『ストーリーセラー』 | たまには跳ばずに観るFOOTBALL

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秋田出身の埼玉住み。
読んだ本の感想やランニングの記録、競馬観戦、国内散策や
日々の出来事などを、とりとめもなくチラシの裏にウダウダ
と書いています。
ブログタイトルは遠い昔よくサッカーを飛び跳ねながら
観ていた名残り。

Story Seller (新潮文庫)/著者不明
¥860
Amazon.co.jp

7名の作家による読み切りを集めた中篇。

有川浩と佐藤友哉、本多孝好は初めて読みました(たぶん)。


「長編並みの読み応え」というフレーズには偽りなし。

買って損のない一冊です。以下、各作品の簡単な感想を。


伊坂幸太郎「首折り男の周辺」

3つのストーリーが並行して展開し、最後にまとまる著者らしい作品。

相変わらず読ませるが、期待が大きいだけに中途半端な印象も。


近藤史恵「プロトンの中の孤独」

自転車レースを描いた名作『サクリファイス』のサイドストーリー。

孤高のエース石尾の若手時代が明らかに。両方読むと間違いなく面白い。

エース久米と石尾の確執は、帝王イノーと若きレモンの関係を思い起こさせます。


有川浩「ストーリー・セラー」

「考えると死が早まる」という難病を患った女性作家とその夫のラブストーリー。

先日も書いたけど、これほど泣かせるフィクションに出合ったのは久しぶり。おススメです。

ちなみに前に泣けたのは、日韓ワールドカップのトマソンの手話の話ね。


米澤穂信「玉野五十鈴の誉れ」

箱入りお嬢様と使用人を描いた物語。読ませるが、相変わらず救いのない話

あと、時代設定がよくわからない。俺らの知らない箱入り世界の話なのかなぁ??


佐藤友哉「333のテッペン」

東京タワーの塔頂部で起きた連続殺人事件を扱った話。

うーむ、イマイチ面白くなかった。


道尾秀介「光の箱」

傑作の呼び声高い『向日葵の咲かない夏』がイマイチだった自分。

これも所謂「いい話」なんだが、やはり肌に合わなかった。この著者、俺には向いてないかも。


本多孝好「ここじゃない場所」

テレポーテーション能力を持つ(?)同級生に興味を持つ女子高生が主人公。

これもなんか平板な話というか、とりあえず主人公がアホすぎて… 俺には合わん。