不条理な会社人生から自由になる方法
橘玲
橘玲さんの著作は視点が独特でなるほどと共感することが多い。
やっぱり、橘玲さんはめっちゃ面白い。
フリードマンやグッラトンのベストセラー著作を引き合いに出し、人生100年時代「生涯学習・生涯教育」が必要だと同調させておいて、
最終的には、その場を用意したら、あとは本人の「ヤル気」だと結んでいる。
これってメリトクラシーの根源だと思う。
しかし、彼らの様なリベラルの人は、その様に結ばないと、収まりがつかない。なぜなら、ほぼほぼ、能力は遺伝することとしてしまうと、個人の努力で何もなすことができないことを認めてしまうことになるから。
目次 :
1 生き方・働き方が衝撃的に変わる未来(テクノロジーのスーパーノバ/ 「カルチャーデック」の衝撃 ほか)/
2 前近代的な身分制社会・日本
・イエ単位の社会保障は持続不可能
何が差別かというと、その基準となるのが「合理的に説明できないこと」
・ブラック企業というイノベーション
正社員、非正規社員これは区別ではなく、身分のヒエラルキーを表す差別であると言える。
・サービス残業は「奴隷労働」
雇用のための会社=イエに滅私奉公するという日本独特の文化が完成しました。
サラリーマンの本質が「社畜」だから。
3 会社や管理職はなくなるのか?
・格差の小さな日本は健康度が高い
格差の大きな社会は他人への信頼度が低く、精神疾患や薬物乱用が多く、肥満に悩み平均寿命が短く、学業成績が低く、10代の出産が社会問題になり、殺人などの暴力事件が多発し、その結果多くのひとが刑務所に収監されていることでした。
・それでも会社が存在する理由
世界はきわめて複雑で、未来はあまりに不確定要素が多くしかも人間の知性も理性もかぎられているからです。
・未来世界で管理職はいなくなるのか?
管理職のソーシャルスキルとは、「部下なり同僚なりの感情や欲求を察知し、気持ちよくいっしょに働けるようにする能力」のことです。
6つに階層化する働き方
BOBOS(ボボス)クリエイティブクラスの上位層は生きていくのに必要な額を大きく上回る資産を形成していて、働くのは自己実現あるいは社会貢献のためです。
4 「未来世界」で生き延びる方法
新しい時代が到来し、ミドルクラスの仕事が急速に失われています。
人新世にも雇用はありますが、そこでは「3つのR―読み (リーディング)、 書き(ライティング)、算数(アリスメティック)」だけでなく、「4つのC 創造性(クリエイティビティ)、共同作業(コラボレーション)、共同体(コミュニティ)、プログラミング(コーディング)」のスキルが必須になるとフリー ドマンはいいます。
・長く働く、いっしょにはたらく
①人的資本を大きくする 自己啓発
②人的資本を長く運用する 長く働く
③世帯内の人的資本を増やす 共稼ぎ
・研究開発部門の仕事はベンチャーを買収すること
終身雇用の日本の会社はタコツボ化していて、いったん悪い評判が立つとそれが定年までついてまわるからで す。こうした環境で生き延びるための最適戦略は、いっさいリスクをとらずにひたすら失敗を避けることです。
こんなことではイノベーションなど起こせるはずはありませんが、経営陣がいくら叱咤しても社員を踊らせることはできません。その話を真に受けてリスクをとった先輩社員が、失敗の全責任を負わされて左遷され、飼い殺し同然に扱われている姿をみんな見ているからです。
とはいえ、新商品や新サービスがなければ会社は壊死してしまいます。だとしたら、残された方法はひとつしかありません。それが「イノベーションの外注」 です。
じつはこれは、日本的雇用の会社にとってきわめて合理的な戦略です。
・うつ病の原因は自分の能力を超える仕事
「いやなこと」は、大きく3つに分けられるでしょう。
1つは、なんの意味があるのかわからない仕事。すなわちブルシットジョブです。
2つめは人間関係。「今日もまた怒られるのか」と思いながら会社に通ったり、「顔も見たくない」 同僚が隣の机に座っているのは苦痛以外のなにものでも ないでしょう。
3つめは、自分の能力を超える仕事の責任を負わされること。 内向的な社員が 重いノルマを課せられ、同僚と営業成績を競わされるような場面を思い浮かべる でしょうが、それだけでなく日本の会社ではこうしたことがあちこちで起きています。
・知識や人脈を惜しげもなく共有
どれだけギブしても減らないものなどあるでしょうか?じつは、そんな特別なものがこの世に2つだけあります。それが「知識」と「人脈」です。
・「ふれあい」が多すぎることが「ソロ化」を招く
多くの人が感じてる「生きづらさ」の根源にあるのは、知識社会が高度化し人間関係が複雑化していることです。