モノのインターネット(Internet Of Things)の前回までのおさらい
前回のブログでは、モノのインターネット(以下 IOT)の概要を日常生活のシーンに例えて取り上げてみました。
ここで最初にもう一度、その要点を簡単におさらいしてみたいと思います。
IOTを絵で表すとこのような感じになります。

Note: The Internet of Things Image from www.thomasvanmanen.nl/
上記をざっと言葉で説明すると、次のように表現できると思います。
- スマホを中心にインターネットを通じて様々なデジタル機器同士が繋がることである。
- 利用者の行動や心理に関するデータがインターネットを通じて各デジタル機器へ流れることである。
- インターネットに流れる膨大なデータ(ビッグデータ)を解析し、各デジタル機器で多様にサービス化することである。
IOTによる経済社会へのインパクト
前回同様に、以下へここ最近のインターネット上で取り上げられたトピックを記しておきます。
- 2020年のIoT広告市場は1290億円へ、スパイスボックス調査
- IoTは日本企業にとって大きなチャンス
- IoT、組み込み市場を活性化
- PTCのIoT戦略「収集データの解析が次の最重要課題」
- KDDI、Firefox OS採用の開発ボードOpen Web Boardを無料配布。GUI開発環境Gluinも用意
- ARMがIoT向けにOSを無償提供開始
- Intel、IoTの開発を促進するプラットフォームを発表
- マイクロソフト、小型タブレットとスマートフォン用Windowsを無料化。IoT用もフリー
※ご注意: 上記に挙げたトピックをそれぞれクリックして頂くと、外部サイトが開きます。
さて、今回のブログでは先のトピックの中で、
私たちの生活環境や社会から見た経済的なインパクトについて考察します。
経済といえば、消費者(私たち)と供給者(メーカー)、供給者の中では設計・製造、流通、小売
といった業者で概ね構成されています。
最初のトピックにある2020年までに日本国内の広告市場が2013年の252億円から
5倍の1290億円に膨張することが予測されていますが、
この数字は2013年度のファッション・アクセサリー市場や不動産・住宅設備市場の広告費用を上回るものです。
また2013年のIDCによる調査結果によれば、国内のIOT関連の売上規模は2013年の時点で11兆1290億円であるところが、
2018年には21兆1240億円に達する予想を報じています。
このトピックだけを見ても、流通・小売業における広告費用はIOTの売上げの成長率を上回るスピードで拡大していくということになります。
ざっと計算すると2%から5%くらいまで拡大することになり、
2013年度の国内市場の広告費用の構成比の平均とほぼ等価になります。
センサとセキュリティがIOTの重要なキーワード
2つ目のトピックで取り上げられていたものがゴミ箱にセンサを取り付けてゴミ収集車の運用効率化や、
ヘルスケア関連で血圧計や歯ブラシにまでセンサを取り付けて情報を収集するというネタも見受けられます。
ただ、日本はこうしたデータを流通させるインフラ(無線LANや携帯回線)の普及率は先進国の中でも非常に高いにも拘らず、
インフラのセキュリティ関連投資が不十分であるという問題点の指摘が、実はビジネスチャンスになると考えられます。
秘密保護法が生まれた背景として国家の文化としてセキュリティ対策の甘さを日本は指摘されることが多く、
この分野はまだ成長途中にあり、参入障壁が低いとも考えられます。
IOT時代のトレンドマイクロのような企業が、製品分野ごとに台頭していくことも今後は考えられるのではないでしょうか。
既存のセキュリティ関連企業(SECOMなど)などにも、業界を飛び越えたビジネスチャンスの到来を予感します。
インターネット接続機器・センサ市場規模の拡大
最後に3つ目のトピックについてです。
以下はセンサや制御用部品など、IoT関連の部品の売上高の推移と予測を示した図です。(出典:IC Insights)

センサには温度や圧力、速度や加速度、モーメントといった物理的な現象を電圧や電流に変換して、
コンピュータに取り込めるようにするための、人間でいう感覚器です。
これがなければコンピュータは私たちが生活する実世界で起きている事象を捉えることができません。
実は日本車に搭載されているセンサの平均的な搭載個数は20ほどと言われており、
緊急時追突軽減ブレーキや自動運転などADASと総称される先進技術を搭載すると24個ほどにまで増加するそうです。
自動車のように半自律的に作動するような複雑な製品でなくても、恐らく数個単位ではセンサが搭載されており、
操作する側の消費者の行動をセンシングしているのです。
そのセンサやセンサを搭載した制御部品の世界的な売り上げ規模が、
上記の図からは2013年では398億米ドルだったものが2018年には、
約3倍の1036億米ドルに達すると予想されています。
製品を下支えする部品であるセンサや制御部品の世界市場ですら、
このように大規模な金銭的価値を生み出す可能性があることからも、
IOTは次のITバブルを引き起こす可能性を感じることを禁じ得ません。
そしてこのトピックでは前回に触れたように、
私たちの生活環境そのものとも言うべきスマートシティが、
主役に躍り出てくることにも言及しています。
そこでは新たな公共事業投資も当然行われることでしょうし、
今は消費税増税で揺れる住宅メーカーにも新たな市場への起爆剤になる可能性を十分に感じられます。
(スマートメーターがその走りですよね。)
全2回に渡ってのIOTに対する個人的な考察を綴って来ましたが、いかがだったでしょうか?
今回のブログでIOTに対する可能性に魅力を感じたが、より詳しいことが知りたいとお考えの方には、
入門書として以下の書籍が最適ではないかと個人的に思われます。
是非、お手元にとってご覧頂き、IOTの将来性に対する造詣を深めて頂ければ幸いです。
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