曽根圭介『鼻』 | たまには跳ばずに観るFOOTBALL

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秋田出身の埼玉住み。
読んだ本の感想やランニングの記録、競馬観戦、国内散策や
日々の出来事などを、とりとめもなくチラシの裏にウダウダ
と書いています。
ブログタイトルは遠い昔よくサッカーを飛び跳ねながら
観ていた名残り。


鼻 (角川ホラー文庫)/角川書店
¥620
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これまた図書館本。3つの短編が収録さている。
挿画のイメージが、どうしてもカイジさん思い出させて仕方がない。

初読の著者かと思いきや、『熱帯夜』で一度読んでました。
グロってよりは、「人間の狂気」の怖さを描くのが得意そう。

人間に株価がつけられる「暴落」は、蛆の奇妙な何とかという番組でありがちな分かりやすーい話。
「受難」は、なぜか手錠に繋がれて誰も助けてくれない男を巡るシュールな話。
この2つは可もなく不可もなく。

角川ホラー大賞短編賞の表題作は、叙述トリックを使った作品。
テングとブタに2分された差別的な社会が舞台(?)。

分かりづらい部分や未回収の伏線もあるものの、とりあえず破綻はしてない。
面白いかといわれれば個人的には微妙だが、良くできているとは思った。
テングとブタの意味が分かってくる後半はちっと恐ろしい。