【論評】スマート農業、データAI圧縮、AIクルーザー、接触センサなど | 是徒然也

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LifeをHackするためのKnow-Howを共有するブログです。

今回は今日までのニュースで気になるネタについて
いろいろと考えたり感じたりしたことを纏めてみたい。
 

とはいえ、基本はTECH系のニュースからネタを貰うので
個人の意見として読んで貰えるとうれしい。
 

職業柄、こうした分野の時事には常にアンテナを張り、
自分の感度を上げることで今とこれからの自分にとって、
何が価値に繋がるか・高めるかを日々注意している。
 

そうするからこそ、モノの見方(角度、面、軸、連続or分散など)
を磨けるというメリットが大きいので周囲には奨めている。
特に自分が日夜関わっている分野以外への好奇心を
常に高めていたいのでTECH以外のニュースにも注意を払う。
 

しかし科学技術はもはや秒進分歩であるし、
人類の未来の可能性を切り開いてきた歴史という観点からも、
最も関心度の高い分野であることは否めない。

というわけで、今日は建前が長くなったが本題へ入っていこう。

今日のお題は以下の4点。どれから読んでもらって構わないので
お時間の許す限り、お付き合い願いたい。

1. クボタ、NVIDIAのエンドツーエンドAIプラットフォームを活用し農業スマート化を加速


KUBOTA(クボタ)という社名からどのようなイメージを抱くだろう?

私の場合は農工機を開発・販売している、堅実で保守的な大メーカーというイメージだ。

対照的に近年、リモート制御技術や工業デザイン性を押し出しているのがYANMAR

私が尊敬の念を抱くKEN OKUYAMAこと工業デザイナーの奥山清行氏が社外取締役で
プロダクトプロデューサー的な立ち位置で設計から監修まで行うことで先進性・尖鋭性を
強烈に国内外へアピールしているYANMAR
とは真逆のイメージなのがKUBOTAだ。
 

正直、KUBOTAというメーカーから積極的にテック活動をPRする情報を目にする機会は
これまでは少なかったし、新製品のCMなども保守的だった。
 

そんなKUBOTAが、NVIDIAのAIプラットフォームを活用、とくれば興味をそそられる。

そこで早速、「スマート農業  KUBOTA」でググって出てきた記事に目を通してみたところ、
どうやらKUBOTAは今から6年前の2014年からすでにKubotaSmart Agri System(KSAS)
と呼ぶスマート農業ソリューションを発表していたそうだ。

詳しくはKUBOTAのコミュニケーションマガジンを参照願いたい。

さて、その内容をポイントに絞って以下に纏めてみた。

  1. 背景に5ha以上の集積農家の割合が全体の58%→80%(23年)に増加の見込みあり。
  2. 農家の大幅な人口減少と高齢化の進展で自動化が最重要課題に。
  3. 田植え~収穫をセンサで各種データを計測し、食味の分析とノウハウを見える化へ。
  4. 安価なDGPSと独自技術によって高精度のオートステアリング制御を農工機へ搭載。
  5. 2020年より有人監視下で遠隔自動化を開始、農薬散布を含む完全自動化を目指す。

以上をざっと目を通してピックアップしたが、どうやらKUBOTAは欧州市場(仏、独、蘭)で、
傘下のインプルメント専業メーカーであるクバンランドグループとの協業で畑作市場シェア
の拡大を目論んでいるそうだ。(インプルメントはトラクタへ装着する農工具のこと。)

世界的な食糧不足への対応を、日本国内で培ってきた技術による課題解決ソリューション
を提案・展開する方向で業態を単なる農工機(や建設機械)開発メーカーから脱却を図ろうと
する大胆な経営政策は、寧ろYANMARの方がはっきりと後発だという印象を受けた。
 

また、国内には3大メーカーとして他にもISEKI(イセキ)があり、同様なソリューションを展開。
ISEKIアグリサポートと呼ぶものを2014年から開始している。
こちらは主に農工機の作業実績や燃費などの機器管理が主だった内容のようだが、
以下の参照記事のようにどこも大規模化&少子高齢化による新たなビジネスチャンスの
掘り起こしと拡大化に熱心のようだ。
[参照記事]
ITによる営農支援 ~農機メーカー技術の最前線~ を聴きに行ってきました
 

2. NVIDIA、ビデオ会議のデータ量を激減する「AI圧縮」技術を発表


次の話題は「AI圧縮」と呼ぶ顔映像に関する転送データ低減技術で、
これは私の日常的なビジネスシーンで頻繁に発生するWeb会議が対象だ。
これをビフォーアフター形式で次のように端的に説明できる。

[Before] カメラで撮影した画像をそのままフレーム単位で送受信
  [After] 1ショットだけ撮影した画像と表情の動作点だけを送受信

すなわち1ショットだけ顔の画像を送信し、その後は顔の表情の動きを表す、
数値化した変形情報だけを送受信するのだ。


このようにやり取りする情報を必要最低限に抑えることでデータを軽量化
するのだそうだ。なるほどこれなら10分の1まで減らせるわけだ。

ただ、これはCG技術と同じく個人の表情の変化を分析する精度によって
自然・不自然になるので、そこは深層学習でパターン分析する。

 

実は同様の技術を富士通も開発している。メディア毎に特徴点を抽出し、
データによって圧縮率を可変させるそうだ。
[参考記事]
AI認識に必要最小限まで映像データを圧縮する新技術


AIの進化により、こうした模倣化技術が大きな価値を持つようになったのだ。

そして、このような技術は個人のプライバシーに直接的に関わるものでもある。
所謂、「なりすまし」詐欺を助長させ得るリスクを潜在的に抱えており、
EUのGDPR(General Data Protection Regulation)をはじめとする個人情報の
保護規制の対象となる。

 

顔面の動きを捉える特徴点をデータ化するが、これも個人の特徴そのもの。
このデータの売買などといった、取り扱い方法を誤れば訴訟リスクも高まり、
高額な賠償金を求められる事態に発展する可能性も考えられる。

 

指紋認証や虹彩認証なども同様に、利便性を高める技術の多くは個人情報
を利用するため、こうした情報漏洩・無断使用リスクと隣り合わせなのだ。
今回のTECH記事においても改めて認識し直した好い機会だった。

3. Marine Xが2023年の自律航行を目指すAIクルーザー「X40 Concept」を発表


スタートアップのMarine X社が公開した、
AI採用の安全航行システム「ポラリス」を搭載するマリンクルーザー。
船体デザインはロボットクリエイターの高橋智隆氏によるものだそうだ。


彼は株式会社ロボ・ガレージ代表取締役社長であり、
大阪電気通信大学総合情報学部客員教授の肩書を持つが、
メディアへの露出も多いので、ご存じの方も多いだろう。

 

高橋智隆氏は長年のクルーザーオーナーでもあるそうで、
今回のデザイン協力もオーナー目線で行ったとか。
本機は都市部に流入した航路を航行することも主眼に置いており、
低い橋梁直下も安全に通過可能な「クーペ」スタイルを取り入れたと謳う。

 

AI航行システム「ポラリス」は、
近年の自動車で普及する予防安全機能と同等のセンシング技術で、
船体の周辺監視を人間に代わって行う機能を有するそうで、
2023年には自動航行を目指しており、段階的なアップデートが施される予定だとか。


現時点でも船体位置を保持したり、揺れを抑えるといった自動制御技術を備える。

個人的にはまず、自動車ほど互いに密接して移動するシーンは皆無といえる
マリンクルーザーに船体周辺監視を採用したという点がユニークだと感じられた。


これも都市部に近づくにつれて狭くなる航路幅でも安全に航行することを考慮し、
都市―港湾間を自動航行することを目指してのことだと考えられる。

「ポラリス」がいわゆるコンシェルジュとなって、オーナーの海上移動を快適にする ―――
というコンセプトがぴったりなアーバンオーナー垂涎のクルーザーとなりそうだ。
 

4. 大日本印刷が傷みやすい果物のピッキングロボット向けに伸縮自在な接触センサーユニットを開発


今回も、大日本印刷の印刷技術が光る内容であった。
このブログで7月18日に執筆した以下の記事でも、
今回の技術でも使われたものと同様の伸縮配線を応用している。
[関連記事]
スキンディスプレイのカラー化 ― 手首や手の甲に画像を表示できる!
 

従来のロボットグリッパーでは、
把持力を検知する圧力センサへの配線をグリップと対象物の間に挟まれることで、
断線故障が発生しやすかったという。
 

そこにこの大日本印刷の伸縮配線技術を応用することにより、
グリップ樹脂内部に配線することでグリップ時に圧迫しても断線が起きない
耐久性を備えたロボットグリップが生まれたのだ。

この技術の素晴らしい点は、「伸縮する電気回路」という部分だ。
引張されても断線せずに通電可能というのは特に可動部位でこそ、
その価値の高さを発揮する。
 

このロボットグリッパーのように人間の四肢を模倣した機器では、
配線が設計の自由度を制限する欠点になる。
本技術を義手や義足に応用すればより自然な動きを模倣できるだろう。
今後の展開を注目したい技術のひとつだ。

 

以上4つのニュースについて要点や気付き・感想を述べてきた。
そのどれもが潜在的な将来性を宿したTECHばかりだったが、
個人的には1つめの農業の発展性を感じさせるマネジメントシステムと、
4つめの大日本印刷が持つ伸縮配線技術の可能性に対して、
特に大きな興味をそそられた。
 

もちろん、2つめのAIによるデータ圧縮技術もその効率化度合に関心を持ったし、
3つめのAIによる新たな安全航行システムを備えたマリンクルーザーにも興味がある。
 

だがやはり社会に対してのインパクトの大きさという価値軸では今一つであるし、

AIデータ圧縮は特に法規との折り合いの付け方が自動運転と同様にハードルが高いため、
自由に利用されるためにはもう少し時間が掛かると考えられる。
 

今回も拙い長文となったが、読んでくださったあなたにも何かの気付きがあったなら、
ブロガー冥利に尽きるというものである。

 

オリジナルドラマまで、豊富な作品なら。

Hulu

 

 

 

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