
■石岡■
国府のまちかど情報センターでは、毎年行われる「いしおか雛めぐり」の開催に合わせて、雛人形を展示して、歴史絵巻の情景を再現している。
雛人形は、全て寄贈されたものばかりで、 先祖代々引き継がれたものや、戦時中米や野菜と引き換えに受けとったものもあり、江戸時代から明治初期に作られた古い雛人形などもある。なかには、当時の婚礼衣装の打掛や髪飾りも一緒に入っていたものなどもあったという。
又、東日本大震災で蔵が壊れたり、引っ越しなどで、やむなく手放すことになり、まちおこしの活性化に役立ててください、どうぞもらってくださいと寄贈されたものもある。
そんな雛人形を利用して、常陸国にゆかりのある風土記に描かれた昔話、浦島太郎の竜宮城伝説をもとに作られた。市内の龍神山から龍が舞い降り、筑波山を背景にして、常世の国と謳われた1300年前の常陸の国、国府の都を再現したという。
時は春
常世の国と謳われた
筑波の峰に雲なびき
管弦の響きはこだまする
今宵は千年に一度の
鶴と亀の祝言の日
浦島太郎の話には続きがあったという。真っ白い髪の老人になった浦島太郎は、白髪の鶴と化し、大空に舞い上がる。それを待ちわびていたのは、亀の姿になって太郎を案内した海の女神乙姫でした。
万年を旅する亀は、千年を生きる鶴の命を男に与え、晴れて夫婦になる。神様と人間の道ならぬ恋…
壮大なストーリーを雛人形に託し、息を吹き込んだ。そんな展示物を観に来た来場者のなかには、80~90歳の高齢の女性が古い雛人形を見て、自分の雛人形と重ね合わせて昔の事を思い出し、とても懐かしいとほころんだ。
また、家で雛人形を買えない、狭くて飾れないといった初節句を迎える女の子がいる家庭もあり、ここに来て雛人形を背景にして写真撮影したり、遊んだりして帰るという。そんな女の子の笑顔が見れるのがなによりも嬉しいと語る事務局スタッフの門向啓子さんは、「目指しているのは、一つの家族と思って開催しています。年に一回家族を出してみんなに喜んでもらえたらなによりです。せっかく寄贈されても展示スペースもなくなっていますが、近隣の商店街のみなさんに協力してもらい、店先に展示してもらってます。今年で11回になりますが、たくさんの人に観に来ていただきました」と話していた。

江戸時代の雛人形


