それは暑い盛りのことでした。
ちょうど流行り病の終盤。
けれどまだまだ大会は中止
イベントもひっそり流れていき
ともすれば集って走るなどと
世間では後ろ指をさされそうな時代。
偶然にしか頼れない
ばったり会うことだけが口実
だから
きっと
こんな風に
ひっそり獲物を狙ってたんだよね笑
2021年7月
おそらくこの頃からだったかな。
なんとなーく時間を合わせ
なんとなーく偶然を装い
一緒に走るようになったのは
そして引きずり回されるようになったのも←
さいしょは鬼とゴリラキングとわたし。
そのころは、いまではポンコツなわたしも
国際資格まであと数分、だったので(トオイメ)
わたしを国際に連れてってください!!
と、鼻息荒く、
鬼メニューに必死にくらいつき
ただ、その引っ張る背中だけを信じて
ずっと追いかけてきたんだよね。
いちねん
にねん
さんねんと経ち
どんどん仲間が増えてきて
より走りやすい場所を求めて
春夏秋冬移動を繰り返し
雨が降ろうが雪が舞おうが
風が吹こうが嵐が来ようが
猛暑の夏も厳寒の冬も
サクラの下も新緑の中も
すいようびは三時半起床
そして5時ピタでよーいどん
そうしてずーーっと一緒に走りつづけてきた。
あたしたち、バカみたいにマジメだった。
バカみたいに青春していた
そんな日々がずーっとつづいていくと
うぬぼれにもほどがあるくらい
あたし、信じていたんだよ
今日がコーチとの最後の部活。
三月から遠いとこにいっちゃうコーチ。
なんだかぜんぜん現実味がなくて
だって、当たり前のようにここにいたから
もう地縛霊のように←多摩川にいたから
そう、どこ走ったって
どんな遠くまで行ったって
必ず、いるんだ、この人、笑
この土手をいったい何千キロと走ってきたんだろう
あたしゃ一生かけてもその距離に追い付けそうにないよ
そんだけ、ここにいるのが当たり前だったから。
今日の部活が終わっても
3月から遠くに引っ越しちゃっても
いつでもここで会える気がしてるんだ
たぶん、ここにいるみんなも、きっと
よねんかん、ありがとうございます。
うまく言えないけども
いっしょに走れた時間、とても贅沢でしあわせでした。
もちろん、永遠の別れじゃないし
たぶん、また帰省時なんかには
多摩川で会えるとおもう
いや、たぶん多摩川でしか会えないと思う笑
その日をまた楽しみに
わたしたちはここで走りつづける
何日、何年かかるかわからないけど
コーチが踏んできたその距離に到達したら
また違う未来が待っているはず
そのときまで
どうか健康で
さらなる強さで
走りつづけて
またきっとここに集いましょう
ありがとうございました!
2025年2月