ギリシア語でカゲロウのことです。
カゲロウといえばヒトによって思いだされるものが違うと思います。
古典に詳しい方なら蜻蛉日記でしょうか。
蜻蛉日記 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)/著者不明

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釣りが趣味の方ならフライフィッシングのときの疑似餌とか、渓流釣りの餌とかでしょうか。
ワタクシは古典の教養もないし釣りも趣味ではないツマンナイオトコなので^^;、思い出したのはこんなムカシの歌でした

あら恥ずかし

取り上げたいカゲロウはもちろんトンボの仲間のコイツです。

今朝の日経朝刊「うたの動物記」という小さなコラムに歌人の小池光サンとゆー方がカゲロウについて書かれていた小文を読んだのです。

この方は東北大学理学部を出て高校の理科系の元先生という経歴のくせに(失礼)歌人になってるとゆー、変わったキャリアの持ち主です。
だから、カゲロウを題材にしたコラムを書くことができるのでしょうね。
目についたのはカゲロウの一生でした。
ワタクシは昆虫についての知識もかなり薄いのでまったく知りませんでしたけど、カゲロウは羽が生えて成虫になってからの寿命が1日から2日しかないそうなのです。
おまけに口もなければ消化器官も退化しちゃって役に立ちません。
死ぬまでの間、飲まず食わずで飛ぶのです。
目的はひとつ、生殖です。
出逢いが少ない水中よりも、自由に飛びまわれるほうが出逢うチャンスが多い。
それに祖先以来受け継いできたトンボとしてのプライドもあるのかもしれません。
ワタクシはダイビングを始めてから、海の生物の生態については少しだけ見聞きしてきました。
そこでわかったことは、 「生物の生活には全くムダがない」 ことでした。
食べること、食べられないで生き延びること、そして子孫を残すこと。
彼らの一生の目的はこれに尽きているようです。
カゲロウはそういった生きることの目的を究極までシンプルにした生き物なのでしょう。
にしても、飲まず食わずにDNAを伝えるためだけに大人になって水中から飛び立つなんて。
筆者も書いていましたけど、
「壮絶無比」
という言葉がピッタリです。
学名の"Ephemera"は「その日一日」という意味だそうですけど、古代ギリシア人もおんなじようなことを感じていたのかもしれません。
カゲロウを漢字で書くと、「蜉蝣」ですね。ムカシは「蜻蛉」だったそうですけど、いずれにしても空気が揺らめいてぼんやりと見える「陽炎(かげろう)」から転じたもののようです。
いずれにしてもはかないカンジが伝わってくるようです。
...。
ここまで書いてきて、なんでカゲロウなんかに

ジブンの不安定ないまの境遇か、それとも子孫を残そうとしていないジブンの動物としての不適性さなのか、
それとも。
秋だからかな~。