映画『宇宙人のあいつ』/『最後まで行く』
『宇宙人のあいつ』
公式サイト:https://happinet-phantom.com/uchujin/
また映画の感想文を書かないま溜まってきました。
これ、いつ観たんだっけ?上映がすぐに終わってしまったような気も・・・。
地球人になりすましてきた宇宙人(土星人)が、
地球を離れるまでの3日間で人間としてやり残したことに奮闘する、
ジャンル的には「コメディなのかな?」といった感じの映画でした。
土星からやってきたトロピカルこと日出男を中村倫也さん。
日出男が紛れ込んだ真田家の長男・夢二役をバナナマンの日村勇紀さん、
長女・想乃役を伊藤沙莉さん、三男・詩文役を柄本時生さんという、
なかなかクセのある配役で興味をそそられたのですが、
ちょっと脚本が遂行不足かな・・・という感じはしました。
あと、ちょこちょこ入る細かいギャグが私のツボには来なかったです。
ただ、やっぱ伊藤沙莉さんは魅力的やなぁ!とは思いました。
(以下、“適度”にネタバレしています。ご了承ください)
日出男の任務は家族になった地球人を土星に連れ帰ることでした。
オープニングで帰っていくシーンから始まるので、
少なくとも真田家の人間は連れ帰らなかったようだと思わせて…、
本当に真田家以外の地球人も誰も連れていきませんでした。
土星にはない「家族」という概念を日出男は学んでしまいました。
本当は土星に帰ってその概念を伝えれば・・・、まぁ、それじゃ済まないか。
日出男以外に地球に来て任務を遂行した土星人はいなかったのかな?
真田家は両親が亡くなっていて、日出男も含めて4人兄弟の家族でした。
朝食は家族揃って食べます。家族の問題はその時に会議で解決します。
家族は自分よりも大事な、つらいことも自分が代わりに・・・と思える存在。
地球での23年(土星では1年)間、日出男もそうして暮らしてきたわけです。
ただ、土星には家族の概念がないから地球の方が上というわけではなく、
土星の社会構成にも一理あるし、土星には土星の都合もある。
ということを、長男の夢二は理解していたようでした。
真田家は焼肉屋さん。タンを塊で提供していました。
あと、BOØWYやTHE BLUE HEARTSの曲が使われていて、
いかにも日村さん!って感じはしました。
『最後まで行く』
公式サイト:https://saigomadeiku-movie.jp/
ある年の瀬の夜、刑事の工藤は危篤の母のもとに向かうため、
雨の中で車を飛ばしていますが、妻からの着信で母の死を知りました。
その時、車の前に現れたひとりの男をはねてしまいます。
工藤は男の遺体を車のトランクに入れ、その場を立ち去ります。
男の遺体を母の棺桶に入れ、母とともに斎場で焼こうと試みますが・・・。
中国やフランスなど各国でもリメイクされた2014年の同名韓国映画を、
藤井道人監督、岡田准一さん主演で日本映画としてリメイクしたものです。
世間の評価は分かりませんが、藤井監督作品としては、
私はそのちょっと前に観た『ヴィレッジ』の方が好みでした。
これ、工藤が良心に従って事故処理していたら終わる話です。
が、できないんですよ。共感点が皆無と言っていいくらいのクズだから。
で、そんな上手くいく?と思うぐらいに都合よく難を逃れていくのですが、
実は運が良かったのではなく、別の力が働いていたから・・・、
というクライムサスペンスでした。
(以下、“適度”にネタバレしています。ご了承ください)
隠蔽工作を図る工藤の前に現れたのは県警本部の監察官・矢崎。
彼には彼の任務があり、工藤より焦っていたのは矢崎だったようです。
工藤が勤務している警察署では裏金疑惑が上がっていたのですが、
「裏金は見逃してやる。その代わり・・・」など、
警察の闇の部分が、そういうこともありそうだと感じるリアルさでした。
矢崎役は綾野剛さん。この方は演技の幅が広いですね。
殉職してる刑事はいるし、あれじゃ娘はトラウマになるだろう・・・。
って感じで、めでたしめでたしにはならないはずなのに、
最後は何でちょっとイイ話みたいになっとんねん?と思ったら、
そこから終わらず、「最後まで」って、どこまで行くねん?なラストでした。
私が座っていた客席の同じ列に年配のご婦人が二人。
もうずっと「茶の間で観てるのか?」って感じで喋りっぱなし。
映画館内の会話って、ヒソヒソ声でも聞こえるんですよ。
泣いたり叫んだり、思わずツッコんだりの一言は平気なんですが、
会話だけは本当にやめて欲しい。久々にお願いしに行っちゃいました。