客車急行の旅を今でも普通に楽しめる1067mm天国 | 美軌模型店の待合室

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一緒に工作を楽しみましょう!(^^)/

皆様こんにちは。
毎度おなじみ美軌模型店です。

あっ・・タイトルを考えてて気付いてしまった!

大井川鐵道の話に見えますよね!

あそこの14系500番台にも永遠に頑張ってほしい!

来年がすごく楽しみです!

 

と、そういう話ではありませんで(笑)

のしのしと、ゆっくり入線してくる

電気機関車に牽かれた客車の長大編成が

高雄駅に入線してきました。

この客車列車は日本に絡んでいません。

機関車はアメリカ製、客車が台湾製です。

もっとも、客車のベースは当初日本製だったはずなので

今のものは「移民3世」的でしょうかね(笑)

 

台湾の在来線、国鉄にあたる「台鐵」には

優等列車が3種類あり

「自強号」が特急列車にあたります。

そのうち「プユマ号」「タロコ号」が、まあ特別な存在で、

九州の885系の色違いみたいな車両に

見覚えのある方も少なくないのではないでしょうか?

 

次に、少し停車駅の多い「莒光号」が急行にあたります。

そして、準急にあたる「復興号」もありますが、

こちらは現在定期列車としての運行はあるのかどうか、

まあ、実質ほぼ役割を終えているような印象です。

駅の券売機には今でもボタンが健在なんですけどね。

 

さて、今回乗りましたのはその「莒光号」です。

こちらは電化区間、非電化区間に関係なく

この特徴的なクリーム+オレンジのツートンカラーの

客車列車で運行されています。

 

そして何が素晴らしいって

シートピッチが広く、快適な車内!

かつての特ロより広いのではないかな?

それはさすがに乗ったことはありませんが(^^)

単純比較は出来ませんが

心地よいジョイント音と静かな車内、

機関車牽引ならではの、ゆっくりとした加減速は

14系に乗っている感触そのものなんです(*^^*)

 

軌間1067mmの在来線。

車両の規格もほぼ同じか、全く同じ。

すると、乗り物の乗り味というのは、

自然と似るものなんですよね。

あ、ちなみにそれを申しますと、

100kmでカッ飛ばす特急列車も極めて快適です。

保線の状態も日本と変わらず素晴らしいものと思われます。

 

この旅の目的地は、1時間ほど先の台南です。

ここが私の旅レポの悪いところ、

すっかり快適で寝てしまったので

車窓の風景とか一切ありません(笑)

ほどなく台南に列車が到着しました。

 

幌こそゴムチューブを当てる方式ですが

この車体断面形状と、開いてしまう貫通扉、

旧型客車を踏襲したかのようなテールライトなど

客車としての風情バッチリなんです。

 

形式は、たぶん35FPK10500

台湾の客貨車の車両形式は

何回見ても覚えられません(^^;

まあ、模型を作るとか、特定編成を組みたいとか、

そういうキッカケがあれば把握できるんでしょうね。

日本の客車だって、かなり複雑ですもんね。

 

平日の午後にもかかわらず、乗客は多く賑やかです。

ホームの端に「台南 2」とあるのは

2号車の乗車位置を示すもので、番線ではありません。

なお、島式ホームの場合は「1A」「1B」のように

ホームに番号が割り振られ、その両側がA/Bと表記されます。

国鉄ムード漂う台南駅の1番線。

床面は再舗装されているんでしょうけど

ホーム屋根はもう日本のどこにでも見られるものです。

 

それもそのはず、

ここ台南駅は戦前の日本時代から脈々と使われている

歴史ある鉄道施設なのです。

車と道路標識をフォトショップで消して

モノクロ変換したら、そのまんま昔の姿を再現できそう(^^)

 

駅舎内も基本的には元のままなんですが

今どきの電光掲示の案内板やら、自動券売機やら

コンビニ等の物販店もあったりして

充分に現代に溶け込んでいます。

 

11月ながら、この日の台湾南部の気温は29度。

(新潟との気温差20~25度で往復ともグッタリ。笑)

しかし、駅本屋の中は不思議なほど涼しい!

空調がまだ無かった1900年頃の叡智でしょうか。

暑がりの私も快適に休ませてもらいました。

 

かつて上に見える2階部分には

ホテルやレストランがあったのだそうな。

かつて戦前は海軍の航空隊もあり、多くの日本人も住み

台南は台湾の中心のひとつでした。

ステーションホテルも賑わっていたのでしょうね。

そんな台南駅も、地下化工事が進められ

周辺の建物は既に解体が始まっているようでした。

この由緒ある台南駅舎は保存され、

宿泊施設として活用される見込みではありますが

日本時代を強く窺わせる賑やかな地上駅は

近年中に見られなくなってしまいそうです。

 

それでも、駅舎を何とか残したいと考えるのは

古いものを大切にする台湾人らしくて嬉しいですね(^^)

 

ちなみに、この台南駅のある西部幹線は

思いっきり新幹線の並行在来線です。

新幹線も、高い乗車率で多くの人を運び

在来線も優等列車がガンガン走り、

これまた多勢の乗客が気楽に利用しています。

 

運賃がそれぞれ新幹線、特急、急行、普通と

ハッキリとランク分けされており

(新幹線と在来線特急の料金差が明確なのが

成功の決め手だと個人的には考えます)

 

つまり、その時の急ぎ具合によって

好きなだけ「時間を買える」のが非常に便利です。

これは、日本でも是非検討してほしいんです。

 

日本と台湾の最大の環境の違いが

在来線と新幹線が別会社であるという点でしょうか。

だから、新幹線が出来たからといって

在来線もスゴスゴと引き下がるわけにもいかない。

結果、乗客にとって便利な鉄道システムが

ひとつ増えただけで、何も減らない。

 

色々な意味で、

日本は確かに技術的に進んでいると思います。

台湾でも、そう思ってくださっている部分が多々あります。

でも、台湾で列車に乗って、街中をウロウロするだけで

日本よりはるかに素晴らしいと思うことは無数にあります。

 

まあ、それを書き出すと

比較文化研究のブラックホールに吸い込まれますので

ここでは書かないことにしますが(笑)

 

少なくとも、鉄道に関しては

日本が忘れてしまったもの、捨ててしまったものが

ごく普通に存在するんです。

乗り鉄が趣味で、知らない土地を見るのが楽しい、

とおっしゃる方は、

ぜひ台湾の鉄道の旅に行かれては如何でしょうか?

きっと十人十色、感じるものがあるはずです^^

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