NO.101 売上を、減らそう。 中村朱美 | マルティン・ルターのぶろぐ

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はじめまして、マルティン・ルターです。今年の目標として読了30冊を掲げました。
今まで読んだ本も備忘録として残していきます。
主にビジネス書、リベラルアーツ、などです。+で中日ドラゴンズとごはん屋さんも発信していきます。

売上を、減らそう。

 

中村朱美

 

ライツ出版




 

なんともセンセーショナルなタイトル。

私にとって当たり前で、でも声をあげてはいけないことのような事柄を書籍にして頂いている本です。ホントそれなって感じです。

シン・二ホンの中で、安宅和人さんも、生涯100年時代、20歳から70歳まで働くために、65歳で伐採(定年)を迎えるのではなく、こまぎれでもいいので仕事に従事することも意義を唱えている。その具体的な方法論として、佰食屋のビジネスモデルがあると思いました。

 

ある意味、私が勤めている会社とは全く逆のDNAを持った会社

 

おそらく、惹きつけられるのは、中村朱美さんという人としての人間性ですね

 

そして、佰食屋1/2も様々な要素が加わったため、実証実験としては閉店。今はあるテナントが空くのも待っている状態とのこと。

 

はじめに

 

もう「頑張れ」なんて言いたくない。

わたしは「仕組み」で人を幸せにしたい。

著者の中村さんの言葉に、「それホントそう!」と電気が走ったような感覚でした。

 

 

第1章 超ホワイト企業「佰食屋」はどのようにして生まれたのか

 

 

100食限定という

 

ビジネスモデルが生み出したもの

 

佰食屋が、「1日100食限定」を掲げたとき、この数字にはなにも確信めいたも のはなく、「なんとなくキリがいいから」と、拍子抜けするくらいの理由で決めたことでした。 けれども結果として、100食という「創約」はすべてのブレークスルーを生み 出しました。それはそのまま「百食屋」という「屋号」になり、「限定」というお客様の「来店動機」となり、「売上ファーストではなく従業員ファースト」という「経 営方針」にもなり、ついには従来の業績至上主義とは 「真逆の働き方」が出来上がりました。

 

具体的には、次のようなことが挙げられるます。

 

メリット1「早く帰れる」退動時間は夕方17時台

 

メリット2 「フードロスほぼゼロ化」で経費削減

 

メリット3「経営が究極に簡単になる」 カギは圧倒的な商品力

 

メリット4「どんな人も即戦力になる」 やる気に溢れている人なんていらない

 

メリット5 「売上至上主義からの解放」よりやさしい働き方へ

 

いったい、それはどういうことなのか。

詳しくは次章でお伝えしていきます。

 

 

第2章 「100食限定」が生んだ5つのすごいメリット

 

もう売上を

追いかける必要なんてない

 

佰食屋とは、一言で言うと「サービスを極限まで絞ることで売上を上げているお店」です。また、言い方を変えれば、100食限定とは「それ以上の売上を諦める」 ということでもあります。サービスを絞り、売上を諦めることで、通常の会社ではありえない劇的な変化がいくつも起こりました。 不況にあえぐ経営者、形だけの働き方改革に戸惑う従業員。どちらの大変さもわかります。でも、このような状況をつくり上げてきたのは、ほかでもないわたしたち自 身の働き方であり、その働き方を強いてきた経営者の責任です。

 

つまりは、終わりなき「業績至上主義」がもたらした結果。

 

だから、単純に思うのです。みんなが、売上を追いかけてうまくいっていないのなら、もうそれを追いかける必要なんてないんじゃないかって。

 

 

第3章 佰食屋の労働とお金のリアルな実態

 

 

そもそも就業時間内に 利益を出せない商品とか企画ってダメじゃないですか

 

 

これは佰食屋でないと実現できないことなのでしょうか。あるいは、京都だからこ そ可能となっている実例なのでしょうか。

 

講演会でも「うちは業種も規模も違うから無理」「会社で導入するとなると難しい」 そんなことを口々に言われます。では、そもそも経営者はなぜ、従業員に残業を強い ているのでしょうか。従業員もなぜ、「長時間働くのが当たり前」だと考えているの でしょうか。

日本の労働基準法では、こう定められています。

 

・使用者は、原則として、1日に8時間、1週間に10時間を超えて労働させてはいけせん。

 

・使用者は、労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を与えなければいけません。

 

・使用者は、少なくとも毎週1日の休日か、4週間を通じて4日以上の休日を与えな ければなりません。

 

これは、国がが定めた「国民が適切に働ける条件」です。それなら、この基準内で、 そもそも就業時間内に利益を出せない商品とか企画ってダメじゃないですか。 基準を大幅に超えて、従業員が必死に働いて維持している商品やサービスは、たと え多くの人に支持されて、たくさん売れたとしても、「誰かが犠牲になっている」と

いう事実は消せません。 就業時間内に利益が出せない事業なんてやめてしまえばいい、と思います。

 

佰食屋では、36協定を出していません。なぜなら、本当に残業がないからです。1 日に8時間、1週間にの時間を超える状況が発生しないのです。もちろん、今後もし 残業が必要だと考える従業員が出てくれば、36協定を提出する準備はしていますが、 いまは「100食売り切って、早く帰る」働き方をみんなが選んでいるのです。

 

第4章 売上を目標にしない企業は、社員になにを課しているのか?

 

会社は明日の責任を みんなは今日の責任を

 

佰食屋には、クレド (行動規範・信条)があります。

 

「会社は明日の責任を。みんなは今日の責任を。」

 

「会社は明日の責任を。」そのつづきには、こう記しています。「会社はこれからの集 お客様にたくさん来ていただく努力をし、みんなを大切にし客や広報に責任を持ち、 ます」。次に「みんなは今日の責任を。」その下にはこうあります。「みんなはお客様 が限られた時間の中で最大限満足していただけるよう、接客・調理・おもてなしの努力をし、お客様を大切にします」。

 

つまり、佰食屋が従業員に求めるのは「現場」です。逆に言うと、それ以外のこと は一切業務として課すことはありません。

 

佰食屋は採用面接のときにも、このクレドに立ち返り、その人の仕事に取り組む姿勢を探ります。そして、佰食屋の働き方を理解してもらいます。

 

 

第5章 佰食屋1/2働き方のフランチャイズへ

 

持続可能な

働き方へ

 

 

もはや、かつて「当たり前」とされていた働き方は、過去のものとなりました。 定年まで勤め上げれば、退職金をもらえ、潤沢な厚生年金を受け取ることができま した。転勤を命じられても、勤め続けさえすれば、出世やポストを約束してもらえ る。だから、どんなに長時間労働でも、単身赴任になっても、文句一つ言わず働き続けてこれたのです。

けれどもいまや、どうでしょう。我慢し続けて、やっとそれなりに給与をもらえて、役職に就くことができた途端に、リストラに遭ったり、会社が倒産したりしてし まいます。

 

つまり、これまでの働き方は、決して「持続可能」なものではなかったのです。 20代30代にとっては転職も当たり前になり、いまいる会社よりもよい条件で雇って くれる会社があれば、すぐに転職します。大企業でも副業が解禁になり、自分の好き なこと、やりたいことを仕事に、と新しいことをはじめている人がいます。