映画『お終活 再春!人生ラプソディ』 | 牧内直哉の「フリートークは人生の切り売り」Part2

映画『お終活 再春!人生ラプソディ』

『お終活 再春!人生ラプソディ』

(上映中~:イオンシネマとなみ)

公式サイト:https://oshu-katsu.com/2/

 

「終活」を題材に熟年夫婦の悲喜こもごもを綴ったヒューマンコメディ

お終活 熟春!人生、百年時代の過ごし方(2021年)の続編です。

この頃はまだ富山県内にイオンシネマがなかったからでしょう、

前作は未鑑賞ですが、このキャラクターは前作も出ていたんだなとか、

家族の関係はそうなんだな・・・とか、大まかな設定はすぐに理解できました。

オープニング、主人公・大原千賀子の家族が「洋服の青山」で買い物中、

本物の三浦友和さんが現れて・・・など、スポンサー様の小ネタも楽しいです。

 

日本の泣き笑い劇場、やはりホッとして、安心して観ていられます。

ヨーロッパを中心に外国映画では以前から結構ありましたが、

最近は日本映画も年配者が主人公の映画が増えてきて良いですね。

「人生100年時代」をやたらと強調するのには抵抗感もありますが、

公的介護保険だけで足りるのか、有料老人ホームの特徴、

昨今の葬儀のあれこれ、お墓を建てるだけではない納骨堂という選択肢、

いろいろ終活事情が学べます。ぼちぼち、自分も考えておかなくては・・・。

 

大原千賀子と真一夫妻は金婚式を迎えております。

コーラス部で楽しく歌っている千賀子のかつての夢はシャンソン歌手でした。

亡き恩師の娘さんと再会したことで、再びシャンソンのレッスンをはじめ、

娘さんの勧めもあって、コンサートの出演を目指しています。

一方、真一は「そんな恥ずかしいことやめとけ」ってバカにするんですね。

私のような独り者でも理解できる、熟年夫婦あるある。

 

(以下、“適度”にネタバレしています。ご了承ください)

 

でも、本作でも語られていましたが「最春」って素敵じゃないですか。

いつまでも若々しくとかじゃなくて、年齢を重ねても夢があるなら、

そこに向かっていく姿は素敵だし、身近にそういう人がいたら応援したいです。

人は必ず死にます。実は長いようで短い。家族も大事だけど、自分の夢も大事。

やりたいことはできるうちに出来るときにやった方が良いと思いました。

 

千賀子役の高畑淳子さんの演技は別格の上手さです。

クライマックスのシーンはしみじみジーンときました。

他にもベテラン俳優さんたちがわんさか出てきて、

年齢のこともあるので少し滑舌が悪くなった人もいますが、

いや、それも含めて味なんじゃないか、リアルで良いんじゃないかと思います。

真一役が橋爪功さんなんで、ピッタリの役なんですけど、

あれ?これ家族はつらいよじゃないよね?と少しごっちゃにはなりました。

 

超ベテランとして大村崑さんが出演されてまして、

トレードマークともいうべき眼鏡越しの表情がやっぱり良いんですよ。

崑ちゃん、いつまでもお元気に活躍していただきたい。

一方、若い配役では大原家の娘役、剛力彩芽さんを久々に拝見しました。

こう言っては失礼ですが、思いの外お上手でした。

物語を回していたのは実は娘さんという部分もありました。

 

順調に本番を迎えようとしていたコンサートに暗雲が・・・。

ですが、理解のあるスポンサーが現れて・・・。

この顛末は現状の自分と照らし合わせて、羨ましいというか沁みるというか・・・。

いやホント、これまで応援してくださった、そして今も応援してくださる、

お客様、スポンサー様には、改めて感謝の思いでいっぱいです。

なんてわざわざ書くと逆に薄っぺらい感じもしますけどね(^_^;)

 

入場者特典でいわゆる「終活ノート」をもらっちゃいました。

そこそこの厚みがありまして、正直、これを手書きで埋めるのはしんどい。

でも、自分の晩年に向けて参考になる資料でした。

気軽に楽しめるけど、いろいろ考えもさせられる。そんな映画でした。

多分、鑑賞日の客席では私が一番若かったと思いますが、

続編があったらまた観に行こうと思いました。