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2011.3.29 TIme Out Tokyo「上杉隆 緊急インタビュー」
震災発生当初から、ツィッターやラジオなどを通して、原発事故について、東京電力の情報公開や政府らの対応について鋭い指摘と警鐘を鳴らしてきた日本人ジャーナリストがいる。
フリージャーナリストの上杉隆だ。
彼は正確な情報の開示要求や独自の取材による情報提供を行うだけでなく、記者クラブ以外に門戸を閉ざした官房長官による記者会見への海外メディアやフリーランス、ネットメディアの参加を交渉するなどの活動も行って来た。

マジメなことを軽妙に説明してくれる彼のことは、以前にも取り上げたことがあります。
2010.7.26 #283 上杉本2冊。
2010.9.13 #341 暴走検察。
今回彼が注目されているのは、東京電力の隠ぺい体質を明らかにした からです。
インタビューからコピペ。
3号炉についての資料が配られたときに、私はプルトニウムについて書かれていなかったので、おかしいなと思い「3号炉でプルトニウムについて検出されていないというのは本当ですか?どのくらいの期間、検出されていないのですか?」と聞いてみました。
東電は「検出されてない」と回答したので、「もしかして検出していないんじゃなくて、測ってないのではないですか?」と確認したところ、うわっとなって、結局、測っていないのでもなくて、そもそも計測機を持っていないということがわかった のです。それがひとつ。
そしてもうひとつは、東電の社長はどこにいったのか?ということですね。
これも「こんなことになっているのに、一体、社長はどこに逃げてるんですか?どこに行ってるんですか?国民の前に顔を出さないといけないのではないですか?」と聞いたところ、「いや、ちゃんとやっています」と言うので「2階(東電のオペレーションルーム)に全然来てないじゃないですか」と言ったら、慌てて、「いや、ちゃんと来ていまして」と言うんです。
しかし、会見が終わった後に、広報から「実は病気で入院してまして」と報告があった。
つまり、会見では嘘をついていたんですよね。
前々から入院という噂は出ていましたが、実は過労で休んでいた。今度は、それを入院と偽っているという。全部、ウソ。これらが象徴的ですね。
これらはメディアで報道されましたけど、いずれも彼が記者会見で初めて質問したことです。
2011.3.29 朝日新聞 「土壌から微量プルトニウム 福島第一原発敷地 東電発表」
2011.3.28 朝日新聞 「東電社長、一時対策本部を離れる 「過労」すでに復帰」
それまでもずっと会見は開かれていたのですけど、初めのうちはフリーである彼は出席できませんでした。
でも大手メディアはこんな大事なことをひとつも質問していなかった のですね。
このことが上杉サンによって明らかになりました。
ジブンたちで質問しないで、フリージャーナリストが質問したことを伝えるメディアって...(>_<)
おかげで、
「電力会社は大口スポンサーだから東京電力について批判ができない」
といった噂まで流れる始末。
でもこんなことも聞けない(聞かない)んじゃ、ひょっとしてそうかも?
とか思ってしまいます。
今日のblogタイトルの「ダチョウの平和」って、上杉サンのインタビューに出てくる言葉です。
安全なんだと信じたいんですよね、日本人は。
ただ見たくない。
これでは「砂の中に頭を入れるダチョウ」と一緒です。
(ダチョウは身の危険が迫ると砂の中に頭を突っ込んで一時的にその危険が見えない状況にする事で安心する習性をもつ。
「ダチョウの平和」ともいう)
そういうやり方で、危機回避をしているのが、政府、メディア、それから東京電力。
でも危機的状況が明らかになって来て、頭をいよいよ出してみたけど、もうこれは、まずいよ、まずいよ。となっているのが現状でしょう。
ホントは、ダチョウは砂の中にアタマを突っ込むよりも前に、走って逃げるそうですけど^^;
たびたびこのblogでエラソーに書いていることですけど、
我々自身が、情報リテラシーを身に付ける必要がある時代なんだなーと思った一件でした。
福島原発事故では、文字通り情報があふれていますよね。
ワタクシも、正直言って、今までは不吉な情報はできるだけ避けてきました。
でも、もう「ダチョウの平和」はやめます。
どこまでできるかわかりませんけど、
なんとかジブンで正しい情報を判断できるようにしていきたいと思っています。
Twitterをやり始めてから、彼らフリージャーナリストが今までと違った目線でコメントしているのを見ています。
そうすると、大手メディアのおかしなビヘイビアが見えてきます。
今回のことなんかいい例ですね。
上杉サンはメディアが触れてほしくない(と思われる)ことも、メディアに出てズケズケと指摘しています。
その結果最近では地上波TV局からはほとんど締め出し状態。
ラジオで彼のコメントを聴くことができます。
2011.3.29 TBSラジオ キラキラ Podcast
でも。
上杉サンのコメントをTBSで聴けたのも、この週が最後になってしまいました。
今週、ここ数年ずっとレギュラーで出ていたTBSラジオの人気番組、「キラキラ」から、下ろされちゃったのです。
発端は去年の6月に、民主党の国会議員についてコメントしたことでした。
コメントしてからずいぶん経ってから、その議員サイドからTBSに抗議があり、
TBSは誤報としてその抗議を受け入れたというデキゴトがありました。
結果として、この3月で契約満了ということで降板。
パーソナリティの小島慶子サンは、一連のTBSのやり方にめちゃめちゃ怒って。
誤報だというなら、放送上で明らかにすべきなのに、それもしないですぐ謝っちゃって、あげくに、コメントしたジャーナリストを番組から下ろすなんて。
という怒りでした。
上杉サンご本人は抑えめに話していましたけど、途中から彼女はもう暴走機関車状態になっていました。
なにせ、2月の時点では、4月以降も上杉サンが続投することが決まっていたにもかかわらず、3月になって突然降板が決まったことを生放送中に言ってしまったくらい

彼女、元TBSアナウンサーなのに。
あとでこの放送をPodcastで聴いたのですけど、聴いているコチラがハラハラするほどでした。
とてもお昼のAMラジオ番組とは思えない迫力の15分でした。
上杉サンの今回の東電の隠ぺいについてのコメント、小島サン、それにレギュラーの神足裕司サンのお怒りのご様子については、上のlinkをクリックして聴いてみてください。
必聴ですよ。
あ、4/4までしか聴くことができませんけど。