おはようございます。
今日は私の実家からブログを更新しました。
毎年お盆は郷里へ。
17年前に他界した父のお墓参りと、
93歳で現役の歌人として活躍している
母との時間を作るためです。
私の母。写真は2012年6月26日、実家の近くで撮影。
いつも、郷里の母の事を想っても
なかなか帰郷が実現ができませんが・・・
今年のお盆は母との時間を満喫でき、
幸せな時間を過ごしています。
他界した父は囲碁棋士でした。
関西棋院に所属して、
厳しい囲碁の世界で生きた勝負師でした。
その父を支えつつ歌人として生きてきた母。
その父の思い出話しを一気に語る母の姿は、
16年の時間が止まっているかのようです。
記憶も鮮明で、私も暫く父の思い出にタイムスリップしたほど。
懐かしさで心がほっこりでした。
昨日は地元の夏祭り。
雨で中止かと思っていると、
遠くでボーンボーン
いつもは、近くまで母と一緒に観に行きますが、
今年は雨も降る悪天候。
実家の近くの駅のホームで観ることに。
母も大好きな花火を観ることにができ、
「今年も元気で観れたたことに感謝です」
と本当に嬉しそうな表情でした
今年の夏も実家の空気や風に触れ、
夏祭り気分を十分味わえました。
母は「青春、新婚と、人生でもっとも華やかであるべき時代を戦争の渦中に埋没し、爆撃、敗戦の極限状況下を無一文で生き抜いてきた」人です。
人の命は天明と聞きますが、
他界した父の想い出をとても大切に
「生きるエネルギー」としている歌人の母に
私もスイングコーチや野球トレーナーとして
生きる今の熱い気持ちを語りました。
藤木千恵子歌集 『石の音』 より抜粋
(昭和62年6月・短歌新聞社発行)
生命なき石と思うにふれ合えば互いにやさしき音をだしぬ
子ら継がぬ囲碁棋士が夜をひとり盤に向かえる背後(うしろ)ゆるがず
背合わせに眠ればあわれ勝負師の明日へ賭けたる鼓動が伝ふ
その棋才謳はるる若き海峰と対戦するとふ夫の発ちたり
勝負師の負いゆく業か打ち勝たむ鋭心(とごころ)おのれのを磨滅しゆかむ
暁ときを隣る部屋よりひびきくる盤に打ちおろす一瞬の音
手合ひ場のきびしき夫の貌顕ちて眠れぬ夜の灯を消しに起つ
かえりくるその足音によろこびも痛みもすでにわれに伝はる
勝負師の父の負けしその痛み負ひゐる如く子らのひそまる
黙(もだ)深く煙草の灰のぎりぎりに保てり夫よ何を思える
在り経つつ触れ得ぬ痛みとも片減る夫の靴を磨きぬ
勝負師の業ひ長き哀しみにときに乱るることもうべなふ