この本もそういったテーマで選びました。
内容はタイトルのとおり、幕末に欧米に渡った武士たちの洋食初体験物語です。
気軽に読むことができて、思わず「へぇ」ボタンを押したくなる内容でしたね。
おもしろかったです。
拙者は食えん!―サムライ洋食事始/熊田 忠雄

¥1,575
Amazon.co.jp
Amazonから本の内容についてコピペします。
幕末~明治初期、初めて「洋食」に出会ったサムライたちの苦闘と感動の日々!読み出したら止まらない面白歴史エッセイ。
実はワタクシも海外で食事に苦労するタイプ。
アメリカではなんとかなりましたけど、香辛料系がニガテなので、タイとかバリとかでは短い滞在中でも日に日に痩せて行くばかり(>_<)
ま、痩せる分には
「喜んで!」
なのですが^^;
幸いにもダイビングで訪れたパラオやボルネオでは日本人向け味付けの食事ばかりでしたので問題なく食べることができました。
日頃肉を食いまくっている現代人でもやっぱりダメダメな時があるくらいで、まして今から150年前の日本人では、そのストレスぶりは想像に難くないなと思って読んでいたら、まったくそのとーり。
肉は脂っこくて食べられない。
なにしろバター味はほぼ全滅でダメ。
問題なく食べられたのは果物系くらいというありさまでは、その苦労がしのばれます。
でもフシギなのは酒についてはあまり拒否反応が無かったこと。
シャンパンやビールなんかはがぶ飲みしてます。
この本では、幕末に渡航した使節団の記録や日記を丹念に読み込んで、旅行中のメニューを記録しています。
1860年 咸臨丸による日米修好通商条約批准書交換団(行きは太平洋、帰りはインド洋経由)
1862年 第1回遣欧使節団(竹内使節団・インド洋、カイロ経由)
1864年 遣仏使節団(池田使節団・インド洋、カイロ経由)
1865年 遣仏・英使節団(インド洋、カイロ経由)
1866年 遣露使節団(インド洋、マルセイユ経由)
1867年 パリ万博使節団(インド洋、カイロ経由)
その他幕府各藩が派遣した留学団
最初の頃は米や醤油、味噌に炭まで積みこんで船上で炊飯していました。
ハワイで生魚を刺身にして食べたとかの記述には苦労している様子がよくわかりました。
でもヨーロッパでは、すでに日本人が米や魚を好むことが知られていて、比較的配慮もされていたようです。
ロシアでは、すでに密航していた掛川藩士がいて、かなり日本食に近い食事がサービスされていたようです。
ビックリしたのは、インドネシアで醤油があったという記述を見たことです。
長崎にいたオランダ人が持ってきていたらしいのですが、世界の調味料醤油のパワーを再認識しました。
でも人間はフシギなもので、最初は拒否反応を示していた保守的な武士たちも、ヨーロッパに着くころにはだいたい洋食に慣れてしまっています。
それどころか、訪れた国の食事について、「うまい」とか「まずい」とかいった味付けまでコメントするようになっていたことには驚きました。
ま、せっぱつまってくると、なんでも食べられるようになってしまうのだなーと。
比較人類学の観点から見ても、ナカナカ面白い本でした。
通勤の行き帰りに読むにはピッタリなカンジ。
特にワタクシのような雑学ズキにはたまらない1冊でしたねー(^_^)/