ファントムの稽古も開始からかれこれ一月以上が経ちました。
先日、美術のマットさん、照明のニックさんが、来日、合流し、いよいよ稽古も大詰めです。
今回は前作のように明確に章が別れている感じではなく、全編を通してエリックがとにかく大活躍。
そして、その他の出演者がぜんい全員がかりで彼の人生になんらかの影響を与えるべく登場します。
いきなり手前ミソな話なんですが、うちの劇団員のすごいところは、皆がみんな、
「これはエリックの為の物語だ」
と思い、その為に自分の役を全うしようと尽力していること。
勿論シーン毎にメインとなる役者は代わっていきますが、その全てがエリックに繋がっている。
つまり、例えば僕が演じているタキ・カーンや、恋のライバルになるラウルなど、一見敵対関係にある役。
役としては敵対なんですが、役者としては
「自分がどういった切り口でエリックと対峙することがエリックの心に響くのか」
なんてことを考えながら役を構築していくのです。勿論自分の役作りは自分の為のものですが、シーンを作っていく際は、物語における自分の登場シーンの意味や、自分の役の役割が、自分のキャラクター作り以上に重要視される訳なのです。
当たり前かも知れませんが、これが当たり前のように皆が理解している劇団は、そうはないんじゃないかなって、僕は勝手に思うのです。
だから、スタジオライフはなんかわからんけど一つになってるんだなって、思うのです。
通し稽古中も、出番じゃない役者も皆、舞台上に集中して見守っています。新人たちも舞台転換に携わりながら、固唾を飲んで袖から舞台を見つめています。
そんな呼吸をするのも気を遣うくらいの張り詰めた稽古場が、たまらなく心地良かったりするのです。
じゃなかったら、ファントムみたいな世界作れる訳がない、とも。
ただ、精神的にめちゃくちゃ疲れるんですけどね(笑)
出番の多い少ないにかかわらず、皆ヘロヘロになります(^_^;)
明日も稽古、がんばるぞ!