かれんだりお。4日目終了! | まきおの隠れ宿

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劇団スタジオライフの牧島進一です。
皆様との交流の場をコソッと増やそうとブログを始めてみました(^_^;)
内容は徒然、不定期更新になると思いますが、
宜しくお願い致します!

5月17日、日曜日。

「かべぎわのカレンダリオ」も4日目を終えました。

AB共に4ステージずつを終え、僕はAのみの出演ですが、この4ステージだけでも、本当に沢山の発見がありました。

「字面通りの意味ではない」

舞台においてしばしばあることですが、
今回の「マレーネの晩秋」にはこれが本当に沢山あります。
僕の役に限らず、もうそこら中に。

他にも、一つの言葉が複数の事柄を指していたり、目線や間によって言葉の意味が変わったりすることもしばしば。

でもそれって実は、その役を演じる役者が表現を委ねられてるってことで、

とても有り難いことだったりするんです。

でも、難しい(笑)

だから、毎回のように発見するのです。
というか、日々違う。
同じ意味でも頃合いが違ったり、時には何も意識せず発した台詞が昨日と全く違う意味になってたり。勿論変えようなんて思ってないです。
その日その時の共演者や自分のコンディション、お客様の作って下さる劇場の空気。
細かく言ったら多分、その日の天気や気温も影響してるかも知れません。

想いがあれば、台詞の言い方なんてどうでもいい。僕は普段そう思っています。
これは、テキトーでいい、ということではなく、毎回きっとベストは違う、と思えるからです。


以前ある役者としての先輩から、こんな話を聞いたことがあります。

「十年前の自分の芝居、下手クソだったろ?一年前の芝居だって今考えたら大概だ。それは十年なら十年、一年なら一年の経験があるからだ。同じだ。昨日までの自分と今日の自分は変わらないようで全然違う。だから、昨日と同じことをしても、同じにはならない。今日だけの芝居をやればいい。多少芝居が変わったところで、受け止められない共演者なんていない。度が過ぎたら演出家がちゃんとブレーキをかけてくれる。だから、自分でブレーキだけはかけるな。その瞬間瞬間に感じた想いに従えばいいんだよ」


その話を聞いたとき、正直僕はまだ若くて、言ってる意味はわからないまでも、その実感はありませんでした。

実際若かりし僕は、稽古で自分が作った役作りにとらわれ過ぎて、生身で芝居が出来ない奴だったのです。

でも、月日が流れて、若輩なりの経験を積んで、本当に少しずつ、自分が自由になってきたのです。

と、話が逸れました!

つまり、えっと、なんの話だっけ?

あ、今回のバラキという役に於いてはどうなのかと言うと、

基本、自由。

台本上から僕が読み取って、また細川さんの元で稽古を重ねて見つけたバラキという役の基本線だけ抑えて、あとは本当にその瞬間瞬間に感じた想いを感じた分量で、次の自分の芝居に乗せる。

それだけに始終すると、何故か理由は本当にわからないのですが、

ある時突然、今まで感じたことのなかった想いがふと心身を巡り、予想もしなかった表現が生まれたりするのです。

そして、それらを自分の中に蓄積しつつ、

また翌日はゼロからやり直し。


え、そんなアバウトなの?という感じもしますが、意識してそうしていかないと、どうしても「良かった時の自分の演技」を意識して、結果としてその日その瞬間の真実を逃してしまう。

そして、その瞬間を逃してしまうと「ヤバい逃した!」という邪念がまた生まれ、さらにまた逃してしまう。

稽古場での蓄積さえきちんとあれば、ゼロからスタートした方がベストへの近道。僕にはそう思えるのです。

そして、今回の座組に於いては、相手役のほんのちょっとした変化でさえ、みんな見逃さずキャッチして、反応してくれる。すごく信頼できる座組です。

バラキとカレンダーの例のシーンなんて、動きは変えてないけど、中身はほば日替わり状態です(笑)
でも、お互いその場で相手の芝居を受け取っているので、不思議なもんで、毎回しっかり歯車は合うんですよね。

そして、それがまたナマでやる舞台の醍醐味でもある。そんな気がします。



さてさて、また長くなっちゃいました(^_^;)

ネタバレないよう気をつけるとどうしてもこういう感じになりがちで、すみません💦


本日も3ステージ、無事終了致しました。
観にいらして下さった皆様、終演後に声をかけて下さった皆様、素敵な感想をメール下さったお客様、全てのお客様に、感謝です!


A公演B公演ともにあと7回ずつ。

僕はあと7回のバラキ。

全てのステージを、大事に、大切に、

生きて行こうと思います!