理想の演技とは① | 「理想の俳優」に本当になる。

「理想の俳優」に本当になる。

演劇で自己実現。演劇集合体マキニウム代表、演技トレーナー槙文彦によるブログです。

こんにちは。

 

今日から、「理想の演技」について

書いていきたいと思います。

 

 

さて。実はこの

 

「理想の演技」とは何か??

 

という問いの答えが、演劇の世界では

とても難しいし、はっきりしていません。

 

 

例えば陸上の「100m」の競技なら、

 

「100mを最も早い時間で駆け抜けた選手」が

 

「優れた選手」「理想の選手」ということになります。

 

 

フィギュアスケートなら、

「最も美しく滑った選手」

 

ということなのでしょうか。

 

 

フィギュアスケートは、

基準が曖昧だなどと批判されることもあるようですが、

 

やはり「美しい」という、

「ざっくりした目標」では

疑う余地がないのではないでしょうか。

 

 

 

これが演劇では、

とてもあいまいです。

 

 

演劇の世界では、

「ざっくりした目標」すら、

この世界の共通した認識というものが

ないのが現状です。

 

 

だから「俳優志望」の人たちは、

 

「目標のはっきりしない世界」で

指導者の言うことに耳を傾けている、

というのが

 

この演技の世界の実情なんだと思います。

 

 

俳優養成所などの多くは、

ウン十万円という入所金で、

1回数千円~数万円というレッスン料を

支払わせていますが、

 

 

実はこの

 

「理想の俳優」とはどんな俳優か??

 

という問いに対する答えを

はっきりと持っている指導者は

 

ほとんどいないのではないかと思います。

 

 

実際僕は、養成所等で

演技の勉強をしてきた俳優さんに

 

「理想の俳優」をどう学んだか訪ねたところ、

それを学んできたという俳優さんは

 

ほとんど見たことがありません。

 

 

 

つまり、今の演技教育は、

 

「目指す場所」をはっきりせずに、

「演技の方法」を教えている。

 

多くの場所でこれが現状なんだと思います。

 

 

それは、たとえば

 

陸上部に入部して

どの種目に出場するか決めていない人に

マラソンの走り方の基礎を教えているような。

 

もしくは、

 

スケート靴を履いて、

スピードスケートなのかアイスホッケーなのか

フィギュアスケートなのか

決めていない人に、

フィギュアスケートの滑り方を教えているような。

 

 

どんな俳優を目指すべきか。

「理想の俳優」とはどんな俳優か。

 

その答えを出さずに演技の練習をするというのは、

そんな風に

意味のわからないことになってしまいます。

 

 

繰り返しますが、

それが「演劇界」「演技界」の実情です。

 

 

これには、「演劇の歴史」が強く関わっていると

僕は思っています。

 

 

めまぐるしく変わる演劇の歴史の中で、

 

「理想の俳優」「理想の演技」

というものが、

 

時代によって大きく変わってきたのです。

 

 

次回、その「演劇の歴史」について

書いていきたいと思います。

 

 

今日はなんだか、批判っぽい文章になってしまいました。

 

最後まで読んで頂き、ありがとうございます。