メジャーリーガーの女房 ~ヨメだけが知る田口壮の挑戦、その舞台裏~ (マイコミ新書)/田口 恵美子

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イチローみたいなスーパースターではない(大多数の)、メジャーリーガーの生活を窺うことができる貴重な一冊です。

→ 2010.11.23 マイナビニュース 「田口恵美子が赤裸々新著「公衆の面前で真っ裸になった気持ち」、壮は絶賛!」
TVに出られていたときの面影はあんまり感じられませんけど、おキレイな方ですね。
例によってAmazon内容紹介。
メジャーリーグ挑戦にあたり、
田口夫妻にはある決まりごとがあった。
「こんなはずじゃなかった」
と絶対に言わないこと。
ところが、「こんなはずじゃなかった」ことだらけで、どこから突っ込めばいいのかわからないほど、二人の行く手は険しかった。
夫婦二人三脚、途中からは息子・両親も加わって、家族一丸で駆け抜けた激動の8年間。
悠々自適、豪華絢爛なメジャーの奥様生活なんて夢のまた夢だ。
笑いあり、涙あり、喜びあり、苦い思いあり。ワールドチャンピオンに二度輝いた男「田口壮」を支えたヨメだけが知るメジャーリーグ挑戦秘話が今、明かされる!
何が激動かっていうのは田口壮サンのメジャーリーガーとしてのキャリアを見てみないとよくわかりませんね。
彼はブルーウェーブではイチローと並んで強肩好守の外野手として有名でした。
メジャーではレギュラーになっって、100万ドルプレーヤーだった年もありましたけど、はっきりいって一軍半の選手でした。
ということはマイナーにいる時間も多くて。
ということはチームが変わること=フランチャイズが変わることがしょっちゅうでした。
必要最小限のものを持つようになった。
私は旅する時、荷物がとても少ないのだ。
渡米と同時に始まった流浪の日々。
当初はありとあらゆるものを、いくつものバッグに詰めて移動していた。
しかし、居場所が変わるたびに、「これは使わない」「重たいからいらない」とはじいていった結果、荷物は劇的に少なくなった。
この本の最初に書かれている文章です。
先週末に観た映画「マネーボール」でも同じ光景を目にしましたけど、メジャーでは、解雇、トレード、マイナー落ちは田口クラスの選手にとっては日常的なこと。
だいたい通告されたその日のうちに移動しなきゃ、みたいなイメージ。
選手はタイヘンですけど、家族もタイヘン。
メジャーに昇格する時ならまだしも、マイナー落ちの時はタイヘン。
年棒自体の変更はないにしても、待遇面の変化はかなり激しいようです。
アメリカにいた8年間で、彼ら夫婦は22カ所に住んだそうです。
犬2匹とおこちゃま一人+ちょっとの荷物という田口家の引っ越しはだいたいクルマでの移動。
ダンナたる選手は一足先に飛行機で移動しちゃってますから、運転は奥さん一人。
そうまでして引っ越しするのは、田口選手にゲーム以外はできるだけ自宅でリラックスしてほしいからだそうです。
だから、行かねばならない。
どんな場所にでも、彼のそばにいなければならない。
だそうです。
この本では、メジャーとマイナーの待遇の違いについても、家族から見た目で描かれていて興味深かったです。
一例として挙げられていたのが健康保険。
メジャーではほとんど自己負担の無い最高レベルの保険が保障されるそうです。
「メジャーにいるうちに、悪いところは全部治せ」
と言われるくらいだとか。
マイナーリーグに落ちれば、もちろんこういった待遇はナシだそう。
オリックス球団に帰ってきて2年たちましたけど、田口選手はまたまた解雇されてしまいました。
42歳の彼はこれから来年プレーするチームを探すのだそうです。
逆境にめげない野球選手の夫人の戦いはまだまだ続くみたいですね。
注目して見ていたいと思っています。