ」を行うイニシアティブの存在

 

 

3 ERPを導入すると、会社の成長が止まる?

 

4 本来の姿とはかけ離れた、日本のコンプライアンスの実態

 

5 コンサルタントを使って結果を得るには「丸投げ」厳禁

 

6 外部から優秀な人材を採用し、存分に活躍してもらうための軸となる企業文化

 

 

Chapter5 人の「業」と向かい合う

 

 

1 日本企業の労働生産性の低さは、マネジメントによる社内の実態把握の弱さから

 

2 トップ周辺にはびこる「思惑」や「エゴイズム」を排除する

 

3 成功体験に囚われたトップは、事業の発展を自身で止めてしまう

 

 

Chapter6 「事業承継」を自分事として捉える

 

 

1 事業承継は明日にでも直面する備えておくべきテーマ

 

2 経営を引き継ぐ側に必要な「躾」と経験を考える

 

3 後継者を選ぶ際は、実績だけではなくやってきたプロセスをしっかり見る

 

4 トップを支え、トップに気付きを与える役割の側近を周りに配置する

 

 

Chapter7 まとめ:経営トップの「あるべき姿」「なすべきこと」

1 マネジメントのあり方を進化させられなくなった時は、次にバトンを渡す

 

2 「人治」と「法治」の二方向からマネジメントの進化を促進する

 

3 CEOの高所得は、事業価値の向上に対する株主からの報酬として正当化されるもの

 

4 自身の上に「お天道様」を置かない最高権力者は、おのれの中の「獣」をコントロールできなくなる

 

5 誰も手をつけない課題に取り組む人材を守り、社内のエゴイズムに睨みを利かせる

 

6 経営判断において優先させるべきは、顧客から自社への「信頼」というブランド力の向上

 

7 トップが目を凝らして見据えなければならないのは、目の前にあるロジックの「向こう側」にある真理

 

8 フェアネス(公正さ)をどこまで徹底できるかを、企業文化づくりの永遠の挑戦テーマとする

 

9 事業はその強みをもって成功する。しかし、その弱みを放置した結果、衰退する

 

10 ITを活用したリアルな事業観をイメージするのはトップの仕事

 

11 経営トップがなすべき6つのこと

 

 

おわりに