韓国旅行記。劇場入り! | まきおの隠れ宿

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劇団スタジオライフの牧島進一です。
皆様との交流の場をコソッと増やそうとブログを始めてみました(^_^;)
内容は徒然、不定期更新になると思いますが、
宜しくお願い致します!

11月16日。早朝。

「まっきー、八時だぞ」

ジンに起こされる牧島。今日は劇場入り。一度劇場下見で訪れているジンの案内のもと、6人は劇場に向かう。

韓国の11月は既に空気が澄んでおり、東京の1月を思わせる。単純に寒いだけじゃない、冬特有の匂い。季節を先回りしたような錯覚に、ここが異国の地であることを実感させられる。

「歩くと30分近くかかるけど、タクシーなら10分かからないくらいかな。タクシー安いから基本的にタクシー移動になるとは思うけど、初日だし、どんなもんか歩いてみよう」

ホテル前の大通りから大学路へ入る。途端に景色が変わり、それまで車しか見えなかった通りから、人々が行き交う路地へと姿を変える。様々な劇場の公演ポスターや昇りがそこかしこに並び、ここが劇場街であることを再認識させられる。

ほどなく劇場に到着。着替えて搬入が始まった。


小さなエレベーターでの厄介な搬入を終えてからは、劇場での中のこと、日本とさほど変わらない仕込みが進んでいく。ただ、現地スタッフさんは当然ネイティブ。そこかしこでハングルや英語でやり取りが行なわれている。

セットの立て込みも落ち着いたきた頃、昼休憩となった。

日本では全国どこでも劇場仕込みの日はお弁当が出るのが普通。少なくともスタジオライフではそうだ。寸暇を惜しまなければ本番に間に合わないことが多い。

「じゃあここで一時間休憩にします。通訳さんの案内で各部署食事に向かって下さい」

舞台監督の言葉に驚きつつも着替えて外へ。

導かれるまま歩くこと数分。とあるお店に到着。なんだか居酒屋っぽい佇まいだが、こういう食事処もあるのだろうと中へ。

「お好きなテーブルにかけて下さい」

通訳さんが促したその先には…

まさかの鍋!

昼から鍋なのか?
予想を遥かに上回るその選択!
さすが韓国…一筋縄では行かないな。

という訳で昼からキムチチゲにラーメンを入れてがっつりと食事。
ノンアルコールなのが不思議なくらいの状況だ。
現地スタッフさんは鍋が煮えるや否や怒涛の勢いで食事を始める。

熱さと辛さと戦いながらなんとか食らいつく日本人一同。もはや戦いの火蓋は切って落とされたのだ。

30分とたたずして、現地スタッフさんが席を立つ。鍋の中は当然空だ。
まるで吉野家で牛丼でも食べたかのようなそのスマートさにおののく日本人たち。

残すのは申し訳ないと必死に食すもタイムアウト。しかし退店前に目の前の韓国海苔だけはしっかりキープ。キムチの後の韓国海苔は心底魅力的だ。



なんだか仕込み中とは思えない食事を終え、劇場に戻る一同。明後日にはここで劇団初の海外公演の幕が上がる。

期待と不安の入り混じる中、夜は更けていった。

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