バレンタインにカラスミを渡す女
✅この記事の結論他人を出し抜いたり、過度な戦略は墓穴を掘るだけ。良好な人間関係を築きたいなら、弱みを隠さず、感謝と思いやりを忘れずに。✅出世レースに勝つために……これは私がディレクターをしていた女性誌編集部にいたときの実話なのですが、毎年この季節になると思い出すのはOさんの話。私はフリーランスとして出版社で働いていたので、社内の出世レースとは無関係な存在。なので、年始やバレンタインなど出世を気にする社員たちの意気込みを他人事のように冷めた目で見ていました。トレンドを発信する女性誌で働いていたので、海外の珍しいもの、おしゃれなパッケージ、お取り寄せしたものなどなど、人と被らないようにバラエティに富んだチョコレートを用意した女性社員たちが役員たちに配りに回るのがバレンタインデーの恒例でした。そんな女性社員を見たOさんが一言。「バレンタインにみんなと同じものをあげるなんて!」どうやら彼女には他の社員をリードするような秘策があるようでした。✅あえてカラスミを渡すあざとさ会社役員ともなればたくさんの社員からチョコレートをもらい、そのプレゼントのありがたみは薄くなる。それにどんなに珍しいものをあげたとしても印象に残りにくい……。そう考えたOさんは、あえて逆張りの変化球。みんなは甘いチョコレートだから、塩味のあるものなら印象に残るのではないかと閃いたのが、カラスミという選択!他の社員が可愛いラッピングに包まれたチョコレートを用意する中、自分だけは木箱に入ったカラスミを会社の役員たちに渡して回っていたのです。確かにチョコレートを渡す日に、一人だけカラスミを配ったら確実にインパクトは残せます。何事も勝たないと気が済まないOさんらしい行動です。ですが、そもそもバレンタインデーって何の日だったんでしょうか?✅そもそもは気持ちを伝えるための日バレンタインデーを調べてみると……「バレンタインの歴史は、西暦1207年2月14日、ローマの皇帝クラウディウスが結婚を禁じたのに反抗して殺された、聖人バレンチヌスを祭る日に由来しています。」と書いてありました。愛の尊さを説き皇帝に抵抗したため、2月14日に処刑されてしまったヴァレンチノ司祭の勇気ある行動に敬意を示し、女性から意中の人に好意を伝える日として定着したのです。本来は日々の気持ちや感謝を伝える日に、出世街道にリードを狙うとは……私が役員だったらその重めの戦略はちょっと怖いかもしれません(笑)。実際にカラスミをもらった役員と食事をする機会に聞いてみたことがあるんです。「バレンタインにカラスミをもらってどう思ったんですか?」と。笑っていましたが、「そんな戦略より、もっと仕事を頑張って欲しいよね~」とピシャリ。これ以上の言葉はありませんね。✅良好な人間関係を築くためにはバレンタインのOさんの行動を見ていると、良好な人間関係を築こうとする場合、あざとさや戦略が有効ではないのだということに気づかされます。インパクトはありますが、その裏側の気持ちを考えると素直には喜べませんよね。仲良くなってからも、何か裏があるのではないかと常に勘ぐってしまうからです。私の場合は、自分が人に対して心を開く瞬間は・その人の弱さが見えたとき・素直な反応を見たとき・自分に対して思いやりを感じたときこのようなときが多いように思います。そう考えると、やっぱりバレンタインは本来の目的の通り、感謝や気持ちを伝えるに限るのだと思います。✅この記事のまとめ他人を出し抜いたり、過度な戦略は墓穴を掘るだけ。良好な人間関係を築きたいなら、弱みを隠さず、感謝と思いやりを忘れずに。です。バレンタインに限らず、気持ちが離れる瞬間は、その人の裏側が見えてしまったときが多いように思います。人と競り合うことは大切ですが、過度な戦略や駆け引き、あざとさなどは考え物ですね。考え方も人間関係も極力シンプルでわかりやすい人でありたいと改めて思いました。これからもがんばっていきますのでスキ・コメント・フォローなど頂けますと嬉しいです。今後とも有益な情報発信していきますので応援よろしくお願いたします。わたしの『#自己紹介』記事|西村真紀/選ばれる仕事術フリーランスとして大手出版社をメインに出版プロデューサー、編集、ライター、コラムニストとして活動すること25年間。 今まで多くの女性ファッション誌や書籍を手掛けてきましたが、 働き方に疑問を感じ、2023年7月にすべて手放しました。 それからnoteに出会ったのですが、毎日いろいろな方と出会い、たくさんメッセージや質問をいただくようになり、自分が25年間…note.com