映画『キングスマン ファースト・エージェント』 | 牧内直哉の「フリートークは人生の切り売り」Part2

映画『キングスマン ファースト・エージェント』

『キングスマン ファースト・エージェント』

(上映中~:TOHOシネマズファボーレ富山、J-MAXシアターとやま、TOHOシネマズ高岡)

公式サイト:https://www.20thcenturystudios.jp/movies/kingsman_fa

 

人気スパイアクション映画『キングスマン』シリーズの3作目は、

世界最強のスパイ組織「キングスマン」誕生の秘話が描かれています。

1914年、第一次世界大戦を裏でひそかに操る闇の組織に対し、

レイフ・ファインズ演じる英国貴族のオックスフォード公が、

これまた、秘密裏に暗躍する組織のリーダーとして立ち向かう展開です。

果たして、オックスフォード公たちは大戦を終わらせることができるのか!

 

(以下、感想は“適度”にネタバレしてます。ご了承ください)

オープニングタイトル。実は原題が前作までと少し違います。

おなじみ(?)の「Kingsman」はもともと由緒あるテーラーの店名ですが、

これが映画のタイトルになると『The King's Man』と変わっていきました。

これについては、私がよく読んでいる映画ブログに綴られていて、

管理人の方はよく気が付かれるものだなぁと感心しきりでございます。

確かに本作の主人公はほぼ最後まで「国王の側近」です。

そこから、今の「国のしがらみ」から離れた組織になっていくのですね。

 

実際、監督、脚本、製作はマシュー・ボーンで前作までと変わりなしですが、

キングスマンキングスマン ゴールデン・サークルのような、

ばかばかしい面白さが前面に来るようなテイストではなかったです。

世界史に疎い(ほとんど映画で学んでる・・・)私でも分かるレベルの、

第一次世界大戦の歴史と上手くかみ合わせた脚本になっていて、

そういう意味での面白さは感じたのですが、

オックスフォード公の息子が戦場に行ってからの件が悲しすぎて、

あれ?これはひょっとして反戦映画ですか?なんて感じたりして。

 

いや、過去作でもキングスマンがどこの国家にも属さないのは・・・、

という点において、それは反戦思想が根底にあるからなんですが、

本当の歴史、特に悲惨すぎる第一次世界大戦を題材にしてしまうと、

英国とドイツとロシアの皇帝を同じ俳優が演じたり、

オックスフォード公とラスプーチンとのバトルシーンや、

なぜアメリカはなかなか参戦しなかったのか・・・など、

序盤からコミカルに演出している部分も少なからずあるのですが、

中盤までは各シーンで笑い飛ばすことはできない自分がいました。

 

その大戦を画策している闇の組織にも理屈はありまして、

その組織のリーダーはスコットランド人だったということです。

それが理由で大戦なの?という思慮不足は感じますが、

このリーダーの部下がラスプーチン以外にも大物揃いでして・・・。

 

リーダーの顔がなかなか出てきません。最後の最後に分かります。

こういう演出の場合、ものすごい大物俳優が演じているか、

事前に登場していた意外なキャラクターが正体だった。

ということになるのがパターンですが、本作では果たして・・・、

って、いやいや、さすがにそれは書かないですよ。

 

さて、オックスフォード公が息子の死を乗り越えてからは、

ウィットに富んだ会話や、「お~これこれ♪」的なアクションシーンなど、

『キングスマン』らしさを感じるテイストにはなっていました。

あ~、こういう風に繋がっていくのか・・・みたいなシーンもありました。

が、ラストで続編を感じさせるシーンがありまして、

あぁそうだよね、このまま第1作に行くのは無理ですものね。