格闘技マンガは腐るほどあるが、格闘技小説というのは少ない。
この餓狼伝はその数少ないうちの一つだ。
なにが好きかというと武道としての空手道がしっかりと描かれている点。
大山倍達をモデルとした空手家はベタキャラだが、北辰館空手はかなり深く書き込まれている。
古きよき時代のプロレスラーの描き方も巧い。
この小説では主人公はむしろ陰に隠れてしまっている。
別に悪いことではない。事実ほとんど出てこない巻もあるが、面白い。
で、ようやく読めた12巻と13巻。双葉文庫、手に入れにくいぞゴルァ!
堤城平という空手家が再登場するのだが、個人的に彼のキャラが凄く好き。
まさに武道家の佇まい。
現実の空手では数見肇以来、そういう選手をあまり見ないのが寂しい。
キックの選手ではあるが一番近いのは武田幸三か。
立ち技で全格闘技を制圧するという理想から言えばミルコなのだが。
あ、マンガ版の奴は別ものですので・・・