理想の演技とは②~演技の歴史~ | 「理想の俳優」に本当になる。

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演劇で自己実現。演劇集合体マキニウム代表、演技トレーナー槙文彦によるブログです。

こんばんは。

 

今日から、演技の歴史について書いていきます。

 

僕らが現代に目指すべき演技を考える時、

歴史を参考にすることがとても有効だからです。

 

 

演技の歴史と言っても、

映像に残っているのは

せいぜいこの100年のものですし、

 

後で書きますが演技理論が始まったのは

今から約100年くらい前ですので、

 

演技の歴史は

だいたいこの100年の歴史、ということになります。

 

 

しかしその100年のことを考える前に、

その前の2500年くらいの演劇を書いていきたいと思います。

 

 

*****

 

 

「世界最古の演劇」がいつ始まったか、

みなさんはご存じでしょうか?

 

日本の「能」が始まった時、

と考える方もいるかもしれません。

 

ギリシャ劇が始まった時、

と考える方もいるかもしれません。

 

実は広い意味での

「世界最古の演劇」は、

いつ始まったかは定かではありません。

 

 

というのも、「演劇」という言葉は

広い意味では

 

実は「ダンス」や「楽器演奏」

それからお祭りでの「獅子舞」

なども含まれます。

 

日本で言うと弥生時代や縄文時代、

世界で言うと石器時代、

 

「呪術の儀式」として行われた

踊りなども、

 

広い意味での「演劇」に含まれるのです。

 

ですから「世界最古の演劇」は、

いつの時代のどこで起こったか、

それはまったく知るすべがありません。

 

 

では、僕らが普段「演劇」として使っている、

“狭い意味”での演劇、

 

つまり

「舞台で言葉を交わし、物語を演じる」

という演劇は、

 

どこで始まったかご存じでしょうか?

 

 

「ギリシャ劇」という言葉は、

多くの方が耳にしたことがあると思います。

 

古代ギリシャ劇は、

はっきりと文献などに残っている

 

“狭い意味”での

世界最古の演劇と言われています。

 

 

紀元前、500年くらいのことです。

 

 

ですから今から2500年くらい前、

といったところです。

 

聖徳太子が生まれるはるか昔、

卑弥呼よりももっとずっと昔に、

 

ヨーロッパでは

「物語を舞台で俳優が言葉を交わして演じる」

演劇が行われていたのでした。

 

そして

ギリシャ劇の脚本は今でも残っていて、

日本語にも翻訳されて

現代日本でもちょくちょく上演されているのです。

 

 

時代は下り。

 

 

この後、演劇は

暗黒の時代を迎えます。

 

世界はこの後、

キリスト教全盛の時代を迎えます。

 

演劇は弾圧の対象だったり、

キリスト教を広めるためのものになりました。

 

 

演劇が再び力を取り戻すのは、

宗教改革によって価値観が変わっていった後

ルネサンスの頃、

1500年代後半以降でした。

 

 

キリスト教を悪く言うつもりはありませんが、

1500年もの間、

演劇は力を失っていた。

 

思想が一つになること、

それは演劇という表現分野には

強いマイナスの影響があるようです。

 

 

 

そしてこのルネサンス期に、

おそらく誰もが名前は知っている

シェイクスピアが登場したのでした。

 

今日はここまでにしたいと思います。

「演技の歴史」にまでたどり着けませんでした、、、

 

 

次回は、

世界で初めて演技理論を体系的にまとめた

スタニスラフスキー、そしてそのメソッド、

 

そしてその影響を受けた

日本の演劇について書きたいと思います。

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。